Nikonレンズ 海外の評価

NIKKOR Z 28-75mm F2.8は標準ズームで歪曲と周辺減光がよく抑えられている

Photographylifeが「NIKKOR Z 28-75mm F2.8」のレビューを公開。軽量で手ごろな価格のF2.8ズームながら、歪曲収差や周辺減光が他のNIKKOR Zよりも良好とのこと。ただし、ズーム全域で性能が一貫していないと指摘しています。

Photographylife:Nikon Z 28-75mm f/2.8

(基本的なスペックなどの紹介は割愛しています)

外観・構造:

  • タムロンレンズと似た光学系だが、純正としての完全な互換性や価値が維持される点で異なる。
  • 通常のNIKKOR Zと同じビルドクオリティだ。構造の大部分はプラスチックパーツを使用しているが、全体的にきちんとした作りだ。
  • 非S-Lineながら、防塵防滴に対応し、フッ素コーティングも備えている。
  • 悪天候を含めて数か月使用しているが、防塵防滴について不満はない。

携帯性:

  • とても軽いレンズだ。24-70mm F4よりも僅かに重いだけである。

操作性:

  • 操作部はコントロールリングのみだ。フォーカス操作の他に絞りや露出補正を操作できる。OLEDモニタやAF/MFスイッチは無い。
  • NIKKORレンズとしては最もシンプルなレンズである。

フォーカス:

  • 高速かつ静かな、優れたAFだ。
  • F2.8の明るさを活かして、低照度でF4ズームよりも良好な結果が得られる。
  • 最大撮影倍率が1:3と高い。
  • 適度なフォーカスブリージングが発生する。動画撮影に魅力的とは言えず、深度合成時も余分なスペースが必要となる。

手ぶれ補正:

  • 光学手振れ補正は搭載していない。

解像性能:

  • F2.8からきちんとした解像性能を発揮する。
  • 中央と周辺部のピークはF4、隅はF5.6でピークとなる。
  • 35mmの結果も基本的に28mmと同じだ。しかし、隅のシャープネスが僅かに低下している。
  • 50mmは明らかに性能が低下する。特にF2.8の隅がソフトだ。F4まで絞ると大幅に改善し、F5.6まで絞れば風景撮影に使いやすい結果が得られる。
  • 75mmの隅は50mmよりも良好だが、中央のF2.8が低下する。幸いにも絞ると大幅に改善する。

像面湾曲:

  • 記載なし。

ボケ:

  • ボケはきちんとしているが、一部の条件では縁取りが明瞭で騒がしくなる。
  • スペシャルではないが、ひどくもない。

色収差:

  • 色収差は比較的少ない。
  • 75mmを除けばズーム全域で一貫している。
  • 補正がオフの状態でもほとんど認識できないくらい補正されている。

球面収差:

  • 記載なし。

歪曲収差:

  • このようなレンズとしては歪曲収差の補正状態が良好だ。
  • 広角側で2.22%の樽型、望遠側で1.60%の糸巻き型だ。
  • Z 24-70mm F4の広角側は4.43%と目立つ樽型である。Z 27-70mm F2.8でも2.93%だ。
  • 広角側の補正状態はNIKKOR Zレンズの中で最も良好だ。
  • レンズプロファイルにより歪曲収差は綺麗に補正される。

周辺減光:

  • 全体的な影響は少ないほうだが、28mmと75mmで最も悪くなる。
  • 最高値は75mm F2.8 無限遠の1.79EVだ。この時点で良好な数値であり、F4まで絞ると大幅に改善する。
  • NIKKOR Z 標準ズームの中では最も良好だ。

コマ収差:

  • 驚いたことにコマ収差はほとんど見られない。

逆光耐性:

  • NIKKOR Zレンズの多くは光条の見栄えが悪いため、比較してきちんとした描写に見える。
  • 太陽がフレーム内あると高レベルのゴーストが発生する。
  • 見栄えの良い結果ではないが、平均よりも良好な逆光耐性だ。

作例集

総評

最も優れているのは重量だ。24-70mm F4と比べて過度に重くなく、最高のトラベルズームレンズとなるだろう。ただし、タムロン版よりも高価で、解像性能はズーム全域で一貫していない。状況によっては「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR」が、幅広いズーム域で、より好ましい選択肢となるだろう。

  • 長所
    ・高速で正確なAF
    ・防塵防滴
    ・ビルドクオリティ
    ・諸収差の補正状態
    ・軽量
    ・価格
  • 短所
    ・28mmはじまり
    ・望遠側のパフォーマンス
    ・やや騒がしいボケ
    ・コントロールが少ない
    ・タムロンG2ではなくG1のOEM
    ・タムロンよりも販売価格が高い

とのこと。
ニコン純正のF2.8標準ズームとしては驚くほど手ごろな価格でコンパクトなレンズですね。タムロン「28-75mm F/2.8 Di III RXD」との関連性を指摘する声があり、Photographylifeも同様。ニコン純正としての互換性の高さは価値を高めるポイントと言えそうですが、ソニーEマウントのタムロンレンズとの価格差を考慮するとモヤモヤしたものが残るようです。また、光学系を一新して大幅に改善した「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2」ではないことも不満のようです。

とは言え、大口径ズームとしては小型軽量で、特に広角側での良好な光学性能を評価している模様。S-Lineほど一貫性のあるパフォーマンスではありませんが、低照度でF2.8を活かせるシーンが多いのであれば面白い選択肢となりそうです。もしも口径にこだわらないのであれば、「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」や「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」も検討してみると良いかもしれません。

ニコン NIKKOR Z 28-75mm F2.8 最新情報まとめ

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