PhotographyBlogeがニコン「NIKKOR Z 40mm f/2」のレビューを公開。年々高価になっていると言われる写真機材ですが、手ごろな価格で驚くほど良好な光学性能を実現していると高く評価しています。
PhotographyBlog:Nikon Z 40mm F2 Review
外観・構造:
- プラスチック外装である。
- ビルドクオリティは良好だ。手ごろな価格の単焦点レンズに期待しているものを上回る。ただし、S-Lineレンズほどのビルドクオリティではない。
- レンズマウントは金属製ではなく、プラスチック製だ。
- このような価格のレンズとしては意外にも防塵防滴仕様である。
携帯性:
- 170gと非常に軽量だ。
- サイズは70mm×45.5mmで、ニコンZ用レンズとしては最小クラスである。
- Z 5のようなカメラとの組み合わせに最適だ。
- 52mmフィルターに対応している。
操作性:
- 十分なサイズのフォーカスリングを搭載している。
- MFを使用しない場合はISO・絞り・露出補正などを割り当てて使うことが出来る。
- リングはきちんとしたトルクで回転する。マニュアルオーバーライドも可能だ。
オートフォーカス:
- ステッピングモーター駆動のAFは滑らかでほぼ静かなフォーカシングを実現している。静止画・動画に最適だ。
- AFはZ 5と組み合わせると高速だが、電光石火ではない。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 光学式手ぶれ補正は搭載していない。
解像性能:
- 中央はF2からF11まで優れている。F16で回折の影響を受ける。
- 端は中央ほどシャープでは無く、F4からF11で最もシャープな結果が得られる。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- ボケの評価には個人差があると思うが、魅力的なボケ味だ。
色収差:
- テストショットで色収差は見られず、非常に高コントラストな領域でのみ発生する。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- RAWでも目立つ樽型歪曲はほとんどない。
周辺減光:
- F2では目立つ光量落ちが発生する。
- 解消するには少なくとも3段絞る必要がある。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 絞ってもあまり綺麗な光条とはならない。
- 太陽をフレームに入れるとフレアが発生しやすくなる。
総評
NIKKOR Z 40mm F2は、日常的な撮影に最適な小型・軽量の準広角レンズである。
このレンズの最大のセールスポイントは、ユニークな画角と小型軽量であること、そしてニコンのフルサイズセンサーカメラ用としては最も安価な単焦点レンズであることだ。その控えめな価格設定からすると、光学的に驚くほど優れた性能を持っており、F2の絞り開放で撮影した場合でも、ほぼすべてのフレームでシャープに写る。
開放では周辺減光がやや大きく、F16での光条は特に鮮明ではなく、太陽を直接撮影するとフレアが発生する。色収差と樽型歪曲はJPEG・RAWの両方で良好に補正されており、F2の開放F値と9枚の絞り羽根の組み合わせにより、ボケ味は非常に素晴らしい。
このレンズが低価格である主な理由は、ビルドクオリティだ。レンズマウントやフィルターソケットに至るまで、すべてプラスチック製である。長期的な使用で問題になるかどうかはまだわからないが、金属製のマウントにこだわる人は、他のレンズを検討する必要がある。
また、Z 40mmには前後のレンズキャップ以外の付属品はなく、フードやケースなども同梱されていない。カメラやレンズが年々高価になっていると言われる中で、イギリスで249ポンド、アメリカで299ドルという価格で、しかもこんなに良いレンズを発売してくれたのはとても嬉しいことだ。
直接の競合レンズは存在しないが、Z 35mm F1.8 SとZ 50mm F1.8 Sは、それぞれわずかに広い画角と狭い画角を提供し、わずかに明るい開放F値を実現している。しかしZ 40mmよりもかなり大きく、重く、高価なレンズだ。
Z 40mm F2は、「nifty-forty」の称号にふさわしい、お金をかけない素晴らしいレンズだと思う。ニコンZをお使いの方は、ぜひ一度試してみてはいかがだろうか。
(訳注:海外では50mm F1.8のことを「nifty-fifty」と表現することがあります)
とのこと。
2021年11月現在、ニコンZレンズのラインアップで最も手ごろな価格のレンズですね(DX用ズームレンズよりも安い)。一眼レフ時代の「AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G」よりも少し高価ながら、より小型軽量でミラーレスに最適なAF駆動を搭載。光学性能がより良好となっているかは要検証ですが、MTFを見比べる限りでは周辺部の落ち込みが少ないように見えます。PhotographyBlogにおける評価もかなり高く、レンズフード非対応などいくつか欠点を指摘しつつも、総合評価は「4.5点(5点満点中)」としています。
NIKKOR Zレンズらしい高い光学性能を期待する場合にはS-Lineを選ぶ必要があるものの、程よい光学性能で、手ごろなサイズ・価格でミラーレスを使いたいのであれば面白い選択肢となりそうです。
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