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NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sは並外れた画質のマクロレンズ

Phototrendがニコン「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」のレビューを公開。マクロ域でのAF性能を指摘しつつ、並外れた画質で、優れた解像性能や収差の補正状態を高く評価しています。

Phototrend:Test Nikkor Z MC 105 mm f/2,8 VR S : le roi de la macro en monture Nikon Z ?

外観・構造:

  • S-Lineらしい仕上がりだ。
  • とても良好な作りで、レンズの品質を醸しだしている。
  • レンズマウントは金属製だ。
  • 防塵防滴仕様である。
  • OLEDパネルを搭載しており、ピント位置や撮影倍率の表示が可能だ。
  • 実効の開放F値は最短撮影距離でF4.5まで大きくなる。この場合の最小F値はF51だ。
  • テレコンバージョンレンズには対応していない。

携帯性:

  • 全長140mm、重量630gのレンズだ。
  • レンズサイズを考慮すると驚くほど軽い。
  • Z 7IIとの組み合わせで1,335kgとなり、バランスは良好だ。
  • レンズの重心が良好で、使い心地が良い。
  • 62mmフィルターに対応している。

操作性:

  • 大きなフォーカスリングを搭載しており、応答性は良好だ。
  • フォーカスリングのレスポンスはノンリニアで、回転速度によって移動量が変化する。
  • コントロールリングで絞りやISO、露出補正の調整が可能だ。
  • AF/MFとAFリミッター用のスイッチがある。

フォーカス:

  • マルチフォーカス方式のステッピングモーター駆動だ。
  • マクロレンズとしては非常に快適である。
  • AFは応答性が高く正確に動作する。
  • 駆動音は目立たないがゼロではない。
  • 最大撮影倍率付近ではAFが遅くなる。カメラの設定を変えても改善しない。

手ぶれ補正:

  • 4.5段分の補正効果が得られる手ぶれ補正を搭載している。
  • テストでは1/5秒でシャープな結果を得ることが出来た。

解像性能:

  • 絞り開放から高い解像性能だ。
  • マクロでも絞り開放で良好なディテールとコントラストが得られる。
  • マクロ域でもF5.6~F8で画質・均質性が向上する。
  • マクロ以外では絞り開放から全体的にとてもシャープだ。

像面湾曲:

  • 記載なし。

ボケ:

  • 特に1mまでの被写体で美しいボケが得られる。
  • マクロ域以外でもボケはとても柔らかいが口径食が目に付く。
  • 絞ると口径食は改善するが、解消することはない。

色収差:

  • 色収差はほとんど無い。

球面収差:

  • 記載なし。

歪曲収差:

  • 歪曲収差はほとんどない。

周辺減光:

  • 最短撮影距離では目立たない。
  • 無限遠ではかなり目立つ。
  • F4まで絞ると減少し、F5.6で解消する。

コマ収差:

  • 記載なし。

逆光耐性:

  • 記載なし。

総評

ベンチマークとなる高い光学性能を備えたマクロレンズだ。高解像センサーを搭載したカメラの潜在能力を引き出すことができる。エルゴノミクスも良好で、効果的な手ぶれ補正やマニュアルフォーカスを利用できる。AFは正確で高速だが、マクロ域でのAFは減点となるポイントだ。

  • 長所
    ・並外れた画質
    ・ハイクオリティな作り
    ・収差の補正
    ・手ぶれ補正
    ・絞り開放から刺さるほどシャープ
  • 短所
    ・マクロ距離でAFが遅い
    ・実効F値が大きくなる
    ・レンズサイズが大きい
    ・役立たずのOLEDパネル

とのこと。
マクロ域でのAFは少し注意が必要となっているみたいですが、光学性能が非常に高いマクロレンズに仕上がっている模様。注意点として実効F値を指摘していますが、マクロレンズでは一般的な仕様となっているので気にする必要は無いでしょう(ニコンは実効F値を表示する仕様で、他社は実効F値を表示しない場合が多い)。

私もZ 7と組み合わせて使用しており、Phototrendのレビューは概ね同意できる内容。レビュー中で指摘しているように、接写時はAF速度が著しく低下するので注意が必要。同時期に登場したRF100mm F2.8 L IS USMと比べると雲泥の差。
とは言え、光学性能は非常に良好であり、私が2021年に購入したレンズの中ではトップクラスの解像性能。色収差も徹底的に補正しており、F2.8から細部まで高コントラストな画質は「これぞNIKKOR Z」と感じています。

その一方で、無限遠側の口径食や周辺減光が非常に目立ち、ボケも欠けやすいのが悩ましいところ。コントラストが高いので、背景によっては騒がしく感じることも…。マクロレンズとしては優秀ですが、F2.8を使ったポートレートなどでは欠点が目立つかもしれません。

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