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ソニーFE 35mm F1.8 交換レンズレビュー 総集編

このページではソニー製フルサイズミラーレス用交換レンズ「FE 35mm F1.8」のこれまでレビューした内容をまとめ、総評を掲載しています。

FE 35mm F1.8 交換レンズレビュー 総集編

万人向けの使いやすい広角レンズ

Good

  • しっかりとした金属鏡筒
  • 小型軽量
  • フォーカスホールドボタンとAF/MFスイッチ
  • 高速で静か、そしてブリージングの目立たないAF
  • 近距離でも絞り開放からシャープな中央解像
  • フレーム全域で良好な遠景解像
  • 僅かな糸巻き型歪曲
  • 良好に補正された球面収差
  • まずまず滑らかな後ボケ

Bad

  • 防塵防滴配慮ながらレンズマウントにシーリング無
  • 近距離ではF1.8~F2.8で周辺解像が甘い
  • ピント距離によって非球面レンズの影響が目立つ
  • 口径食の影響が大きい
  • 軸上色収差の補正が完璧では無い
  • 前ボケが比較的硬調
  • 絞り開放付近で顕著なコマフレア

部分的に注意すべきポイントはあるものの、バランスが良くカジュアルに使える広角単焦点レンズ。

描写性能

絞り開放から安定した描写性能です。程よく解像し、ボケはまずまず滑らかで、コントラストも適度に良好。傾向としてはFE28mmと良く似ていますが、光学性能はFE85mm F1.8に近いかも。

絞り開放付近は軸上色収差やコマ収差の影響が残っているので、シチュエーションによってはボケやピント面がイマイチ。この辺りは「GM」「G」シリーズと差が付けられている印象。

とは言え、気になるポイントと言えばそのくらいで、基本的には使いやすい35mmに違いありません。

使い勝手

「35mm F1.8」に期待するレンズサイズなので携帯性・収納性はバッチリ。FE28mm F2・FE85mm F1.8と組み合わせることで携帯性の高いフルサイズ単焦点システムを組むことが出来そうです。

オートフォーカスはフルサイズF1.8レンズと考えると非常に高速。FE28mmのようなブリージングも無く、静かで滑らかに動作します。

フォーカスホールドボタンやAF/MF切替スイッチなど操作性が充実している点においてFE28mm F2よりも優秀。

価格

無印 F1.8レンズとしては少し高い。解像性能や高速AFを考えると妥協すべきかもしれませんが、出来ればFE85mm F1.8と同じ価格帯のほうが良かったかなと。このレンズの価格を考慮すると、せめてレンズマウントに防塵防滴仕様のシーリングは施して欲しかったところ。

総評

管理人
満足度は85点。 35mm F1.8を探しているのであれば、他に選択肢が無いのでコレを買うしかない。他に選択肢はありませんが、万人向けで使いやすいレンズに仕上がっていると思います。(多少高価ではありますが)アッと驚く、切れ味でもボケでもコントラストでも無いので、人によっては味気なく感じるかも。 絞り開放の解像性能やボケ描写を重視している人は他の選択肢も要検討。ただし、その場合にレンズサイズや価格はトレードオフになると覚悟するべし。
FE 35mm F1.8
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購入を迷っている人へ

ソニーEマウントの35mmで迷うとしたら以下のレンズでしょうか?

多くのレンズがFE35mm F1.8と同じか、それ以上の価格設定となっています。お手頃プライスのレンズと言えばサムヤン「AF 35mm f/2.8 FE」くらいでしょう。良いレンズですがプラスチッキーな作りなので注意。

同価格帯にサムヤン「AF 35mm F1.4 FE」があるので悩ましいところですが、ボケ量を絶対視せず、日常的に使える携帯性を考慮するとFE35mm F1.8のほうがおススメ。

MFレンズで構わないのであれば「Voigtländer NOKTON classic 35mm F1.4 E-mount」が小型で大口径を実現しています。ただし「NOKTON」なので開放からシャープな描写を期待するのはやめたほうが良いでしょう。

ベストを尽くすのであれば「35mm F1.2 DG DN」ですが、レンズサイズは最も大きく、価格設定は35mm F1.4 ZAに匹敵する高級レンズ。

35mmの選択肢はどれも個性的なレンズが多い。迷うくらいならバランスの良い「FE 35mm F1.8」が良い選択な気がします。

外観・操作性

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ソニーの手頃なFE単焦点シリーズの一つ。「GM」「G」「ZA」などのブランドを冠していませんが、良好な光学性能で(Eマウントレンズの中では)比較的安い価格設定となっています。

同じようなコンセプトとして「FE 28mm F2」「FE 50mm F1.8」「FE 50mm F2.8 マクロ」「FE 85mm F1.8」などがラインアップ。この35mmが加わることで、スタンダードな焦点距離をカバーしたことになります。残すところ20mmや24mmと言った超広角レンズでしょうか?

レンズ外装は他と同じくアルミニウム合金を採用した金属鏡筒。プラスチック外装を採用するカメラメーカーも多い中、しっかりとした質感のレンズと言えるでしょう。レンズフードはプラスチック製花形フードが同梱しています。

ちなみに製造国は中国となっています。

サイズ・重要

外形寸法は「65.6 x 73mm」、質量は約280g。「FE 28mm F2」「FE 50mm F1.8」よりも少し大きなレンズですが、「FE 85mm F1.8」よりも少し小さい。35mm F1.8としては程よいサイズ感であり、特に大きくも小さくとも感じません。

レンズマウントの直径と比べ、レンズ外装の直径はほぼ同程度。比較的スリムなレンズとなっているのでカメラと組み合わせた際のハンドリングも良好です。

前玉・後玉

インナーフォーカス式のため前玉・後玉は固定されています。前群繰り出し式やリアフォーカス式と比べて小ゴミや塵の混入が少ないレンズの仕組みですね。フォーカスリングやホールドボタン、スイッチ、レンズマウントは防塵防滴に配慮した設計となっています。ただし、レンズマウントに耐候性を強化するシーリングは施されていません。過信は禁物。

操作性

FE 85mm F1.8」と同じく、フォーカスホールドボタンとAF/MF切替スイッチを搭載。28mmや50mmはホールドボタンのみならず、AF/MF切替スイッチすらないので地味に不便なのですよね。フォーカスホールドボタンはカメラ側でボタンカスタマイズが可能。

フォーカスリングは他のレンズと同じくバイワイヤ式のマニュアルフォーカスリングとなっています。リニアな操作感となっており、ゆっくり回転しても、素早く回転しても、およそ135度前後の回転量。このレンズの最短撮影距離を考慮すると、接写時のMF操作は少し難しく感じます。ただし、動作は滑らかで正確なので操作に慣れると特に問題を感じないかも。

α7 IIIとの組み合わせ

コンパクトボディのα7シリーズ組み合わせた際のバランスは良好。レンズ直径が小さいのでカメラグリップ周囲のクリアランスも良好と言えるでしょう。

AF

フォーカス駆動にはリニアモーターを採用。電源オフ時にフォーカスレンズが固定されず、カタカタと異音が鳴るのは気になるポイントですが、使用時は滑らかで高速なオートフォーカスとなります。接写性能の高い35mm F1.8としてはとても良好なパフォーマンスだと感じます。

FE 28mm F2」のように目立つフォーカスブリージングが無いので自然なフォーカシングを楽しめます。レンズに耳を当てると、駆動音が僅かに聞こえますが環境音が発生する場面では聞き取ることが出来ない音量。

雑感

レンズ外装はこのシリーズに期待する質感を満たしており、F1.8系のレンズとしては良好なAFパフォーマンスだと感じます(特にFE50mm F1.8を考えると)。同シリーズの中では最も高価なレンズなので、妥当と言えば妥当な質感とパフォーマンスですが…。35mmが好きで、F1.4が必要無い人にとってはバランスが良く丁度良いレンズだと感じるはず。

解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:α7 III
  • 交換レンズ:FE 35mm F1.8
  • パール光学工業株式会社「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • α7 IIIのRAWファイルを使用
  • ISO 100 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
    ・格納されたレンズプロファイルオフ
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェックしています)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証しています。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性があります。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

解像力テスト

各所で評価の高い本レンズですが、絞り開放の近接解像は平凡な結果となりました。パフォーマンスはFE28mm F2と非常に似ており、少なくともF2.8までは同程度と考えて問題無いでしょう。描写が甘いとは感じませんが、キレが無いのは確か。この辺りは後ボケの滑らかさとトレードオフになっているのかもしれません。

F4以降は徐々にフレーム周辺部の解像性能が良くなり、フレーム全域のピークはF8前後。ピークの性能はFE28mm F2よりワンランク高いものとなっています。良像と感じるのは「2500」あたりなので、風景や建築物など解像性能を必要とする場合はF5.6まで絞っておくと良いでしょう。

中央解像は絞り開放から非常にシャープで、F4以降はα7 IIIの2400万画素ではこのレンズの解像性能を拾いきれていない可能性大。

F値 中央 周辺部 四隅
F1.8 3227 1795 1963
F2.0 3163 1900 1984
F2.8 3653 2137 2010
F4 3707 2900 2426
F5.6 3787 3426 2809
F8 3600 3452 3065
F11 3558 3452 3568
F16 3110 3216 2997
F22 2874 2633 2503
サンプル(F1.8)

倍率色収差はとても良好に補正されています。海外の実写作例では残存収差が目に付いていたのでいい意味で驚きました。遠景テストで再度確認予定。

雑感

価格を考慮するともうちょっと頑張って欲しかな、と言う気もしますが近接でフレーム四隅までキレッキレの解像性能を求める人は少ないはず。ボケは滑らかで綺麗な描写となっているので、解像性能は妥協すべき部分。遠景の実写テストは後日実施予定。

「マクロ」と冠したキヤノン「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」と比べると、隅から隅まで一貫したパフォーマンスで見劣りします。フォーカスレンズの駆動方式が大きく違うので近接時の収差変動で差が出るのは仕方の無いことかもしれませんね。

遠景解像

撮影環境

  • α7 III ILCE-7M3
  • FE35mm F1.8
  • Leofoto LS-283CM+LH-30
  • セルフタイマー+電子シャッターで反動を最小限まで抑制
  • RAWデータをAdobe Lightroom CCCで編集せず現像
  • 現像の際に上記画像の赤枠の部分をクロップ

テスト結果

中央領域は絞り開放からとてもシャープでコントラストも良好。僅かに発生している軸上色収差はF2.8まで絞れば改善します。絞ることによる解像性能の変化は大きくありません。ベストを尽くすのであれば色収差が低減するF2.8から回折の影響が少ないF11まで。

像高5割の周辺領域も基本的には中央と同傾向。四隅の絞り開放はコントラストがわずかに低く、これを改善するためにはF4~F5.6まで絞る必要あり。解像性能は悪く無いものの、ベストを尽くすならF5.6~F11あたりをチョイスしたいところ。

キヤノンの「RF35mm F1.8 IS STM」と比べると少し軸上色収差の量が多く、絞り開放の安定感が僅かに見劣りする印象。ただし、絞った際のパフォーマンスは同程度のように感じます。

雑感

6万円台の35mm F1.8としては及第点を超えている解像性能だと思います。解像力チャートのテスト結果ほど絞り開放の周辺部は悪く無いと感じますが、やはり四隅付近の画質を中央に合わせようとすると2段は絞りたいところ。今まで存在しなかった「35mm F1.8」を埋めるレンズラインアップとしてはバランスの良い選択肢だおと思います。

個人的には、さらに1万円ほど安価なキヤノン「RF35mm F1.8 Macro IS STM」の絞り開放における画質に及んでいないのが惜しい。

近景解像

最短撮影距離は0.22m、最大撮影倍率は0.24倍。同じ焦点距離の「Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA」「Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA」と比べると接写性能の高いレンズであることが分かります。

同じミラーレス用レンズの「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」と比べても良好な接写性能ですね。35mm F1.8でこれ以上の接写性能を備えているのはハーフマクロの「RF35mm F1.8 Macro IS STM」くらいでしょう。

大口径レンズは近接時の収差変動が大きくなるものですが、このレンズは”そこそこ良好な”解像性能を維持しているように見えます。中央はF2.0まで絞ればシャープに、F4~F16まではピークの解像性能を維持。フレーム端はF1.8~F2.8でやや甘く見えるものの、F4~F5.6まで絞ればまずまず安定、F8~F16でシャープな描写となります。

軸上色収差

軸上色収差による色ズレは一昔前のF1.8レンズと比べて良好だと思いますが、完璧な補正とは言えません。特に輝度差の激しいシーンで絞り開放付近を使うと目に付くことでしょう。F2.8まで絞るとほぼ収束し、F4まで絞れば解消します。

前後のボケに顕著な差はありませんが、比較的後ボケのほうが滑らかな描写に見えます。その結果、後ボケの色付きは目立ちにくくなりますが、前ボケが少し硬くなっているのでマゼンダの色づきは目に付くシーンが多いかも。

逆光耐性

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フレア耐性はまずまず良好ですが、強い光を直接フレーミングするとゴーストが発生しやすい。これは晴天時の太陽でも似たような傾向となり、特に小絞り時は目立ちやすいので注意が必要。

光条はF4付近から徐々に表れはじめ、F11~F16でシャープな光条へと変化します。F22を使うと回折の影響が強いため、F11~F16の間を使うと良い感じ。

歪曲収差

デジタル補正を抜いたRAWデータを確認すると、僅かな糸巻き型歪曲であることが分かります。普通は樽型歪曲となることが多い焦点距離なので、珍しい歪曲収差となっています。レンズプロファイルで補正すると綺麗な直線となりますが、補正を適用しなくとも光学的にまずまず良好な補正。

コマ収差

まずはF1.8における全体像を確認してみましょう。

全体像でも四隅におけるコマフレアの影響が顕著であると分かります。イルミネーションで使うにはちょっと抵抗のある収差量ですね。

下のGIF画像はイメージ右下を切り取り、絞り値ごとに合成したものです。

絞り開放付近は極めて目立つコマフレアですが、F2.8まで絞るとほぼ解消します。ISO感度やシャッタースピードが許すのであればF2.8まで絞りたいところ。

また、軸上色収差の補正が完璧では無いので、F4.0付近までは極めて強いコントラストにおいて輪郭への色づきが確認できます。色を正確に出したい場合はF4まで絞ると良い感じ。

光条はF5.6付近から発生し始め、回折の影響が少ないF8~F16で使いやすい描写となります。

雑感

コマフレアへの耐性はあまり良くありませんが、敢えて言えばキヤノン「RF35mm F1.8 IS Macro STM」も似たようなパフォーマンスです。特にこのレンズだけ酷いと言う訳ではありません。この辺りは価格帯を考えると妥協すべきポイントと言えるかもしれませんね。

今回はイルミネーションでチェックしましたが、絞り開放付近を使った「木漏れ日」や「水面の煌めき」「夜景」など、強い点光源を四隅にフレームインした場合は気を付けたほうが良いでしょう。

球面収差・非球面レンズの影響

前後のボケに大きな差は見当たりません。球面収差は綺麗に補正されているように見えます。前後の描写に差はないかもしれませんが、ピント距離によって少し騒がしいボケとなるかもしれません。

小ボケ領域を確認すると非球面レンズと強めの縁取りを確認できます。

口径食の影響

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口径食の影響が無いのは像高5割未満、それより外側は口径食の強い影響を受けているようです。2~3段ほど絞ると大部分は改善するように見えますが、フレーム四隅は絞ってもなかなか改善しないように見えます。

ボケ

距離

やや後ボケ重視の味付けが施されているものの、基本的には前後ニュートラルなボケ描写。騒がしく感じるシーンは少ないですが、背景のコントラストが高いとザワザワ感じることがあるかもしれません。接写することで小ボケ領域の騒がしさは少なくなります。

作例1(中央クロップ)

軸上色収差により後ボケはグリーンの色ずれが発生します。背景が緑であれば全く目に付きませんが、コントラストが付きやすい背景の場合にはボケの縁取りが気になります。やはりF2.8まで絞ると色ずれが緩和するため、目に付くシーンでは少し絞って撮影すると良いでしょう。

作例2(水平はフル画角)

今回使用した機材

α7 III ILCE-7M3 ボディ
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α7 III ILCE-7M3 レンズキット
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