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伸びるタイプの「50-140mm F2.8 DC DN」「70-200mm F2.8 DG DN」を想定したような特許出願

2023年6月29日付けでシグマの気になる特許出願が公開。伸びるタイプのF2.8望遠ズームレンズに関する光学系の特許となっている模様。50-140mm F2.8 DCDN・70-200mm F2.8 DG DN登場なるか?

概要

  • 【公開番号】P2023090116
  • 【公開日】2023-06-29
  • 【発明の名称】結像光学系
  • 【出願日】2021-12-17
  • 【出願人】
    【識別番号】000131326
    【氏名又は名称】株式会社シグマ
  • 【課題】ズーム全域で開放F値が小さく小型な結像光学系を提供する。
  • 【背景技術】
    【0002】
    近年、結像光学系と撮像素子の間に配置され、光線をファインダー光学系に導くクイックリターンミラーを廃した、所謂ミラーレスカメラが普及している。ミラーレスカメラはミラーを廃したことにより筐体が小型化されているため、それに伴い結像光学系の小型化が求められている。また、ズーム全域で開放F値の小さい大口径ズームレンズが求められている。
  • 【0004】
    特許文献1では、開放F値が2.8程度と明るく、変倍に際し最も物体側のレンズ群が像面に対して固定されたポジティブリード型のズームレンズが開示されている。光学全長が変化しないことにより利便性や堅牢性が高いが、結像光学系のサイズが大きいという問題がある。特許文献2では、開放F値が2.8程度と明るく、広角端における光学全長が短縮されたポジティブリード型のズームレンズが開示されている。しかし、開口絞りよりも像側に、変倍に際し移動する径が大きいレンズ群が多く配置されているため、変倍に要する機構が大型化し、鏡筒の径方向のサイズが大きいという問題がある。
  • 【0005】
    本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ズーム全域で開放F値が小さく小型な結像光学系を提供することを目的とする。

実施例1

  • 焦点距離:50.50-136.50
  • F値:2.92
  • 半画角:30.62-11.40
  • 像高:14.20
  • 全長:125.00-145.00

実施例2

  • 焦点距離:72.00-194.10
  • F値:2.92
  • 半画角:32.92-12.12
  • 像高:21.63
  • 全長:168.00-203.60

実施例1のみAPS-C用、実施例2以降はフルサイズ用の光学系のようです。どちらも開放F値が「F2.8」固定の大口径で、一般的な望遠域をカバーするズームレンズとなっています。このタイプの光学系は一般的なインナーズーム(ズーム操作で光学系の全長が変化する)タイプが多いものの、最近はキヤノン「RF70-200mm F2.8 L IS USM」やニコン「NIKKOR Z 70-180mm f/2.8」、タムロン「70-180mm F/2.8 Di III VXD」など、ズーム時に全長が変化する構造を採用したモデルが増えてきています。

この方式を採用することで、縮長が短く、収納性が大幅に向上。F2.8大口径ズームをより身近な存在として携帯しやすくなります(インナーズームの場合、光学系の全長は20cmを超える場合が多い)。一方、伸び縮みすることで200mmを維持するのが難しくなり、ズームリングの操作が重くなると予想されます。また、防塵防滴の観点からマイナスと言えるでしょう。

今のところ、このような構造のシグマ製レンズは登場していません。APS-C用は既存の「18-50mm F2.8 DC DN」とセットになるContemporaryラインでしょうか?それともSports・Artラインとして検討しているのか気になるところ。

いずれにせよ、シグマが商品化前の光学系を公開するのは珍しいです。既に廃案となったのか、あくまでもたたき台なのか、今回の光学系のまま商品化される可能性は高くないと思われます。

参考:シグマ DG DN シリーズ

DG DN
DC DN

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