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シグマ「35mm F2 DG DN」はソニーと同価格だがより良好な解像性能とボケ描写

Dustin Abbottがシグマ「35mm F2 DG DN」のレビューを掲載。価格設定は純正と同等ですが、ビルドクオリティやボケは純正以上、光学性能も同等かより優れていると評価しています。

プレミアムコンパクト

Dustin Abbott:Sigma 35mm F2 DG DN Review

  • レンズの紹介
    ・2019年にレビューした45mm F2.8 DG DNはビルドクオリティが優れているが、光学性能はシグマらしからぬバランスのレンズだった。
    ・その1年後、シグマはiシリーズのContemporaryラインのレンズを3本投入した。
    ・24mm・35mm・65mmの3本の中では35mm F2が最も人気の高いレンズになると思う。
  • ビルドクオリティ
    ・サムヤンAF35mm F1.8が大好きだ。しかし、ビルドクオリティではシグマが抜きんでている。
    ・Contemporaryラインと言えば、SGVの中では廉価モデルに冠されるシリーズだ。しかし、このレンズは明らかにArtラインよりも優れたビルドクオリティである。
    ・外装は総金属製だ。細部まで美しく加工されている。
    ・従来のプラスチックキャップに加え、マグネット式のレンズキャップも付属する。
    ・マグネット式キャップはレンズフード装着時に使い辛い。フード無しの場合に使うと良いだろう。
    ・フィルターソケットまで金属製だ。
    ・レンズマウントのみ防塵防滴用のガスケットが備わっている。
  • 携帯性
    ・レンズサイズは70×67.4mm、重量は325gだ。これはサムヤンよりも少し大きく、ソニーよりも少し幅広い。金属外装のため、当然ながらどちらのレンズよりも重くなっている。
    ・重くなってはいるが、大きな違いを生むほどの差ではない。
  • 操作性
    ・絞りリングは多くのレンズと同様に「A」に対応している。
    ・絞りは1/3段ごとに操作可能だ。誤操作が発生しない適度な抵抗量を備えている。
    ・AF/MFスイッチを搭載している。動作の向きが変わっており、より使いやすくなっている。
    ・フォーカスリングは絞りと同じくバイワイヤ方式だ。
    ・フォーカスリングは良い感触だが、レンズフードとの隙間が狭い。もう少し間隔があいていると良かった。
  • オートフォーカス
    ・ステッピングモーターを使用している。
    ・動画ではモーター音が聞こえるものの、動作は正確で滑らかだ。ハンチングはほとんど発生しない。
    ・瞳AFは良好に機能する。
    ・前景に素早くピントを合わせる能力は平均よりも優れている。
  • マニュアルフォーカス
    ・記載なし
  • 最短撮影距離
    ・サムヤンよりも少し良好だが、ソニーほど接写に適していない。
    ・絞り開放ではコントラストが少し低下する。
    ・F2.8まで絞るとコントラストが急激に向上する。
  • 手ぶれ補正
  • ・記載なし
  • 解像性能
    ・F2は中央から四隅にかけてコントラストが改善する余地を残しているが、フレーム全体で均質で優れたシャープネスである。
    ・45mm F2.8より明らかにシャープだ。
    ・F2.8まで絞るとコントラストが明らかに改善する。
  • 像面湾曲
    ・記載なし
  • ボケ
    ・電子先幕シャッターのまま高速シャッターを使用するとボケが欠けるので注意が必要だ。
    ・F1.4ほどのボケではないが、ボケは素晴らしく柔らかい描写だ。
  • 色収差
    ・補正しきれない色収差もあるが、心配するほどではない。
    ・軸上色収差もそこまで目立たない。
  • 球面収差
    ・記載なし
  • 歪曲収差
    ・樽型歪曲は軽度だ。最終的にソフトウェアで完璧に補正出来る。
  • 周辺減光
    ・周辺減光はF2かなり目立つ。
    ・F5.6まで絞ると改善するが、減光は解消しない。
    ・特定の状況では間違いなく補正する必要がある。
  • コマ収差
    ・記載なし
  • 逆光耐性
    ・逆光時にフレアの兆候は見られなかった。
  • 作例集

総評

ソニーFEにおける35mmの選択肢はここ1年ほどで大量に登場した。ソニー「FE 35mm F1.8」シグマ「35mm F1.2 DG DN」、タムロン「35mm F/2.8 Di III OSD M1:2」、サムヤン「AF 35mm F1.8 FE」など。これらに加えてツアイス「Loxia 2/35」や各社のF1.4まで存在する。

数多くの35mmレンズが存在するものの、あなたがスタイリッシュでコンパクトで、優れた光学性能を備えたプレミアムレンズを探しているのであれば、まさに打ってつけのレンズとなるだろう。

頑丈で機能的なビルドクオリティは大好きだ。そしてAFは高速かつ正確であり、素敵な動画用レンズにもなる。改善する点があるとすれば、絞りリングのデクリック機構を付けることくらいだろう。

光学的に唯一の不満は周辺減光は少し重すぎることだ。それ以外では、非常にシャープで収差をうまく補正し、素晴らしいボケ描写のレンズに仕上がっている。

ソニーFE35mm F1.8と同価格だが、より良好なビルドクオリティ、同等のAF、より良好なシャープネス、間違いなくより良好なボケ描写を備えている。コストパフォーマンスならサムヤン35mm F1.8も考慮すべきだが、プレミアムコンパクトを重視する場合はシグマを選ぶのが適切だと思う。

長所:美しく機能的なビルドクオリティ・いくらか防塵防滴仕様・ボケ描写・高速で静かなAF・滑らかで静かな動画AF・瞳AFは良好に機能・優れた逆光耐性・色収差は適切に補正・絞り開放のシャープネス・絞った際のシャープネスとコントラスト

短所:絞り開放で重めの周辺減光・競合他社と比べて少し小さい口径・純正と同程度の価格

とのこと。
シグマContemporaryラインの単焦点レンズとしては少し高価ですが、立派なビルドクオリティや光学性能は評価すべきポイントとなっている模様。ボケは確かに綺麗に見えますね。35mm F1.8は四隅のボケが荒れやすい傾向があるので、この点でシグマDG DNには期待しています。

45mm F2.8と同じく、接近時にいくらかパフォーマンスが低下するものの、1段絞ればグッと改善する模様。ソニーFEは最短撮影距離が短く、撮影倍率が高いので、クローズアップがメインの人であれば純正を選ぶと良さそうです。

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