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シグマ「65mm F2 DG DN」は欠点がほとんど無い個性的で優れたレンズ

PhotographyBlogがシグマ「65mm F2 DG DN」のレビューを公開。歪曲収差が目立つものの、それ以外は長所が多いと高く評価。最高のビルドクオリティを備え、良好な光学性能のレンズに仕上がっている模様。

独自の魅力がある65mm F2

PhotographyBlog:Sigma 65mm F2 DG DN?Review

  • レンズの紹介
    ・ソニーEマウント用の中望遠レンズだ。APS-Cでは97.5mm相当の画角で利用することができる。
    ・シグマ「Iシリーズ」の一部であり、他に45mm F2.8・35mm F2・24mm F3.5が存在する。
    ・ソニーEマウントで直接競合するレンズは存在しない。個性的な焦点距離だ。
    ・MFレンズ「MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical」が唯一のライバルだ。
    ・50mmレンズ群と比べると、比較的高価だ。
  • ビルドクオリティ
    ・ビルドクオリティは本当に素晴らしい。中程度のF2単焦点に期待するものをはるかに上回っている。
    ・耐久性の高い真鍮製レンズマウントを採用している。周囲には耐候性を持たせるためのゴムシーリング処理がされている。
    ・62mmのフィルターソケットも金属製だ。しかし、62mmフィルターは一般的なサイズと言えず、このレンズにおける欠点と言えるだろう。
    ・レンズケースは付属しないが、金属製のレンズフードと二つのレンズキャップが付属する。
  • 携帯性
    ・重量は405gだ。総金属製のプレミアムなレンズとしては非常に軽量である。
    ・標準50mmのレンズ群と比べると、FE50mm F1.8より遥かに重い。
    ・全体的なサイズはα7 IIIと組み合わせた際にバランスが取れている。
    ・フードを装着したとしても、中望遠レンズとしては目立たない。
    ・サイズは76.7×72mmで、FE50mm F1.8よりもかなり大きい。
  • 操作性
    ・フォーカスリングはレンズフードに近い位置にあるため、操作時に指がフードに当たってしまう。
    ・絞りリングは1/3段ごとにクリックストップがある。残念ながらデクリック機構を搭載していない。
  • オートフォーカス
    ・ステッピングモーター駆動のAFは静かだが無音ではない。
    ・滑らかな動作で静止画と動画どちらにも適している。
    ・α7 IIIとの組み合わせで高速AFであることを確認した。
    ・瞳AFは完全に機能する。
  • マニュアルフォーカス
    ・電子制御式の幅が狭いフォーカスリングを搭載。抵抗量はきちんとしている。
    ・側面のAF/MFスイッチでフォーカスモードを切り替え可能だ。
  • 手ぶれ補正
    ・光学手ぶれ補正は搭載していない。
    ・ボディ側の手ぶれ補正に依存している。
  • 解像性能
    ・中央はF2で心地よいシャープネスだ。F2.8?F11で最高のパフォーマンスを得られる。
    ・端はF2からシャープで、F2.8?F11で最高のパフォーマンスを得られる。
  • 像面湾曲
    ・記載なし。
  • ボケ
    ・中望遠レンズとしては非常に魅力的なボケに見える。
  • 色収差
    ・あまり目立たず、ハイコントラストな領域でのみ発生する。
  • 球面収差
    ・記載なし。
  • 歪曲収差
    ・RAWにはかなりの糸巻き型歪曲が見られる。
  • 周辺減光
    ・F2で減光が目に付き、完全に抑えるには少なくとも2段絞る必要がある。
  • コマ収差
    ・記載なし。
  • 逆光耐性
    ・F16-22まで絞ると優れた光条が発生する。
    ・フード装着時でも、太陽をフレームに入れるとフレアの影響を受けやすい。が、それほど心配するほどでもない。
  • 作例集

総評

古典的な50mmよりも僅かに焦点距離が長く、そして85mmよりも僅かに短い焦点距離だ。この古典的な二つの焦点距離の間に位置する65mmは驚くほど汎用性のあるレンズであることが判った。65mmのレンズを使ったことが無い場合、ズームレンズで65mmを試してみると良いだろう。

このレンズは糸巻き型の歪曲収差以外は好ましいところが多く、嫌いなところはほとんど無い。セールスポイントは間違いなくビルドクオリティとビンテージ感のあるデザインだ。AF対応のZeiss Loxiaのようである。中程度の価格設定を考慮すると驚くほど良くできている。

ステッピングモーター駆動のAFは完全に静かではなく、ソニー純正ほど高速ではない。それでも、大部分のユーザーにとって信頼性が高く、高速で静かなフォーカシングと感じるだろう。
絞りリングは気に入っており、機能性はほぼ完璧だ。動画撮影用にクリックを解除できる機能があると尚良かった。

光学性能は絞り開放から優れており、F2からほぼフレーム全体でシャープな描写だ。周辺減光は大きいものの、色収差はよく補正され、ボケも非常にきちんとしている。唯一の欠点は前述した糸巻き型の歪曲収差だ。ソフトウェア補正でほぼ解消するが、RAW現像の場合はレンズプロファイルを適用して補正する必要がある。

50mm F1.8や85mm F1.8の選択肢は非常に多いが、このレンズには独自の魅力がある。強くおススメできるレンズだ。

とのこと。
全体的に欠点が少なく、注意すべきポイントは糸巻き型歪曲と価格設定、そして焦点距離くらいでしょうか?焦点距離は標準ズームレンズ「24-70mm」の望遠端に近いので、思いのほか違和感なく使うことが出来るはず。

糸巻き型歪曲は確かに強めに発生するので注意が必要です。Adobe Camera Rawなどに早く対応すると良いですねえ。85mm F1.4 DG DNの時もプロファイル対応に少し時間がかかっていたので、しばらく待つ必要があるかもしれません。

それ以外は全体的にバランスが良く、そして高水準にまとまっています。開放からシャープで、ボケも四隅まで綺麗、色収差やコマ収差なども良く抑えられており、逆光耐性はまずまず良好です。
オートフォーカスはステッピングモーター駆動らしい静かで滑らかな動作ですが、サードパーティ製レンズらしく「AF-S」での合焦速度は感心しません。高速AFが必要であれば「AF-C」を常用するのがおススメ。また、ブリージングが大きいので動画撮影では使い辛いかも。

ビルドクオリティは確かに良好。総金属製の外装はフィルターソケットも含まれ、レンズフードも金属製の凝ったデザインとなっています。この価格帯では珍しい絞りリングも搭載しているので操作性もバッチリ。フォーカスリングの回転量も問題無く、垂直動作のAF/MFスイッチも使い勝手が良いです。

悩ましいのは価格設定でしょうか。FE55mm F1.8と同程度の値付けであり、純正に対して価格のアドバンテージはありません。もう少しお金を積めば「85mm F1.4 DG DN」「24-70mm F2.8 DG DN」なども射程圏内に入る金額です。

とは言え、個人的に「Iシリーズ」で最も面白いレンズだと感じています。65mmの特殊な焦点距離、歪曲以外で欠点が見られない光学性能、滑らかなボケ描写、そして抜群のビルドクオリティは必見。

シグマ「65mm F2 DG DN | Contemporary」交換レンズデータベース

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