DPReviewが富士フイルム「XF33mmF1.4 R LM WR」のハンズオンを公開。35mmF1.4と比べて大きく重いレンズながら、フォーカス性能や動画撮影への最適化、防塵防滴を評価しています。さらに新F1.4レンズ群が未来の高画素Xカメラを示唆していると言及しています。
DPReview:Hands-on with the new Fujifilm XF33mm F1.4 R LM WR
- 富士フイルム「XF 33mm F1.4 R LM WR」は、Xマウントシステム初期のレンズ群の代替品としてリリースされる最新モデルである。私が「代替品」と言及したのは、この33mmが9年前の「XF35mm F1.4 R」に取って代わるものではなく、両方とも並行して販売すると富士フイルムが述べているからだ。
- 富士フイルムは33mmと一緒に23mm F1.4の姉妹レンズも発表しているが、先に発売されるのは33mmだ。このレンズは今月末の発売を予定しており、価格は799ドルとなっている。
- このレンズはXマウントシステム最初期における3本のレンズのうちの一つである「XF 35mm F1.4」よりも大幅に大きく、複雑になっている。EDレンズ3枚と非球面レンズ2枚を含む10群15枚のレンズを採用しており、非球面レンズ1枚を採用しただけの35mmF1.4の6群8枚設計よりもはるかに複雑だ。
- この複雑さにより、重量は約2倍の187gから360gとなり、全長も50.4mmから73.5mmに約50%増加している。
- 富士フイルムによると、33mmの設計は収差を最小限に抑えてシャープネスを実現することに重点を置いている。歪曲収差などの収差を光学的に補正するとともに、フォーカス群の設計を対称型にすることで、光がフォーカス群に入るときに発生した収差を、光が離れるときに補正することができるという。
- また、フォーカス群を絞り羽根の後方に配置することで小型化を実現。
- 名称に「LM」とあるように、リニアモーターを採用することで、旧来の35mmレンズよりも滑らかで高速なフォーカシングを実現している。
- このレンズはコントロールポイントが少なく、絞りリングとフォーカスリングのみだ。通常通り、絞りリングにはカメラが絞り値を制御する「A」ポジションがある。
- 「WR」のレンズ名通り、レンズマウントの縁に小さなゴム製シールがある。さらにコントロールリング周りへの侵入を防ぐため広範囲なシーリングが施されている。
- 33mmは旧型35mmよりもかなり大きいので、両方の選択肢をラインナップに残しているのだと思う。
- 新レンズはフォーカスブリージングを最小限に抑えている。
- スライド式のフォーカスリングを採用していない。これはフォーカスリングの反応を調整し、動画で再現性の高いプルフォーカスをできるようにするためだと言われている。
- 絞り羽根は35mmの7枚から9枚になり、最短撮影距離は28cmから30cmに伸びましたが、光学設計者によると「近距離でのシャープネスの維持が可能になった」と述べている。
- 33mm F1.4と同時に、富士フイルムは従来のXF23mm F1.4 Rに代わる「XF23mmF1.4 R LM WR」を発表した。実物はまだ手元にないが、33mm F1.4と非常によく似ている(4.3mm長いだけ)。
- 設計は33mm F1.4とほぼ同じで、非球面レンズ3枚、EDレンズ2枚の10群15枚で構成されている。6群9枚で非球面レンズ1枚を採用していた従来品に比べ、光学的に非常に複雑になっている。
- また、絞り羽根が7枚から9枚になり、リニアモーターを採用したことで、ピント合わせが高速化されている。
- 23mm F1.4 R LM WRは、前モデルのクラッチ式フォーカスリングを備えていないが、フォーカスブリージングの低減とリニアなフォーカスレスポンスに最適化されており、ビデオグラファーにとってより魅力的なレンズに仕上がっている。
- シャープネスも向上し、最短撮影距離は28cmから19cmに短縮され、最大撮影倍率も0.1倍から0.2倍に向上している。
- 「XF23mm F1.4 R LM WR」は、11月に発売予定で、希望小売価格は899ドルだ。
- 23mm・33mm F1.4は、2021年に発売された「XF18mm F1.4 R LM WR」と一緒に、富士フイルムXマウントシリーズ初期のレンズのいくつかを更新する単焦点レンズ群を形成している。アップデートされたレンズはすべて、スピードとシャープネスの大幅な向上に加え、動画に適した操作性とレスポンスを備え、そして防塵防滴が追加されている。
- 富士フイルムが、既存のモデルよりも高い周波数を解像できると主張するレンズのラインナップを発表するのは、ほぼ間違いなく偶然ではない。もし富士フイルムが将来、より高解像度のXシリーズのボディを導入するなら、3本のレンズは明らかに大きな意味を持つだろう。
とのこと。
2021年9月2日のX Summit PRIME 2021で正式発表された新世代のAPS-C用大口径レンズですね。最新の光学設計を採用し、古いF1.4レンズで主流となっていたコアレスDCモーターに代わり、静粛性と高速性の改善が期待できるリニアモーター駆動を導入。さらに最新のXFレンズらしく防塵防滴仕様に対応、絞りリングもAポジションでの固定が可能となっています。
価格はXF35mmF1.4よりも高いですが、手が出せないほど高価でもなく、今までにない面白い選択肢に仕上がっているように見えます。サードパーティ製レンズの参入で、手ごろな価格のレンズが増えてくると思われ、富士フイルム純正レンズの存在感をどれほど維持できるのか気になるところ。
やはり差別化できるとしたら2022年に登場予定の「新世代センサーを搭載したXマウントカメラ」でしょうか?噂では8K対応モデル(=高画素機)になると言われており、これまで以上にレンズ側の高い光学性能が求められる時代に突入します。高解像センサーを活かすのであれば富士フイルム純正レンズの強みを活かすことが出来るかもしれません。
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