RadojuvaがYONGNUO「YN35mm F2S DF DSM」のレビューを掲載。非常に低価格ながら、良好なビルドクオリティと光学性能を備えているとのこと。完璧とは言えないものの、コストパフォーマンスは良さそうですね。
YN35mm F2S DF DSM
Radojuva:Обзор Yongnuo YnLens YN35mm F2S DF DSM (для Sony E/FE)
レンズの紹介:
- 2020年10月23日に発表された。フルサイズ対応のソニーEマウント用レンズである。
- Yongnuo製のフルサイズEマウント用AFレンズはこれで2本目である。
- 35mm F1.8クラスのレンズとしては非常に低価格だ。強みとなるポイントだ。
- このレンズは一眼レフ用のYongnuoレンズとは全く別の設計である。
ビルドクオリティ:
- 箱には保証書と説明書、QCカードと乾燥剤、レンズバッグとフード、キャップが同梱している。
- レンズマウントは金属製だ。電子接点には金メッキが施されている。
- フォーカスリングは幅広く、周囲はゴムカバーで覆われている。
- 後玉周囲はフレアカッターがある。
- 絞り羽根は7枚構成で不規則な形状だ。シャッターボタンを押してからF16まで絞るまでに時間がかかる。大部分の状況で使い勝手に影響するものでは無いが、少し動作音は聞こえる。
- レンズフードはプラスチック製だ。
- パソコンと接続するためのUSB-Cポートを備えている。今のところファームウェアアップデート用である。ファームウェアをロールバックできないのは残念だ。
携帯性:
- 300gと軽量なレンズだ。
操作性:
- ボディ側でカスタマイズ可能なFnボタンを搭載している。ただし、一部のカメラでは全く機能しない。
- AF/MFスイッチを搭載している。
オートフォーカス:
- ステッピングモーター駆動である。
- AFはインナーフォーカス式で高速かつ非常に静かだ。
- α7R IIとの組み合わせでAFに問題は見られない。
- α7 IIIとの組み合わせで瞳AFは完璧に機能する。
- 難しい撮影条件ではFE35mm F1.8と比べて著しくパフォーマンスが低下する可能性がある。
- 動画撮影中でも内蔵マイクで駆動音を全く拾わない。
- 最短撮影距離は0.35mだ。この際の撮影倍率は1:7.7である。このようなレンズとしては一般的だ。
- フォーカスブリージングは小さく、ほとんど目立たない。
マニュアルフォーカス:
- 電子制御のフォーカスリングはピント全域を360度で操作できる。
- 動作に遅延は見られない。
- ピント移動距離は回転速度に応じて変化する。
手ぶれ補正:
解像性能:
- 中央はF2から良好だ。F2.8からF4で優れた解像度を得ることが出来る。
- 四隅では顕著な低下が見られる。F8まで絞って良好な水準だ。
- 中距離から遠距離に最適化され、近距離ではパフォーマンスが低下する。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 絞ると不均一な玉ボケとなる。
- 非球面レンズによる玉ねぎボケが見られる。
色収差:
- このレンズの主な弱点だ。
- 軸上色収差・倍率色収差どちらも目立つ。
- 絞るとパープルフリンジは低下する。
球面収差:
- フォーカスシフトの兆候はない。
歪曲収差:
- 中程度の糸巻き型だ。実写では目立ちにくい。
- 一貫した歪みのため、後処理は簡単である。
周辺減光:
- F2の無限遠で最も目立つ。
- 最短撮影距離では光量落ちが緩和する。
- F4以降は目立たない。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 光条はあまりシャープにならない。
- 逆光耐性は良好だが、厳しい状況ではフレアが発生することがある。
総評
低価格ながら純正レンズの80-90%で機能する。1か月半ほど使ったところ、様々な負荷や温度変化によく耐えていることが分かった。以前の一眼レフ用レンズと比べて間違いなく優れている。
コストパフォーマンスは非常に良好だ。他のYongnuoレンズと同じく、良好なサードパーティ製レンズとなることだろう。基本的に画質は良好だが、一部カメラとの互換性はファームウェアアップデートで解決する必要がある。
- 長所:
・低価格
・小型軽量
・良好なビルドクオリティ
・ステッピングモーター駆動
・インナーフォーカス
・フォーカスブリージングが小さい
・ファームウェアアップデート対応
・Fnボタン搭載
・特殊レンズを使用
・F2から良好な中央解像- 短所:
・フード脱着がタイト
・絞り羽根の形状が不規則
・絞り羽根のわずかな動作遅延
・防塵防滴非対応
・USB-Cポートの役割が物足りない
・一部カメラとのAF互換性
・諸収差は手動補正が必要
・色収差
とのこと。
国内ではAmazonにて2万円台で購入することが出来る低価格な35mmレンズですね。低価格ながら良好な光学性能を備え、優れたコストパフォーマンスを実現している模様。もちろん完璧な光学性能では無いようですが、価格設定を考慮すると健闘していると言えそうです。弱点となる色収差は他の35mmでも苦戦しているポイントですので、作例をよくチェックしておきたいところ。
YONGNUO「YN35mm F2S DF DSM」交換レンズデータベース
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