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FE 20-70mm F4 G レビュー Vol.1 外観・操作・AF編

ソニーの交換レンズ「FE 20-70mm F4 G」のレビュー第一弾を公開。今回はレンズの外観や操作性、カメラに装着してAF/MFの使いやすさなどを確認しています。

FE 20-70mm F4 Gのレビュー一覧

まえがき

2023年に登場したF4 標準ズーム。ソニーEマウントとしては2本目となる「20mm始まり」を実現しており、自撮りやVlog、風景やインテリアなど、画角の広い撮影に適したレンズです。
(Eマウント初となるのはタムロン「20-40mm F/2.8 Di III VXD」)

概要
レンズの仕様
マウント E 最短撮影距離 0.3-0.25m
フォーマット フルサイズ 最大撮影倍率 0.39倍
焦点距離 20-70mm フィルター径 72mm
レンズ構成 13群16枚 手ぶれ補正 -
開放絞り F4 テレコン -
最小絞り F22 コーティング フッ素
絞り羽根 9枚
サイズ・重量など
サイズ φ78.7×99mm 防塵防滴 対応
重量 488g AF XDリニア
その他 絞りリング・絞りロック
付属品
レンズフード

最短撮影距離が0.25mと短く、撮影倍率は0.39倍と非常に高い。撮影倍率が高くなるのは望遠側で、比較すると広角側は寄りにくいので注意が必要です。タムロンはさらに最短撮影距離が短く、最大撮影倍率が高いレンズに仕上がっています。

レンズサイズは「FE 24-105mm F4 G OSS」よりも小さく、どちらかと言えば「Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS」に近いコンパクトなズームレンズ。一般的な24-70mm F4よりも広い画角に対応しつつ、レンズサイズはほぼ据え置き。ただし、24-70mmや24-105mmと異なり光学手振れ補正を搭載していません。とは言え、最近のα7シリーズはボディ内に手振れ補正を搭載しているので問題ありません。

他社の20mm始まり標準ズームと見比べてみると、ズームレンジが最も広く、70mmまでカバーしているのが強み。その一方でレンズサイズは最が大きく、タムロンのような「F2.8」ズームレンズではありません。

価格のチェック

売り出し価格は16.6万円。F4ズームと考えるとやや高価ですが、このレンズに代わる選択肢はほとんどありません。もしもタムロン製で、ズームレンジが狭くても問題ないのであれば、およそ半値で「20-40mm F/2.8 Di III VXD」を入手することができます。この価格差以上の価値があるのかどうかは、今後のレビューでじっくり検証する予定。

FE 20-70mm F4 G
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外観・操作性

箱・付属品

いつも通り、インターナショナルオレンジの目立つカラーリングを採用。箱にはレンズ名や対応フォーマット、レンズの仕様などを記載しています。カメラボディの箱はサステナブルなデザインを採用し始めていますが、レンズは従来通りで、大きな変化はありません。

箱を開けると緩衝材に包まれたうえでレンズポーチに入った本体が出てきます。

レンズ本体に加え、フード、説明書、保証書、ポーチが付属します。

外観

外装は主にプラスチックを採用。レンズ先端のみ金属パーツを使用。フォーカスリングとズームリングにはゴム製で、絞りリングのみプラスチック製。全体的に、Gシリーズらしいレンズの仕上がりとなっています。

24-70mm F4に近い小型軽量なレンズですが、コントロールが非常に豊富。フォーカス・ズームリングに加え、クリックレスやロックにも対応する絞りリングを搭載。さらに2か所にAFLボタンを搭載し、AF/MFスイッチも利用可能です。現代のレンズとして求められるコントロールは全て載せています。マウント付近にはシリアルナンバーやCEマークの表示がプリントされています。シリアルナンバーは剥がれやすいシールではないので脱落の心配がありません。ちなみに製造国はタイ。

ハンズオン

適度にコンパクトで、重すぎない標準ズームレンズ。外装の質感はプラスチッキーですが、過度に安っぽさを感じる質感ではありません。フォーカスリングとズームリングのローレットパターンは同じ。触感で区別することはできませんが、間にAFLボタンを搭載するくらいには距離が離れているので、誤操作の心配はありません。フォーカスリングと絞りリングは隣り合っていますが、絞りリングは適度な抵抗感と、少し径が小さくなっているので間違えることは無いはず。

前玉・後玉

前玉はフッ素コーティング処理されているので、水滴や油汚れをメンテナンスしやすくなっています。とは言え、水や汚れの付着が予想できるのであれば、傷を防ぐためにもプロテクトフィルターの装着がおススメ。フィルター径は72mmで同じ径を採用するレンズは「FE PZ 16-35mm F4 G」「FE 50mm F1.2 GM」「FE 70-200mm F4 G OSS」などがあります。F4ズームが72mmで統一されているのは嬉しいですねえ。

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後玉は20mmでマウント付近にありますが、ズーム操作で前方へ移動します。

金属製レンズマウントは4本のビスで固定されています。マウントの周囲には防塵防滴用のシーリングあり。さらに鏡筒の可動部は防塵防滴に配慮した設計となっている模様。

フォーカスリング

ゴム製フォーカスリングは滑らかに回転しますが、メカニカルなリングと比べると抵抗感が弱く、緩すぎると感じるかもしれません。リニアレスポンスなので、回転速度によるフォーカス移動速度の変化はありません。ズーム全域で、至近距離から無限遠まで約120度ほどで操作可能です。

ズームリング

ゴム製ズームリングも滑らかに回転します。フォーカスリングよりも抵抗感がありますが、20mmから70mmまで一貫したトルクなので、滑らかに操作することができます。24-105mmは望遠端付近で抵抗感が増して引っかかる印象がありましたが、このレンズは特に問題ありません。ズーム全域のストロークは90度を少し下回るくらいで、24-70mmよりも幅広い領域を素早く操作可能。

絞りリング

フォーカスやズームと比べると小さめですが、マウント付近に絞りリングを搭載。小さいながらローレットの加工がしっかりとしているので、しっかりと掴んで操作することができます。抵抗感はズームリングよりも強めで、しっかりとしたクリック感が得られます。

絞りリングはAポジションでロック可能なうえ、1/3段刻みで発生するクリック感を解除することも可能です。

レンズフード

花形のプラスチック製レンズフードが付属。ロック構造やフィルター操作窓のない、シンプルなフードです。完全なロックはできないものの、レンズ本体にしっかりと装着することができ、使用中に脱落する心配はありません。

装着例

α7R Vに装着。「20-40mm F/2.8 Di III VXD」よりもやや大きめですが、基本的には同じような感覚で使うことができます。レンズとグリップ間には十分な空間があり、厚手のグローブを装着したままでも(なんとか)握ることが可能。各種コントロールも問題ありません。

AF・MF

フォーカススピード

フォーカス群を駆動するためにXDリニアモーターを2基搭載しています。静かで正確に動作しますが、従来よりも高速なフォーカスが可能となっています。

20mmの広角側は画角を考慮すると最短撮影距離が長く、近くのものにピントを合わせようとすると撮影距離を割り込む可能性あり。上のテスト動画は天候が悪く低照度での撮影となったためか、期待通りにピント合わせが出来なかった印象あり。ただし、AF-Cに切り替えて使用すると、比較的良好な結果を得ることができました。(明るい環境で再度テスト予定)

少し明るい環境で再度テストしてみると、近距離から遠景まで良好な結果を得ることができました。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指す。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となる。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。
今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離と無限遠で撮影した結果が以下の通り。

20mm

スライドショーには JavaScript が必要です。

35mm

スライドショーには JavaScript が必要です。

50mm

スライドショーには JavaScript が必要です。

70mm

スライドショーには JavaScript が必要です。

全体的に画角の変化が皆無とはいきませんが、悪目立ちしない程度には抑えられています。個人的には20-35mmあたりで少しだけ目立つ印象あり。広角側で近距離にピントを合わせようとすると、撮影体験として少し違和感を感じるかもしれません。

精度

実写では特に大きな問題はありませんでした。

MF

リニアレスポンスのフォーカスリングで快適なMF操作が可能です。ただし、前述したようにフォーカスリングが緩すぎるので、DMFやMFモード時は誤操作してしまうことがありました。

まとめ

テスト時におけるAFの挙動が少し気になりましたが、実写で大きな問題に遭遇することはありませんでした。あえて言えば広角側で最短撮影距離を割りやすいので注意が必要です。それ以外は、XDリニアモーターらしく高速で応答性の高いAFを利用できます。

ビルドクオリティは期待以上のものが得られるわけではないものの、期待通りの質感・操作性・耐候性が得られます。特にコンパクトサイズながら豊富なコントロールを備えており、F4ズームでは珍しい絞りリングが魅力的。最新世代のα7シリーズであればボディ側の操作で問題ないかもしれませんが、従来機はカメラ側のレスポンスが悪いので、絞りリングを活用する機会は多いはず。

購入早見表

FE 20-70mm F4 G
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作例

 

オリジナルデータはFlickrにて公開

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