このページでは一眼カメラ用交換レンズ「RF85mm F1.2L USM」の情報を収集しています。
最新情報
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- RF85mm F1.2L USM は逆光耐性以外は見事な光学設計 2023年11月17日
- キヤノンRFレンズが4月7日に値上がり方向で価格改定 2022年4月3日
- キヤノンRF85mm F1.2L USMはこれまでテストした中で最高の光学性能 2020年7月26日
- キヤノンRF85mm F1.2L USMはツアイスOtusに匹敵するほぼ完璧な光学性能【海外の評価】 2020年2月10日
- キヤノンRF85mm F1.2L USMは隅から隅まで高解像だが圧倒的なサイズと重量【海外の評価】 2020年2月3日
- キヤノンRF85mm F1.2L USM驚異的な描写性能だが価格とサイズ・重量への妥協が必要 【海外の評価】 2020年1月25日
- キヤノンRF85mm F1.2L USMは今後数十年の間は活躍できるレンズ【海外の評価】 2020年1月22日
- DPReviewがRF85mm F1.2L USMのサンプルギャラリーを更新 2019年9月14日
- RF85mm F1.2L USMはこの上ない領域に到達したハイスペックレンズ【海外の評価】 2019年8月6日
レンズデータ
レビュー
- 価格.com
レビュー/口コミ - Admiring Light
(抄訳記事) - DC.World
(抄訳記事) - Dustin Abbott
- (抄訳記事)
- DPReview
(抄訳記事) - Phototrend
(抄訳記事) - Mobile01
(抄訳記事) - The Phoblographer
購入早見表
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レンズダストキャップ RF | |||
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レンズデータ
関連レンズ
RFマウント
EFマウント
- EF85mm F1.8 USM
- EF85mm F1.4L IS USM
- EF85mm F1.2L II USM
- 85mm F1.4 DG HSM
- 85mm F1.4 EX DG HSM
- SP 85mm F/1.8 Di VC USD (Model F016)
- Milvus 1.4/85
- Otus 1.4/85
- Planar T* 1.4/85
- AF85mm F1.4 EF
- XP85mm F1.2
- 85mm F1.4 Aspherical IF
- SPEEDMASTER 85mm F1.2
更新情報
- 2019-11-21:The Phoblographerがレビューを掲載しています。
- 2019-07-05:全体的に参考リンクを追加しました。
- 2019-06-29:KASYAPAが実写レビューを掲載しています。
- 2019-06-13:6月20日発売決定と告知されました。
- 2019-05-08:正式発表されました。カメラのキタムラにて32万円程度の出品を確認済み。
- 2019-04-30:Canon rumorsが5月9日に発表されるかもしれないと発信しています。
- 2019-02-14:キヤノンがレンズの開発を発表しました。2019年内を予定しているとのこと。
- 2019-02-05:そろそろ登場しそうな雰囲気となってきたので専用ページを作成しました。ひとまず関連レンズと購入早見表(検索リンク)を設置。
海外の評価
Optical Limits
Optical Limits:Canon RF 85mm f/1.2 USM L - Review / Test Report
- キヤノンは大口径単焦点レンズが無ければキヤノンでは無い。それにF.12レンズが開発出来るのに、F1.4にこだわる必要は無い。このレンズは全く新しい設計のレンズであり、UDレンズに加えてBRレンズを使用し、優れた色収差補正を実現している。
- ボケ描写が十分でない場合は、300ドルの追加投資でDSモデルを購入可能だ。アポダイゼーション光学フィルターにより滑らかなボケを実現している。
- レンズのビルドクオリティは別格だ。外装はベースが金属で高品質なプラスチックパーツと組み合わせて作られている。レンズ重量を考えると外装のパーツに違和感を感じる人もいるかもしれないが、形式的には何の不満もない。
- 防塵防滴仕様のレンズである。
- フォーカスリングは滑らかに動作する。
- コントロールリングには露出補正や絞り値の操作を割り当てることが可能だ。
- 円形型の大きなレンズフードが付属する。
- オートフォーカス性能はカメラに依存するところが大きいものの、EOS Rとの組み合わせで良好なフォーカス速度だ。ただし、スポーツ用レンズでないのは明らかだ。フォーカスレンズの重量がボトルネックとなっている。リング型USM駆動はノイズが少ないものの、ナノUSMやSTM駆動ほどでは無い。
- マニュアルフォーカスはバイワイヤで動作するがとても正確に動作する。フルタイムマニュアルにも対応している。
- 歪曲収差の自動補正は光学補正の不足を隠すのに便利だが、このレンズは補正無しでも完璧だ。
- 周辺減光は歪曲収差のようにはいかない。物理学には限界がある。前玉はかなり大きいが、F1.2EVで2.2EVの減光が発生する。しかし、このようなレンズとしては比較的穏やかな減光量だ。F2まで絞ると大きく改善し、F4まで絞るとほとんど解消する。
- 解像性能は息をのむほど完璧だ。中程度の絞り値のみならず、F1.2から非常に優れた中央解像を発揮する。周辺解像も非常に良好な水準だ。絞るとフレーム全体で素晴らしい性能となる。
- テストした個体のセンタリングはとても良好だ。像面湾曲は極僅かである。
- 色収差はフレーム端で平均0.3ピクセルと極僅かだ。BRレンズが良好に機能している。
- 玉ボケは素晴らしい描写だ。F1.2からF2で完璧な円形となり、F2.8まで絞っても絞り羽根の形状はほぼ円形を維持している。
絞り開放で口径食の問題は目立つが、F1.6まで絞ると広い範囲で改善し、F2で四隅までほぼ改善する。F2.8まで絞れば四隅まで円形だ。 - 前後のボケは前ボケがバターのように滑らかだが、後ボケは比較して騒がしい。全体的に見て悪い評価では全くないが、コントラストが強い領域では少し問題となるかもしれない。
- 軸上色収差の補正は非常に優れているが完璧ではない。ただしF1.6で大幅に改善し、F2でほぼ解消する。この傾向は大部分の85mm大口径レンズより優れた結果だ。
- 絞った際にピント位置が僅かに後方へ移動する。
純粋に卓越した光学性能を備えており、これまでテストした中で最高のレンズと評価できる一本だ。特に極端なほど大口径のレンズであることを考えると、異様な解像性能である。他の85mmで絞った際のピークが、このレンズのF1.2に達するかどうかと言ったところである。さらに倍率色収差は無視できるレベル、歪曲要収差は実質ゼロである。周辺減光の影響はあるものの、ボディ内補正で処理可能だ。
ボケは後ボケがいくらか騒がしく、玉ボケは口径食の影響を受けている。ただし、後ボケの騒がしさはほとんど目立たず、玉ボケは口径食の影響を除けば良好な描写だ。ボケを本当に重視するのであればDS版をおススメする。好みの問題が大きい。
ビルドクオリティは優れているが、この価格帯としては期待以上のものでは無い。ハイクオリティの外装、防塵防滴仕様、とても滑らかなフォーカスリング、追加操作が可能なコントロールリングを備えている。オートフォーカスは電光石火では無いものの、非常に高速だ。
当然ながら強くおススメできるレンズである。
Dustin Abbott
Canon RF 85mm F1.2L Review
- 「RF50mm F1.2L USM」と同じく非常に大きく重いレンズだ。ツアイスOtusと非常によく似ており、「EF85mm F1.2L II USM」よりも明らかに大きい。
- Otusよりも直径が大きなレンズだが、フィルター径が82mmであるのは面白い。
- 大きなレンズではあるものの、EOS Rのグリップはソニーよりも良好で握りやすい。分厚いグリップによりバランスが崩れることは無いが、カメラバッグへの収納性は悪い。
- 防塵防滴仕様に加えて振動衝撃耐性も備えている。まさにプロフェッショナルグレードのレンズだ。
- 外装はプラスチック製だ。
- プラスチック製レンズフードは簡易的で高級感は無い。
- フォーカスリングはレンズサイズを考慮すると大きく無いが、十分に幅広い。回転動作はとても軽く、個人的にはもう少し重いほうが好みだ。オートフォーカスが非常に効果的なのでおそらく使用する必要性がほとんど無い。
- オートフォーカス駆動はRFレンズで一般的な「ナノUSM」では無く、「リング型USM」を使用している。大きく重いF1.2レンズを動かすには馬力が必要だったのだろう。フォーカススピードは電光石火とは言えないが、とても高速で肯定的に評価できる。さらにフォーカスリミッターでフォーカス速度の改善が可能だ。
- フォーカス精度はとても素晴らしい。人物撮影では常に100%の成功率を叩き出した。ただし、たまに反対側の目にピントが合っている場合もある。
- 最短撮影距離でピントを合わせようとすると、背景に抜けやすくイライラした。
- 軸上色収差の補正状態は素晴らしい。大口径レンズと言うよりはマクロレンズのように補正されている。Otus 85mm F1.4以外でこのようなパフォーマンスを見たことが無い。
- 歪曲収差は実質ゼロだが、周辺減光は強めに発生している。F2まで絞るとほぼ解消する。
- 解像性能はOtusと張り合うことができる。周辺はOtusが僅かに良好かもしれないが、どちらも素晴らしい性能だ。違いを見分けることは出来ない。
- ピント距離に関わらずシャープな描写である。F2.8まで絞ればフレーム全体で完璧だ。出来ればより高解像なEOS Rボディを使いたいところである。
- 逆光耐性はとても良好だ。RF50とほぼ同等である。Otusのほうが少し良好だが、RF85はゴーストでは無くフレアとして発生するので芸術的な描写と言える。
- 高いシャープネスと高度な色収差補正のレンズであり、ボケ重視の描写を期待するのは難しい。そうは言っても解像性能とボケ描写のバランスは素晴らしいと思う。これ以上となると、DS版を手に入れるしかない。
大きく重く、そして非常に高価なレンズだ。しかし、Otusに匹敵する完璧な光学性能を実現している。さらに「F1.2」「AF」「防塵防滴」と言った強みを含めて2000ドルも安い。おまけにEOS Rの瞳AFを組み合わせるとポートレートやウェディング、イベントの撮影がとても楽になる。
長く使い続けられるレンズであり、今後登場するであろう高画素モデルと組み合わせることでさらにシャープなレンズとなるだろう。高価だが際立った特徴を持ち、購入する価値のあるレンズだ。
長所:高度な防塵防滴仕様・ビルドクオリティが優れている・解像度がフレーム全体で優れている・BRレンズによって色収差が駆逐されている・コントラストが良好・マイクロコントラストはOtus並・ボケが素敵・瞳AFの精度が素晴らしい・逆光耐性と良好な収差補正
短所:非常に高価・大きく重い・近距離のAFで背景にピントが抜ける
Lesnumerique
Objectif Canon RF 85 mm F1.2L USM : la qualité est au rendez-vous
- 重量1195g、全長は117.3mm、直径103.2mmと並外れたサイズのポートレートレンズだ。サイズ・重量以外は完璧なビルドクオリティである。
- フォーカスリングは滑らかに動作するが、一部の人は滑らかすぎると感じるかもしれない。
- ノッチ付きのコントロールリングは完璧な操作性だ。
- 高いシャープネスで均質性も良好だ。中央と四隅の差はほとんど無く、F1.2~F8の間で非常に良好である。
- 歪曲収差は無視できる程度だ。
- BRレンズの効果もあってか色収差はとても良好に補正されている。
- 周辺減光は中程度だ。1段絞っても改善しないが自動補正が適用できるので問題無い。
- 玉ボケに僅かな非球面レンズの影響が見られるがとても良好な描写だ。
- オートフォーカスは確かに遅くは無いが、非常に高速というわけでもない。そして駆動音が僅かに大きい。
信じられないほど高画質で均質性の高い描写だ。フルサイズ用レンズのベンチマークの座に君臨するのは難しくないだろう。とは言え、その代償として圧倒的なサイズと重量のレンズである。
長所:F1.2・素晴らしい光学性能・優れた均質性・色収差をきちんと補正している・コントロールリング・防塵防滴
短所:サイズ・重量・手ぶれ補正なし・AFが少しうるさい
Lesnumerique:Objectif Canon RF 85 mm F1.2L USM : la qualité est au rendez-vous
PhotographyBlog
Canon RF 85mm f/1.2L USM?Review
- このレンズの重量は1195g、全長は約12cmだ。「EF85mm F1.2L II USM」よりも大きく重いレンズである。
- EOS RPと組み合わせると過度なフロントヘビーとなる。片手での手持ち撮影は不可能だ。
- ビルドクオリティはとても優れている。光学手ぶれ補正を備えていないのでシャッタースピードの管理や手持ち撮影の技術が重要となってくる。
- フォーカスリミッターを備えているので、必要に応じて合焦速度の改善が可能だ。
- 大きなレンズの塊であることを考慮するとフォーカススピードは非常に速い。被写体を0.15秒で捕捉する。
- 低照度における集光性能が高いので暗所でもAFの迷いはあまり無かった。USMモーターは静かで動画撮影にも適している。
- 色収差をとても良好に補正している。テストでは極僅かな痕跡しか見つけることが出来ない。
- F1.2の状態で周辺減光が目に付く。解消するにはF2.8以上に絞る必要がある。
- 歪曲収差を良好に補正している。
- ボケはとても心地よい描写だ。
- シャープネス:絞り開放から中央もフレーム端も優れた画質だ。F1.4~F11の間では抜群のパフォーマンスを発揮する。F16まで絞ると回折の影響で解像性能が低下する。
非常に高価なレンズではあるが、サイズと重量を気にしなければ価格以上の価値を得ることが出来る。F1.2の絞り開放から驚異的な描写性能のレンズだ。信じられないほど高価だが、おススメするのは簡単だ。
DPReview
Canon RF 85mm F1.2L USM review
- キヤノン自身が公言しているように、大きく重いレンズだ。パフォーマンスを優先しているのは明らかだが、手持ち撮影するつもりならばレンズサイズは考慮したほうが良いだろう。
- EOS R・EOS RPとの組み合わせではアンバランスだ。将来的にこのレンズに見合うカメラボディを期待したい。
- 普通のストラップではフロントヘビーで前傾姿勢となる。それにより、カメラ底面が胃に食い込む。
- フォーカスリング・コントロールリングはどちらも回転方向の設定が可能だ。
- レンズ鏡筒はポリカーボネート製だがとても良好なビルドクオリティだ。
- レンズが大きいのでオートフォーカスは遅くなると予想したかもしれないが、大型リングUSMのおかげで速度を維持している。リニア駆動のAFほど速く無いが、驚くほど高速だ。
- フォーカススピードは高速だが、駆動音はSTMと比べて少し大きい。一般的な屋外環境では特に気にならないが、静かな環境では目立つ。
- フォーカスリングは回転速度では無く、回転量でピント位置を操作することが可能だ。
- 瞳AFは良好に動作する。ただし、現状でEOS Rの瞳AFは瞳孔では無くまつ毛にピントを合わせる傾向がある。
- F1.2でもフレーム端まで素晴らしいシャープネスだ。さらに四隅まで非常強力なパフォーマンスを維持している。回折の影響が出始めるF11までバラ色の解像性能だ。
- ボケは美しく重厚で柔らかい。口径食は大きいが、幸いにも玉ねぎボケの兆候はほとんど無い。玉ボケはF1.8まで維持している。これ以上のボケ描写となると「DS」版を手に入れるしかないだろう。
- 軸上色収差は最悪の環境で僅かに発生する程度だ。
- 倍率色収差は全く問題とならない。
- 絞り開放で周辺減光は1.5~2EVほど発生する。F1.4で大きく改善し、F1.6でさらに改善する。F1.8まで絞れば気が付かない。
- 歪曲収差はフレーム全域でゼロだ。
- 大口径レンズのため、電子先幕シャッターを使うと露出ムラが発生する可能性がある。1/2000秒以上の場合に影響が強くなるので注意する必要がある。
- F1.2と明るいレンズのため、1/8000秒のシャッタースピードでは露出を制御しきれない場合もある。T値が抑えられている「DS」版はこの点で有利である。
- 「EF85mm F1.4L IS USM」よりもシャープだ。RFはF2でピークに達するが、EFはF2.8まで絞る必要がある。RFは軸上色収差による心配が全くないのも特徴だ。
非常に大きく重く、そして高価なレンズだが、これを許容できるのであれば光学性能で報われるだろう。ビルドクオリティについて非難すべき点はほとんど無い。フォーカススピードはクラスをリードする性能では無いが、このレンズとしては印象的な性能だ。
光学収差は存在しないか、ほとんど問題にならないほど十分に抑えられている。ボケは美しいものの、「DS」レンズとの比較をするまで最終判断は控えたい。
正直に言うと、重量と価格を除いて、このレンズをおススメしない手は考えられない。今後、数年間、もしくは数十年間、多くのプロフェッショナルやアマチュアの役に立つレンズだと思われる。
好き:ほぼ完璧な光学性能・F1.2から全域でシャープ・美しいボケ・歪曲収差がない・色収差はほとんど無い・優れたビルドクオリティ・フォーカスリミッター・コントロールリング
嫌い:サイズ・重量・手ぶれ補正無し・玉ボケの縁取りが硬い・AF駆動音
ePHOTOzine
極上の85mm
- EOS Rに装着すると大きく見えるが、実際には1195gと合理的な重量だ。バランスは良好だが、レンズ直径が大きくカメラ底部より下に飛び出してしまう。カメラを置こうとすると不安定となってしまう。
- ビルドクオリティはとても良好で防塵防滴仕様である。
- フィルター径は82mmを大きい。前玉と後玉にはフッ素コーティングが施されている。
- コントロールリングはとても滑らかに動作する。
- マニュアルフォーカスリングも非常に滑らかだ。
- AFリミッターを備えたUSM駆動のオートフォーカスはとても高速で正確だ。
- シャープネス:EOS R
・中央:F1.2から優れており(excellent)、F2からF4まで際立った性能(outstanding)だ。F5.6からF11まで優れており(excellent)、F16でも非常に良好だ(very good)。
・四隅:F1.2からF11まで優れており(excellent)、F16でも非常に良好だ(very good)。
・とてもシャープなレンズで間違いない。 - 色収差は実質的に存在しない、低い数値だ。厳しい被写体でも色ずれの兆候は本当に見当たらない。
- 歪曲収差は0.10%の僅かな糸巻き型だ。実質的に直線である。
- ボケはとても滑らかで、絞り値全域でこの描写が維持される。
- 逆光におけるフレアは見事に抑え込んでいる。コントラストが低下することはまず無いだろう。
- 周辺減光はF1.2で-1.6EVだ。このような大口径レンズとしてはとても良好な結果である。F2まで絞ると-1EVとなり、その後は-0.8EVで安定する。
- 2799ユーロと高価なレンズだが、それだけの価値を持っている。クオリティを重視するのであれば決断は簡単だ。
これ以上のクオリティを持つレンズはもう出てこないだろう、その領域にまで到達している。素晴らしい光学性能で、唯一の欠点は価格設定が突き抜けていることくらいだろう。もちろん、このような冒険的なスペックのレンズが高くなるのは当然である。
より低価格の選択肢は多いが、レンズ口径とビルドクオリティはトレードオフだ。
RF85mm F1.2L USMはハイスペックで高価なレンズだ。購入する余裕があり、このレンズが必要であれば、ベストクオリティの非常に魅力的な選択肢となるだろう。
Mobile01
圧倒的な光学性能のレンズ
- 付属するレンズフードは円形プラスチック製だ。以前の高級レンズと言えば起毛の反射防止が主流だったが、経年劣化するため近年のレンズではマットラインに切り替わっている。
- 85mm F1.2というスペックの宿命か、1195gと非常に重いレンズである。とは言え、このレンズを買い求めるユーザー層にレンズサイズを説くのは無粋である。
- EF85mm F1.2Lのフィルター径は72mmだったが、RF85mm F1.2Lでは82mmまで大きくなっている。レンズ構成もBRレンズを加えた9群13枚の新設計だ。BRレンズを採用するキヤノンレンズはEF35mm F1.4L II USMに続き2本目となる。
- ワンショットAF・サーボAFどちらも応答性が良く、非常に高速で静かな動作だ。顔検出・瞳検出も同様である。
- レンズの中味は金属パーツだが、外装はエンジニアリングプラスチックだ。質感は他のRF用Lレンズと同じで新世代のEF用Lレンズより滑りにくくなっている。
- レンズは日本製だ。
- フォーカスリミッターが備わっているのでAFをより効果的とすることが可能である。
- EOS Rの重量は僅か660gのため、1195gのRF85mm F1.2Lと組み合わせるとフロントヘビーになる。バッテリーグリップを装着することで改善する。
- RF85mm F1.2LとEF85mm F1.4L ISの比較
・間違いなくRFのほうがシャープな画質だ。F1.4まで絞るとさらにきちんとした画質となる。F1.2からF16までハイクオリティな性能だ。
・EF85mm F1.4Lの開放ではフレーム四隅で許容範囲とならないが、F2まで絞ると大きく改善する。一方でRF85mmはF1.2から間違いない性能で、F16まで一定した描写を維持している。 - EF85mm F1.2Lはソフトウェアによる修正が必須なほど色収差の影響があったものだが、RF85mm F1.2Lは絞り開放から色ずれがほとんど見られない。驚異的なパフォーマンスだ。過酷な逆光シーンにも関わらず、F1.2でパープルフリンジはほぼ無視できる。
- 逆光耐性は改善が見られるものの、絞るごとにゴーストは目立つようになる。
- 光条はF5.6付近からハッキリとしてくる。
- EF85mm F1.2Lの周辺減光は2?3段ほどだったが、RF85mm F1.2Lは深刻な問題とはならないようだ。
- 玉ボケの口径食は大口径レンズとして避けられないが、F1.8まで絞ると大きく改善する。
本当に驚くべきパフォーマンスのF1.2だ。この描写性能をいち早く読者と共有したいと思い、このレビューを早急に完成させようと必死に努力した。レンズサイズはかなり大きいが、本当に素晴らしい光学性能だ。
EF85mm F1.4L IS USMと比べて色収差と開放の解像性能で圧倒的に優位である。非常に高価なレンズではあるが、決してがっかりすることは無いレンズである。このレンズがあるからこそ、EOS Rシステムへ足を踏み入れる人もいることだろう。
Digital Camera World
最高のポートレートレンズ
- 防塵防滴仕様で約1.2Kgと重いレンズで、より軽量なEOS Rと組み合わせるとフロントヘビーに感じる。しかし、EOS Rの快適なグリップを使うと特に疲れは感じない。
- Lレンズらしい優れたビルドクオリティだ。
- 古いEF85mm F1.2Lは正確なフォーカシングが難しいレンズだったが、このRFレンズは何の問題も感じない。リングタイプのUSM駆動は本当に高速で、EOS Rの瞳AFはとても効果的に動作する。
- 中央シャープネスは絞り値全域で優れた結果である。我々のテストではフレーム端の絞り開放は期待に及ばないが、F4以降まで絞ると問題無い。ポートレート用レンズとしては(ボケ重視で)望ましい設計だ。
- ラボテストで数値化できない点として、絞り開放の高いコントラストがある。開放から驚くほど明瞭で立体感のある描写だ。目に見える色収差は無い。
- ハイクオリティな単焦点レンズらしく、全ての絞り値で色収差による色ずれは良く抑えられている。デジタル補正オフでこの結果なので、実写では全く色収差が見られないはずだ。
- 歪曲収差はとても小さく、我々のチャートでは表現できない。実写ではなんの問題も無いだろう。
RF85mm F1.2L USMは古いEF85mm F1.2Lより優れているだけでなく、新しいEF85mm F1.4L IS USMよりも優れている(特に開放のシャープネスとコントラスト)。
テスターはEOS 5D Mark IVユーザーであり一眼レフのレンズを所有しているが、このテストを終えるころには真剣にEOS Rシステムの導入を検討していた(テスト前は全く検討していなかったのに)。1本のレンズでここまで心を揺さぶると言うのはまんざらでもないようだ。
EF85mm F1.4L IS USMと比較して唯一の欠点は光学手ぶれ補正が搭載されていないことだ。それ以外の点はただただ素晴らしいレンズである。絞り開放の光学性能と高速AFはキヤノンレンズで最も効果的なポートレートレンズになるだろう。
長所:見事な絞り開放の性能・AF性能・瞳AFの成功率が高い・ビルドクオリティ
短所:光学手ぶれ補正無し・EOS Rと組み合わせるには大きなレンズ・価格設定
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