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シグマ 65mm F1.4 DG DN を想定したような光学系の特許出願

2023年12月19日付けでシグマの気になる特許出願が公開。フルサイズ向けの大口径レンズ「65mm F1.4 DG DN」を想定したような実施例を複数掲載しています。

概要

  • 【公開番号】P2023179306
  • 【公開日】2023-12-19
  • 【発明の名称】単焦点レンズ
  • 【出願日】2022-06-07
  • 【出願人】
    【識別番号】000131326
    【氏名又は名称】株式会社シグマ
  • 【課題】F1.4程度と大口径比で素早いオートフォーカスが可能な諸収差を良好に補正した単焦点レンズを提供する。
  • 【背景技術】
    【0002】
    デジタルカメラをはじめとする光学機器に用いられる単焦点の撮影光学系においては高速撮影やボケを生かした表現に対応できるように大口径比であることが求められている。さらに撮像素子の高画素密度化に伴い、諸収差をより一層補正して高性能であることが要求されている。従来、一眼レフカメラ用の撮像光学系においてはミラーの可動範囲としてバックフォーカスを確保する必要からレトロフォーカスタイプをとることが多い。レトロフォーカスタイプを採用して長いバックフォーカスと大口径比、高性能化を図った撮影レンズが知られている。
  • 【0004】
    特許文献1では標準画角のレンズに多く採用されてきたダブルガウスタイプのレンズ構成の物体側に凹レンズと凸レンズ成分からなるワイドコンバーターの役割をもつレンズ構成を有する実施例が開示されている。この光学系はFNOが1.4程度と大口径比を実現している。しかしながら主にサジタル方向の収差補正が不十分で周辺像高部で像の広がりが大きい。特許文献2では特許文献1と同様にダブルガウスタイプの物体側にワイドコンバーターの役割をもつレンズ構成を有する光学系が開示されている。この光学系はワイドコンバーターの役割をもつレンズ群を構成するレンズ枚数を多くし特許文献1よりも近接撮影が可能になっているもののサジタル方向の収差補正が不十分で周辺像高部での像の広がりが大きい。特許文献3では、特許文献1、特許文献2において問題となっていたダブルガウスタイプを起因としたサジタル方向の収差を、開口絞りの像側直後に物体側を凸面とした新たなレンズ成分を追加することにより効果的に補正している。また無限遠物体から近距離物体へのフォーカシング時では、第2レンズ群のみを物体側に移動させることにより素早いオートフォーカスを可能としている。しかし撮影距離全域にわたって非点収差、像面湾曲を十分最適化できているとはいえない。
  • 【0005】
    本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、F1.4程度と大口径比で素早いオートフォーカスが可能な、撮影距離全域で諸収差を良好に補正した単焦点レンズを提供することを目的とする。

実施例1

  • 焦点距離:63.22
  • F値:1.46
  • 画角:1.46
  • 像高:21.63
  • 全長:173.02

複数の実施例を掲載していますが、全ての実施例は「フルサイズ 65mm F1.4」を示しているようなので割愛。ここ最近のシグマ大口径レンズとしては珍しく、フローティングフォーカス構造を採用していますね。

65mmと言えばContemporaryラインのIシリーズ「65mm F2 DG DN」が存在しますが、他の焦点距離と同じくArtラインのF1.4レンズを検討しているのでしょうか?個人的に好みの焦点距離であり、このF1.4レンズが登場するのであれば非常に興味深いレンズとなりそうです。

収差図を見る限りでは、球面収差・非点収差・歪曲収差は全て良好な補正状態を実現している模様。かなり高性能なレンズとなりそうですが、光学系の全長は「35mm F1.2 DG DN」よりも長い。大きく重い、弩級の標準単焦点レンズとなりそうです。
(かなり大きいので、シネレンズ「FF High Speed Prime Line 65mm T1.5 FF」用の光学系かなと思ったものの、オートフォーカスを意識しているのでスチル向け?)

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