Xitekが「NIKKOR Z 28-75mm F2.8」のレビューを公開。NIKKOR Zレンズとしては手ごろなF2.8ズームの選択肢ですが、タムロンG1と同じ光学性能を示し、価格を考慮すると価値を見出せるか個人差があると指摘。
Xitek:F2.8??新?? 尼康Z 28-75mm f/2.8??
外観・構造:
- 2021年12月にニコンは28-75mm F2.8を正式発表した。このレンズは開発ロードマップ上に存在せず、市場の需要に応えて迅速に投入したレンズである。
- 既に3本の標準ズームと1本の高倍率ズームが存在し、このレンズを含めて選択肢は非常に豊かなものとなる。
- スペックから、タムロン「28-75mm F/2.8 Di III RXD」と同じ光学系を使用していると思われる。
- 外装のデザインは非 S-Lineレンズと同様だ。3つ目のコントロールリングは無く、側面にスイッチ類は見当たらない。
- レンズデザインはNIKKOR Zの新世代らしく、側面にネームプレートは無く、レンズ上部に焦点距離とF値の表記と合わせて配置されている。
- コーティングは不明だ。ナノクリスタルコートやARNEOコートの記述は無い。ただし、防汚コーティングが施されている。
- レンズマウントは金属製だ。
携帯性:
- 24-70mm F2.8や24-120mm F4と比べるとはるかに軽量だ。
- 全体のサイズは24-102mm F4と同じだが、比較して細い。
操作性:
- ズームリングとコントロールリングのテクスチャには違いがあり、判断しやすい。このデザインはZ MC 105mm F2.8から採用している。
- どちらのリングも比較的滑らかに回転し、トルクは中程度だ。
- コントロールリングはISO感度や絞り、露出補正として使うこともできる。
フォーカス:
- ステッピングモーター駆動で動作する。AF/MFスイッチが無いので、カメラ側で操作する必要があり不便だ。
- フォーカスブリージングの影響はほとんど見られない。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- MFT曲線を見てみると、タムロンレンズとほぼ同じ傾向だが、僅かに違いがある。
- 28mmの実写テスト(Z 7II)では、絞り開放から中央で良好なシャープネスだが、フレーム端は明らかに低下する。F4まで絞ると周辺減光は改善するが、シャープネスの改善は見られない。F5.6~F8まで絞るとフレーム端が改善して良好となる。F11~F16は回折の影響でシャープネスが低下し始める。F22はおススメできない。
- 75mmの中央は絞り開放からまずまずシャープだが、周辺部は明らかに低下する。F4で中央はさらにシャープとなるが、周辺は光量落ちが改善するもののシャープネスに変化は見られない。F5.6~F8でも中央は依然として良好で、周辺部も多少は改善する。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 2線ボケの兆候は見られず許容できる描写だ。
- 玉ボケは中央でも円形とは言えず、縁取りがあり、玉ねぎボケの影響も見られる。
- 全体的に平凡な印象を受ける。
色収差:
- 28mmは絞り開放で色ずれが見られるものの、絞ると徐々に改善する。F4.5以降で無視できる量だ。
- 75mmは28mmよりも目立ち、F4.5まで絞っても完全に抑えることは出来ない・
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 28mmで目立つ樽型歪曲となる。
- 75mmで目に付く糸巻き型歪曲となる。
- 歪曲収差が気になる人は補正をオンにしておくと良いだろう。
周辺減光:
- 28mm F2.8で顕著な光量落ちがある。F4でわずかな光量落ちまで改善する。
- 75mm F2.8でも目立つ光量落ちがあるものの、F4で大幅に改善する。
コマ収差:
- 絞り開放のフレーム端は点光源が明らかに変形している。あまり期待しないほうが良いだろう。
逆光耐性:
- F11まで絞ると18本の光条が発生する。
- 逆光時に光源をフレーム端に配置すると28mmで目立つゴーストが発生する。
- 75mmではより目立つ結果となるが、絞るとフレアは緩和するがゴーストは悪化する。
- 理想的な逆光耐性とは言えない。フードを装着することをおススメする。
総評
これまでのテストからわかるように、Z 28-75mm F2.8の全体的な画質は、"S-Line "とは異なり、タムロン「28-75mm F/2.8 Di III RXD」に近いものだ。中央シャープネス、低ブリージング、19cmの接写性能がこのレンズの主な強みとなり、周辺 シャープネス、コマ収差、逆光耐性が最も顕著な弱みである。
現在、ニコンZシステムの標準ズームレンズには数多くのレンズがあり、ズームレンジ、絞り、手ぶれ補正、サイズ、価格などの要素がユーザーの選択に影響を与える。
元になったタムロンレンズは、現在5,500元前後で販売されている。 発売当初は、主にソニーEマウントユーザーの「FE 24-70mm F2.8 GMに代わる低価格のレンズが欲しい」という要望に応えたもので、レンズ自体は比較的軽量で、他社との差別化を図ったタムロンの典型的な例である。
純正メーカーであるニコンがこのレンズをラインアップに追加したのは、低価格のF2.8ズームのバリエーションをユーザーに提供するためだ。しかし、このレンズとタムロンレンズには1500元の価格差があり、このレンズに価値を見出せるかは個人差があると思う。もしニコンがこのレンズにタムロンG2の光学系を採用していたならば、6999元という価格はまだ非常に妥当だったと思う。現状でZ 28-75mm F2.8の価格はまだ少し高い。
とのこと。
タムロン「28-75mm F/2.8 Di III RXD」と光学設計が似ている(同じである可能性が高い)ので、同じような光学的特性を示すようです。公式のサンプルでは同心円状の玉ねぎボケが少ないように見えたものの、Xitekの作例を見る限りでは従来通りのボケ描写に見えます。最近のF2.8ズームと比べるとボケの縁取りも強めですね。シャープネスは中央が非常に良好に見えるものの、周辺部は少し甘い模様。
個人的に純正「NIKKOR Z」ブランドで売り出し価格が「113,850円」なら妥協できる範囲かなと。純正レンズとして、10万円ちょっとでF2.8を利用できるのは魅力的。とは言え、同時期に「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」が125,730円で登場するので、F2.8の明るさを諦めても24-120mmのズームレンジでS-Lineの光学性能を堪能した方が満足度が高くなるのかなと思います。
(Xitekのレビューを見る限りでは特に望遠側で差が付く印象あり)
もしも「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2」と同じ光学系・AF性能だったのであれば、15万円くらいでも突撃していた可能性あり(現在予約している24-120mm F4 Sをキャンセルして)。
ニコン NIKKOR Z 28-75mm F2.8 最新情報まとめ
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