RadojuvaがキヤノンRFマウント用AFレンズ「YN35mm F2R DF DSM」のレビューを公開。完璧な互換性とは言えないものの、良好な光学性能を発揮するだ小型軽量なAFレンズと評価しています。
Radojuva:Обзор Yongnuo YnLens YN35mm F2R DF DSM (для Canon RF)
レンズの紹介:
- 2021年7月に正式発表されたキヤノンRFマウント用のAFレンズだ。YONGNUO製のRFマウントレンズは「YN85mm F1.8R DF DSM」に続いて2本目である。
- このレンズは2020年10月に発表されたソニーEマウントレンズがベースとなっている。過去の一眼レフ用YONGNUOレンズとは関係が無い。全く異なる光学設計だ。
ビルドクオリティ:
- 小さな箱にはレンズ本体の他に保証書と説明書、QCカードとレンズケース、フードが入っている。
- 外装はプラスチック製だ。
- レンズマウントは金属製で、周囲はゴムシールが施されている。
- マウント側にはフレアカッターを搭載している。
- レンズにはパソコンと接続するためのUSB-Cポートがある。普段はゴム製カバーで覆われている。
- レンズ用のパソコンソフトはファームウェアアップデート以外に機能は無い。また、ファームウェアはロールバックすることが出来ない。
携帯性:
- 重量は約300gだ。
操作性:
- ゴム製フォーカスリングは幅広く、手に馴染む。
- フォーカスリングの機能はカメラ側で設定変更が可能だ。稀に誤作動することがあるものの、カメラを再起動することで回復する。不具合は対応ファームウェアアップデートに期待したい。
オートフォーカス:
- ステッピングモーター駆動で動作する。
- フォーカス速度は「非常に高速」との評価に近いとても快適な性能だ。EOS RPとの組み合わせで問題は見られなかった。
- デフォーカス状態からの復帰も速い。
- 厳しい撮影条件では純正レンズと比べて性能が顕著に低下する。
- 駆動音はとても静かであり、カメラ内蔵マイクをしようしても ノイズは聞こえない。
- フォーカスブリージングはほとんど目立たない。
マニュアルフォーカス:
- 遅延は見られず非常に便利だ。
- カメラ側で回転速度や感度を変更することができる。
- フォーカスリングをフルタイムマニュアルに設定した場合、リングでISO感度や絞りを操作すると同時にピントまで動いてしまうので注意が必要だ。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- 中央は絞り開放から良好なシャープネスだ。F2まで絞ると完全に実用的な画質となる。F2.8?F4まで絞ると非常に優れた解像度となる。
- フレーム隅は画質が顕著に低下する。F8まで絞ると良好な水準となる。
- ピント距離が近いと画質が低下する。中距離から長距離の撮影に最適化されている。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 絞り羽根は不規則な7角形の形状となる。
- 非球面レンズの影響による玉ねぎボケが見られる。
色収差:
- 軸上色収差・倍率色収差はどちらも目立つ。
- 絞りにより軸上色収差は大幅に改善する。
球面収差:
歪曲収差:
- 中程度の糸巻き型歪曲だ。
- 均質な歪曲であり、簡単に修正できる。
周辺減光:
- 絞り開放の無限遠で最も目立つ。
- 最短撮影距離で影響が低下する。
- F5.6まで絞るとほとんど解消する。
コマ収差:
- F2からコマ収差は目立たない。
逆光耐性:
- 絞ってもあまりシャープな描写とはならない。
作例集
総評
高品質なレンズと何ら変わらない光学性能だ。価格はそれほど安くないが、大いに満足のいくレンズである。最終的にソニーEマウント用と同程度まで値下がりすると、コストパフォーマンスが非常に良好なレンズとなるはずだ。
- 長所:
・小型軽量
・良好なビルドクオリティ
・高速AF
・インナーフォーカス
・フォーカスブリージングが小さい
・フォーカスリングの機能を変更可能
・ファームウェアアップデート対応
・F2から良好な中央シャープネス
・逆光耐性- 短所:
・F1.8よりも暗い
・絞りの形状が不規則
・手ぶれ補正なし
・独立したコントロールリングなし
・稀に操作が競合することがある
・まれに強制的にMFになるときがある
・USB経由の機能が少ない
・レンズプロファイルが無い
・ソニーEマウント用のようなボタンが無い
・口径食が目立つ
・色収差が目立つ
とのこと。
まだ国内での流通は始まっていませんが、既にソニーEマウント用が2万円台で出回っていますね。比較的手ごろな価格の明るい単焦点レンズであり、キヤノンEOS Rシステムにとって貴重なAF対応サードパーティ製レンズ。
光学性能はまずまず良好で、オートフォーカスも快適に動作する模様。たまに発生する動作不良はリバースエンジニアリングのサードパーティ製レンズにとって宿命かもしれませんが、それさえ妥協できればコストパフォーマンスの良いレンズとなるかもしれません。
実写作例を見てみると、ボケはなかなか綺麗で、色収差も良く抑えられているように見えます。逆光時のフレアは少し目に付きますが、Radojuvaでの評価は高くなっています。周辺の良好な解像性能を期待する場合はF8までしっかり絞る必要があるものの、「35mm F2」に解像性能を求めなければ面白い選択肢となりそう。
YONGNUO「YN35mm F2 DF DSM」交換レンズデータベース
関連レンズ
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