このページではニコンのミラーレス用交換レンズ「NIKKOR Z 20mm f/1.8 S」の情報を収集しています。
最新情報
- 2021-04-07:ニコンがファームウェアアップデートを公開しました。
- 2020-02-12:正式発表されました。発売時期:2020年3月予定・2月14日10時より予約販売開始
- 2020-02-12:間もなく「NIKKOR Z 20mm f/1.8 S」登場と噂が出回り始めたので専用の情報収集ページを作成しました。今のところスペック情報は無いので「同シリーズでの外観比較」のみ掲載しています。他にもニコン製品が発表されると思われるので更新が少し遅れる可能性あり。
レンズデータ
レビュー
- CAMERA LABS
(抄訳記事) - DC.World
(抄訳記事) - Mobile01
(抄訳記事) - The Phoblographer
- 価格コム
レビュー/口コミ
参考サイト
購入早見表
レンズデータ
レンズ仕様
型式 | ニコン Z マウント |
---|---|
焦点距離 | 20mm |
最大口径比 | 1:1.8 |
レンズ構成 | 11群14枚(EDレンズ3枚、非球面レンズ3枚、ナノクリスタルコートあり) |
画角 | 94°(撮像範囲FX) 70°(撮像範囲DX) |
ピント合わせ | マルチフォーカス方式、IF(インターナルフォーカス)方式 |
最短撮影距離 | 撮像面から0.2m |
最大撮影倍率 | 0.19倍 |
絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) |
絞り方式 | 電磁絞りによる自動絞り |
最大絞り | f/1.8 |
最小絞り | f/16 |
アタッチメントサイズ(フィルターサイズ) | 77mm(P=0.75mm) |
寸法 | 約84.5mm(最大径)×108.5mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで) |
質量 | 約505g |
付属品 | ? レンズキャップ77mm LC-77B(スプリング式) ? 裏ぶた LF-N1 ? バヨネットフード HB-95 ? レンズケース CL-C1 |
MTFチャート
レンズ構成図
関連レンズ
Zマウント
Fマウント
- AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED
- 20mm F1.4 DG HSM
- Milvus 2.8/18
- Milvus 2.8/21
- Distagon T*3.5/18
- Distagon T* 2.8/21
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- ニコンNIKKOR Z 20mm f/1.8 Sは絞り開放から四隅まで良好な解像性能
- ニコン NIKKOR Z 20mm f/1.8 Sは高価だが隅から隅までシャープなレンズ
- NIKKOR Z 20mm f/1.8 S 優れたコマ収差補正で星空撮影に最適
- ニコン NIKKOR Z 20mm f/1.8 S コマ収差補正がAF-S F1.8 Gより遥かに良好
シリーズ外観比較
海外の評価
ePHOTOzine
ePHOTOzine:Nikon Nikkor Z 20mm F/1.8 S Lens Review
レンズの紹介:
- 拡大を続けるニコンZマウントにおいて、広い画角をカバーする超広角レンズだ。
- S-Lineに属するハイクオリティなシリーズである。
ビルドクオリティ:
- 良好な作りのレンズである。
- デザインにこれと言った特徴が無い。
- フィルターソケットは77mm径に対応している。
- 本体は防塵防滴仕様だ。最近では当たり前となりつつあるが、確かに望ましい仕様だ。
- レンズ構成は11群14枚だ。そのうち3枚がEDレンズ、3枚が非球面レンズである。さらにナノクリスタルコートを使用したレンズも含まれている。
携帯性:
- 505gと重すぎないが、焦点距離を考慮する全長がかなり長い。
操作性:
- 電子制御のフォーカスリングは絹のように滑らかに動作する。
- カメラ側のカスタマイズでフォーカスリングを絞りやISO、露出補正の変更に使うことが出来る。
- スイッチはAF/MF切替のみだ。
オートフォーカス:
- 最短撮影距離は0.2mと短く、最大撮影倍率は0.19倍だ。マクロとまではいかないが、優れたクローズアップの撮影が可能だ。
- オートフォーカスはほぼ瞬間的に被写体を捕捉する。ハンチングの傾向は見られない。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- Nikon Z 7IIを使用している。
- 見事なシャープネスだ。
- 中央はF1.8からF2まで「Excellent」だ。F2.8からF8まで「Outstanding」となり、F11からF16まで「Excellent」となる。
- 端はF1.8からF4まで「Excellent」となり、F5.6で「Outstanding」、F8からF11で「Excellent」、F16のみシャープネスが低下して「Soft」となる。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 広角レンズとしては良好な描写だ。
色収差:
- 中央は実質的に収差がゼロである。
- 端を中央ほど良くないが、それでも大きな問題は見られない。必要に応じてソフトウェアでの補正も可能だ。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- -2.0の樽型歪曲である。
- フレーム端の建築物でははっきりと目立つ。
周辺減光:
- 顕著な光量落ちが発生する。
- F1.8で-2.7EVの低下だ。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 抜群の逆光耐性だ。太陽をフレームに入れてもゴーストやフレアは発生しない。
総評
市場には非常に多くの優れたレンズがあり、選り取り見取りだ。純粋にパフォーマンスの観点で言えば、このレンズは数ある選択肢の中でも最上部に位置している。
唯一の欠点は価格設定だが、価格以上に価値のある。優れたパフォーマンスを考慮すると間違いなくエディターズチョイスに相応しいレンズである。
- 長所:
・抜群のシャープネス
・逆光耐性
・中央に色収差が無い
・適度な軽さ
・高速で静かなAF
・静かな絞り動作
・素敵なボケ
・F1.8
・活用できる周辺減光 - 短所:
・高価
・端の色収差
・光量落ち
・樽型歪曲
Photographylife
Photographylife:Nikon Z 20mm f/1.8 S
レンズの紹介:
- 風景・建築。環境ポートレート用のプログレードな超広角レンズだ。
- 800ドル未満の20mm F1.8Gと比べると、1050ドルの価格設定は安くない。
- 11群14枚構成で、3枚の非球面レンズと3枚のEDレンズを使用している。
ビルドクオリティ:
- 最新ニコンレンズらしく、金属マウント・プラスチック外装・金属製フォーカスリングの頑丈な作りだ。
- プラスチック外装は寒い環境でも扱いやすいので好みである。金属製フォーカスリングは個人的に使わないので気にならない。
- ゴム製フォーカスリングは経年劣化するので、金属製に切り替えて正解だったと思っている。
- 防塵防滴仕様であり、耐候性は期待できる。様々な環境で使用してきたが、今のところ順調で耐候性に問題は無い。
- レンズマウントの爪は4カ所ある。カメラ装着時のぐらつきは全くない。
- 前方のフィルターソケットはプラスチック製だ。フォーカスでソケットは回転しない。
- フィルター径はFマウントと同じ77mmである。
- 前玉は極端な凸型では無いのでメンテナンスしやすい。
- 幅広いレンズフードが付属している。
携帯性:
- 24mm F1.8 Sと同じく、Fマウントレンズと比べて顕著に全長が長い。ただしシグマと比べると全長は短く、重量は半分だ。
操作性:
- フォーカスリングは絞りなど様々な操作を割り当てることが可能だ。
オートフォーカス:
- ステッピングモーター駆動のAFは高速で信頼性が高い。
- 低照度時のAF精度は一眼レフ時代よりも劇的に向上している。
- 他のSレンズと同じくフォーカスブリージングはほとんど無い。深度合成を利用する場合は素晴らしい特性である。
- 最短撮影距離はわずか0.2mだ。
マニュアルフォーカス:
- 今のところ、カメラの電源をオフにするとピント位置が切り替わってしまう。これは一部のフォトグラファーにとって面倒くさい仕様だと思われる。
- ピント位置が電源オフでズレてしまう場合はカメラのスリープモードを使うのがおススメだ。
- 今後ファームウェアアップデートでピント位置の記憶が出来るようになると期待したい。
手ぶれ補正:
- 光学手ぶれ補正は搭載していない。
- ボディ側の手ぶれ補正利用可能である。しっかりとぶれを抑えることで4?6段の効果が期待できる。
解像性能:
- 絞り開放でも中央は非常にシャープだ。Fマウントでは絞ったとしてもこのようなシャープネスは得られない。
- 四隅は絞り開放が少し弱いものの、それでもかなり良好だ。
- F2.8まで絞ると中央はとてもシャープになる。
- 四隅の良好なシャープネスが必要な場合はF4まで絞る必要がある。それ以降は被写界深度の調整で使えばいいだろう。
像面湾曲:
- F1.8からF2でのみ見られる。非常に穏やかだ。
ボケ:
- 非球面レンズが多く使われており、玉ねぎボケの騒がしい描写なので玉ボケには期待しないほうがよい。
- 個人的には接写時のボケは優れていると感じた。
色収差:
- 倍率色収差はとても良好に補正されている。Fマウントより遥かに小さな収差だ。
- 軸上色収差はF1.8?F4で目に付くが、小絞りで解消する。
球面収差:
- フォーカスシフトの問題は見られない。
歪曲収差:
- 1.94%の樽型だ。
- Fマウントよりも大きいが、自動補正されるので心配する必要は無い。
周辺減光:
- 近距離ではF1.8で2EV弱、無限遠で2EV前後だ。
- F2.8まで絞ると光量落ちは大幅に改善する。
- 残念ながらF4以降でも1EVから大きく改善はしない。
- Fマウント用と比べて優れた結果である。
コマ収差:
- 四隅の絞り開放は点光源とならないものの、見栄えはとても良好だ。
- これまでテストしてきた広角レンズよりも優れている。
逆光耐性:
- ゴーストやフレアはほとんど発生しない。
- F16まで絞ると素敵な光条が発生する。
F1.8G・24mm F1.8 Sとの比較
- 20mm F1.8G:シャープネスの違いは歴然としている。F1.8Gのピークを絞り開放から上回り、四隅のシャープネスにも大きな違いが見られる。
- 24mm F1.8 S:20mmのほうが遥かにシャープだ。四隅も20mmが良好で、24mmが互角となるのはF5.6まで絞る必要がある。
総評
シャープネス、コントラスト、周辺減光など、様々な観点からFマウント用レンズを上回る性能だ。何よりコマ収差補正がとても優れている。見劣りするのは歪曲収差くらいだが、後処理しやすいので個人的には気にならない。
全体的に20mm F1.8 Sは素晴らしいレンズだ。欠点となる問題がほとんどなく、優れたビルドクオリティと耐候性を備えている。Zシステムで超広角レンズが必要な場合、このレンズの購入を躊躇するべきではない。
Lenstip
Lenstip:Nikon Nikkor Z 20 mm f/1.8 S
- ZレンズのF1.8単焦点は以下のようにリリースされている。
・2018/8:NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
・2018/8:NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
・2019/7:NIKKOR Z 85mm f/1.8 S
・2019/9:NIKKOR Z 24mm f/1.8 S
・2020/2:NIKKOR Z 20mm f/1.8 S - このグループの中で最も複雑なレンズであり、物理的には最も重く、フィルター径も大きい。
- 後玉周辺の内部は黒く塗りつぶされ、電子部品などを視認することは出来ない。ケチのつけようが無い仕上がりだ。
- マウント付近の外装は金属製だ。
- レンズの製造国は中国である。
- フォーカスリングと金属外装の間はプラスチック製パーツを使用している。
- 48mm幅の金属製フォーカスリングはバイワイヤ方式で動作する。ピント移動は回転速度に依存し、素早く回転すると90度未満、ゆっくい回転すると180度以上となる。どちらでもピント距離の表示は無いので操作が難しいと感じるかもしれない。
- 金属製のフォーカスリングはとても傷つきやすい。
- 解像度
・Z 7のRAWに基づいて測定している。
・良像の基準値は42~44lpmmだ。
・優れた単焦点レンズで80?85lpmmとなる。
・中央は絞り開放から優れた結果だ。いくらか不満のあった24mmと比べると明らかに優れ、35mm F1.8 Sより高い数値となる。これ以上となると50mm F1.8 Sだけだ。
・F2まで絞っても他のNIKKOR Zほど解像度が伸びないのは興味深い。結果、ピークは75lpmmとなり、他のF1.8 Sと比べると遥かに低い数値だ。光学設計者は周辺画質のために中央の記録的な解像度を諦めたようだ。超広角レンズとしては賢明な選択である。
・APS-C領域は絞り開放から50lpmmを超え、ケチのつけようが無い。24mmや35mmより遥かに優れている。絞ると60lpmmに達し、35mm F1.8と同程度だ。
・面白いことに四隅でも画質が維持されている。24mm・35mmより優れているのみならず、50mmよりも良好だ。やはり絞った際の改善速度は遅いが、フレーム全体でF1.8からシャープな画質を得られるなら十分以上だ。 - 3枚のEDレンズにより、軸上色収差は適切に補正されている。
- 倍率色収差の補正状態も本当に見事だ。どの絞り値でも無視できる水準まで抑えている。高く評価したAF-S 20mm F1.8Gより良好だ。
- 球面収差の小さな影響があるものの、大きな問題は無い。
- 歪曲収差はAPS-Cでー1.14%、フルサイズでー2.10%に増加する。この数値はそれほど大きく無いが、20mm F1.8Gはー1.53%だ。
- コマ収差補正は一眼レフ用レンズと似ている。とても影響が強く、APS-C四隅で既に変形が目に付き、フルサイズ四隅は本当に顕著となる。1段絞っても目に付くほど残存している。
- 非点収差の平均値は12.9%だ。中?高レベルである。一眼レフ用レンズと比べると少し良好だ。
- 広角レンズとしてはとても見栄えの良いボケ描写だ。非球面レンズを3枚備えているが、玉ねぎボケの兆候が無く、口径食の影響も小さい。拍手喝采だ!
- 周辺減光はAPS-C領域でいくらか減光が目に付くものの、絞り開放付近のみだ。F2.8まで絞るとほとんど知覚できない。フルサイズではー2.47EVまで増加し、補正の必要がある。一眼レフ用レンズより少し悪い結果だ。
- 広角レンズで逆光耐性を良好に維持するのはとても難しい。それでもニコンはこのカテゴリで素晴らしい仕事を成し遂げたようだ。逆光耐性はシンプルに素晴らしく、一眼レフ用レンズと比べると大幅に改善している。
- オートフォーカスはノイズレスで動作する。Z 7との組み合わせで、ピント全域を約0.5?0.6秒で移動するきちんとしたフォーカス速度だ。
長所:頑丈で防塵防滴の金属外装・非常に良好な中央画質・良好なAPS-C領域の画質・絞り開放でもきちんとしたフルサイズ四隅の画質・軸上色収差が少ない・倍率色収差が無視出来る・球面収差の致命的な問題がない・APS-C領域で周辺減光が少ない・心地よいボケ・静かで正確なAF・優れた逆光耐性
短所:周辺減光が目立つ・コマ収差が大きい
Z 24mm F1.8 Sは良いレンズだが、あまり感心しなかった。そのため、この20mm F1.8 Sはいい意味で驚いた。
2つの欠点を持つが、1つはこのレンズで想定内の問題だ。コマ収差はかなり痛い欠点だが、レンズの長所を考慮すると許容することが出来る。特にF1.8から全域で均質な画質を得たい場合にはこのレンズの強みを感じることだろう。
価格は1050ドルと、一眼レフの800ドルと比べて高くなっている。しかし、目を疑うような値付けではなく、このレンズの性能を考えると妥協できる範囲内に収まっている。
Digital Camera World
- 「NIKKOR Z 14-30mm f/4 S」のほうが広い画角をカバーしているが、画角より明るさを重要とする場合はこのレンズが最有力候補だ。
- 非常に扱いやすいサイズと重量であり、それぞれ85×109mm、505gである。
- 広角レンズとしては適切な77mm円形フィルターに対応し、ねじ込み式フィルターや角形フィルターアダプターを装着しやすい。風景撮影で便利なポイントだ。
- 明るい広角レンズなので屋内や夕景などの低照度撮影にも適している。
- 最短撮影距離はわずか0.2mと短く、信じられないほど被写体に近寄ることが可能だ。F1.8と組み合わせることでボケを大きくすることが出来る。
- 外観はSシリーズらしいシンプルで効果的なデザインとなっている。コントロールリングは十分大きく、滑らかに動作する。カメラ側の設定で絞り操作にも対応している。
- フォーカスブリージングが無視できるほど抑えられているので、実効画角・倍率に変化が無い点で動画撮影向けのレンズと言える。
- 11群14枚構成で3つの非球面レンズと3つのEDレンズを組み込んでいる。レンズはかなり軽量だが、全体的なビルドは頑丈と感じるうえに防塵防滴仕様だ。
- 光学性能は期待に応えるものであり、四隅まで見事なシャープネスだ。自動補正を無効にしても収差は最小限に抑えられている。
- ゴーストやフレアなど逆光耐性は確かにとても優れている。
- 広角レンズとしては心地よい滑らかなボケだ。
- コマ収差と非点収差が抑えられているので天体撮影でも使いやすいだろう。
- ラボテスト
・絞り開放からF11まで抜群のシャープネスだ。特に中央F2.8?F8は大変素晴らしい。四隅はそれほどではないが、広角レンズとしては見事な数値である。
・色収差補正は非常に良好だ。ほとんど発生しないので実写で色ずれを見かけることはほとんど無いだろう。
・歪曲収差は穏やかな樽型だ。大部分の状況で無視できる収差量である。
NIKKOR ZのSシリーズらしい優れた光学性能と操作性のレンズだ。そしてほぼ無音で無視できるほど抑えられたフォーカスブリージングをのAF利用することが出来る。静止画・動画どちらにも適したレンズであり、天体撮影にも使いやすいはずだ。
汎用性の高いレンズだが、14-30mm F4とほぼ同じ価格となる高価なレンズだ。予算が無い場合やより広い画角の単焦点が必要な場合は「MF 14mm F2.8 MK2」も検討してみると良いだろう。
長所:見事な画質・無視できるフォーカスブリージング・フィルターソケット
短所:比較的高価・焦点距離指標なし
Digital Camera World:Nikon Z 20mm f/1.8 S review
PhotographyBlog
- 他のSシリーズと同様、とてもシンプルなデザインの外観だ。
- 重量は505gで他のラインアップよりも少し重い。全長は108.5mmで同シリーズの中では最も長い。それでもZ 6/Z 7と組み合わせた際のバランスは良好だ。遥かに小さいZ 50で使う場合はバランスが少し崩れるだろう。
- レンズの大部分は幅広いマニュアルフォーカスリングだ。ピント両端のハードストップは存在しない。ピント操作が不要な場合は絞り値の調整などに利用できる。
- レンズフードは逆さ付けにも対応している。
- オートフォーカスは他のレンズと同様、高速かつ静かで正確に動作する。静かなAF駆動は動画撮影にも適している。
- 色収差は問題とならず、色ずれを見つけるのは難しい。
- 周辺減光はF1.8でフラットな被写体を撮影すると目立つ減光が発生する。F2まで絞ると減光が低下し、F2.8-F4でほぼ解消する。
- 歪曲収差は接写時に多少の歪みが予想されるものの、そうでない場合は見事に補正されている。
- ボケは個人的な評価となるが非常に魅力的で心地よい描写だ。
- シャープネス
・中央:F1.8の絞り開放から良好、F2まで絞ると向上し、F2.8で再び向上する。F4-F8で最良の結果となる。その後はシャープネスが低下し、F16で最もソフトとなる。
・端:プリントサイズの場合はフレーム全域で見事な画質だ。F5.6~F11で最良な結果となる。
他のZレンズと同様非常にシャープで魅力的なボケ描写だ。20mm単焦点が必要な人に強くおススメできるレンズだ。
欠点があるとすれば価格設定くらいだろう。Z 24mmは遥かに安く、Z 35mmなどは約半分の価格で購入できる。明るい絞り値が必要無ければ「NIKKOR Z 14-30mm f/4 S」を検討してみるのも良いだろう。
PhotographyBlog:Nikon Z 20mm f/1.8 S Review
Mobile01
- 2020年2月に発売されたZマウント用20mm F1.8だ。フィルター径は77mm、重量505gと、「F1.8 S」シリーズの中では最も大きく、最も重いレンズである。
- サイズと重量はニコンFマウントの「AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED」を超えていたので少し驚いた。
- レンズフード「HB-95」が付属。プラスチック製の花形フードで、内側には反射防止用の凸凹が施されている。
- 外装はプラスチック、レンズマウントは金属製だ。鏡筒は防塵防滴仕様となっている。
- ステッピングモーター駆動のオートフォーカス静かで高速なので動画撮影にも適している。レンズ側面のA/Mスイッチでフォーカスモードを切替可能だ。
- レンズ製造国は中国だ。とてもしっかりとした作りであり、中国工場の技術が成熟していることが分かる。
- F1.8 Sシリーズで最も重いレンズだが、Z 7との組み合わせでバランスはとても良好だ。
- 解像度
・中央はF1.8とF11のパフォーマンスが同程度に見える程、開放から良好な性能だ。F11も似たように良好だが、F16まで絞ると回折の影響でソフトとなる。
・端は中央ほど良く無いが、光環境によっては十分良く見える。 - 色収差補正は本当に良好だ。
- 逆光における絞り開放は僅かなフレアとゴーストだが、絞ると徐々に目立つようになる。
- レンズプロファイル適用状態だと歪曲収差はほとんど目立たない。
- 玉ボケにおける口径食の問題はほとんど発生していない。
- コマ収差は全く問題無い。星空フォトグラファーにとって素晴らしいレンズとなるだろう。
- 光条はF2.8から徐々に大きくなり、F8まで絞ると18本の光条が発生する。
- 周辺減光はF2.8で無視できるレベルとなる。
Z 7との組み合わせでF1.8からF11まで高解像なレンズだ。そして優れたコマ収差補正、口径食の影響が小さいボケを併せ持つ。おそらく僅かな弱点は逆光耐性くらいだろう。
Mobile01:Nikon Z 20mm f/1.8 S 評測報告|人像、風景一顆搞定!
CAMERA LABS
Nikon Z 20mm f1.8 S review
外観・操作性
- 84×109mm・503gのレンズだ。「NIKKOR Z 85mm f/1.8 S」よりも大きく、「AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED+FTZアダプター」より少し重い。
- フィルター径はF1.8Gと同じ77mmを使用する。
- 1050米ドルと非常に高価なレンズだ。F1.8Gは720ドル、シグマ20mm F1.4は900ドルで手に入る。
- フォーカスの再現性はとても良好だ。40回のテストでミスショットは無い。
- フォーカス速度は無限遠から0.29mまで約0.3秒と非常に高速だ。明るい環境でのハンチングは発生しない。
- フォーカスリングの幅が広すぎて誤操作しやすい。
- オートフォーカスのノイズはほとんど聞こえないが、24-70mm F4 Sほどでは無い。
- フォーカスブリージングの変動値はわずか3%なので、動画撮影で不快と感じることは無いはずだ。
画質
- 軸上色収差はF1.8からF2.8で目立つ。24mm F1.8 Sと比べて色付きは強いように見える。
- 近距離チャートでフルサイズ四隅が少しソフトだが、F1.8 GやシグマF1.4よりもコントラストと解像度が優れている。F2.8~F4まで絞るといくらかシャープとなる。
- 像面湾曲はほとんど無い。
- 遠景解像でもF1.8Gと比べて四隅が少し良好だ。F4まで絞った時のパフォーマンスは周辺減光を除いて「NIKKOR Z 14-30mm f/4 S」と変わりない。APS-C領域まではシャープだが、四隅に向かっていくらかソフトとなる。
- 周辺減光はF1.8 Gよりいくらか強くなっている。
- 歪曲収差は陣笠状の樽型歪曲だ。
- コマ収差補正はF1.8 Gより遥かに優れている。残存収差はほとんど無いが、絞り開放で撮影すると軸上色収差の影響がある。
- 口径食による玉ボケへの影響は僅かだ。ボケには穏やかな玉ねぎボケと軸上色収差の影響が見えられる。
- 前後のボケはバランスが取れている。シグマF1.4はボケが大きいものの、騒がしいのでF1.8 Sほどでは無い。
- 接写でのパフォーマンスはF2.8まで絞ればとても良好だ。
- 逆光時にゴーストは発生するがフレアの影響はほとんど無い。逆光でも自信を持って撮影できる。
今のところF1.8 Sシリーズとしては最も大きなレンズだが、まだ許容範囲内だ。DX領域までは近距離でも非常に優れた性能を発揮する。オートフォーカスは非常に高速で確実にピントが合い、逆光状況でも心配することは無い。ただし、フルサイズ四隅の画質や軸上色収差はマイナスポイントだ。ソニー「FE 20mm F1.8 G」は小型軽量ながら四隅まで高いシャープネスを発揮し、軸上色収差が低減できることを証明してみせた。
長所:DX領域まで非常に高解像・逆光耐性が非常に良好・歪曲収差が最小限・20mm F1.8としてはきちんとしたボケ・防塵防滴とフッ素コーティング・非常に高速で信頼性の高いAF・カスタマイズ可能なフォーカスリング
短所:軸上色収差・フルサイズ四隅はよりシャープだと良かった・比較的大きい・薄っぺらなレンズポーチ
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