このページでは一眼カメラ用交換レンズ「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」に関する情報を収集しています。
データベース
最新情報
- NIKKOR Z 50mm f/1.2 S は逆光とレンズサイズ以外が完璧 2024年11月3日
- NIKKOR Z 50mm f/1.2 S 価格とサイズが代償となるがほぼ完璧なレンズ 2024年8月25日
- ニコンがNIKKOR Zレンズの最新ファームウェアを公開 2022年8月2日
- DPReviewがNIKKOR Z 50mm f/1.2 Sのサンプルギャラリーを公開 2022年5月12日
- NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sはニコンで最高のレンズのひとつ 2021年11月14日
- ニコン「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」は並外れた光学性能 2021年6月6日
- ニコン「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」は優れた光学性能だがサイズが大きすぎる 2021年6月2日
- ニコン「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」は最高のシャープネスとボケを兼ね備えたレンズ 2021年1月6日
- ニコン「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」は妥協の無き光学性能の優れたレンズ 2020年12月26日
- DPReviewがニコン「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」のサンプルギャラリー51点を公開 2020年12月23日
レビュー
参考サイト
- 公式
- DPReview
- ePHOTOzine
(抄訳記事) - IMAGING RESOURCE
(抄訳記事) - Lesnumeriques
(抄訳記事) - Lenstip
(抄訳記事) - PhotographyBlog
(抄訳記事) - フォトヨドバシ
・インタビュー
購入早見表
レンズデータ
レンズ仕様
型式 | ニコン Z マウント |
---|---|
焦点距離 | 50mm |
最大口径比 | 1:1.2 |
レンズ構成 | 15群17枚(EDレンズ2枚、非球面レンズ3枚、ナノクリスタルコートあり、 アルネオコートあり) |
画角 | 47°(撮像範囲FX) 31° 30′(撮像範囲DX) |
ピント合わせ | IF(インターナルフォーカス)方式 |
最短撮影距離 | 撮像面から0.45m |
最大撮影倍率 | 0.15倍 |
絞り羽根枚数 | 9枚(円型絞り) |
絞り方式 | 電磁絞りによる自動絞り |
最大絞り | f/1.2 |
最小絞り | f/16 |
アタッチメントサイズ(フィルターサイズ) | 82mm(P=0.75mm) |
寸法 | 約89.5mm(最大径)×150mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで) |
質量 | 約1090g |
付属品 | ? レンズキャップ82mm LC-82B(スプリング式) ? 裏ぶた LF-N1 ? バヨネットフード HB-94 ? レンズケース CL-C2 |
MTFチャート
レンズ構成図
関連レンズ
- NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
- NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct
- AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G
- AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G
- Ai AF NIKKOR 50mm f/1.8D
- Ai AF Nikkor 50mm f/1.4D
- Ai Nikkor 50mm f/1.2S
更新履歴
- 2020-11-30:12月11日発売決定とアナウンスされました。
- 2020-09-16:正式発表されました。2020年12月発売予定とのこと。
- 2020-09-16:本日「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」が正式発表されると噂されているので専用の情報収集ページを作成しました。
海外の評価
PhotographyBlog
PhotographyBlog:Nikon Z 50mm f/1.2 S?Review
- レンズの紹介:
・2020年9月に発表されたZシステム用のプレミアムなレンズだ。
・Zシリーズとしては初のF1.2レンズである。
・2枚のEDレンズと3枚の非球面レンズを備えた15群17枚の光学設計は、フレーム端から端まで信じられない程のシャープネスを実現しているとニコンは述べている。
・執筆時点で販売価格は2,299ポンドと高価なレンズだ。NIKKOR Z 50mm F1.8 Sが529ポンドであることを考慮すると大きな価格差である。 - ビルドクオリティ:
・他のZマウントと同様、外観はとてもシンプルだ。
・高価なZレンズにしか採用していないOLED表示パネルを搭載している。
・レンズフードHB-94は逆さ付けにも対応している。 - 携帯性:
・F1.2の明るさを考慮すると驚かないが、大きなレンズである。
・日常的な撮影やお散歩レンズとはならないかもしれない。
・1090gと決して軽量なレンズでは無い。しかし、Z 7IIとの組み合わせでバランスは取れている。 - 操作性:
・マウント付近にはカメラ側でカスタマイズ可能なコントロールリングを搭載している。絞りや露出補正、ISO感度の設定を割り当てることが可能だ。
・L-Fnボタンはコントロールリングよりも幅広い機能に対応している。
・幅広いフォーカスリングは微調整も簡単に対応できる抵抗量を持つ。 - オートフォーカス:
・非常に高速で静かに動作する。動画撮影や静かな場所にも適した性能だ。 - マニュアルフォーカス:
・記載なし。 - 手ぶれ補正:
・記載なし。 - 解像性能:
・中央はF12で非常に良好だ。F2.8でさらにシャープとなり、F8までパフォーマンスが持続する。F8付近から徐々にソフトとなり、F16で最もソフトな結果となる。
・端はF11?F16で最もシャープな結果となるが、絞り値全域で非常に良好な結果だ。 - 像面湾曲:
・記載なし。 - ボケ:
・絞り開放で非常に魅力的なボケとなる。実写でがっかりすることは無い。 - 色収差:
・逆光シーンでも目に見える色収差はほとんど発生しない。 - 球面収差:
・記載なし。 - 歪曲収差:
・歪曲収差の影響はほとんど見られない。 - 周辺減光:
・大口径レンズらしく絞り開放で目に付く。とは言え、極端な減光では無く、実写ではあまり目立たない。
・F1.4まで絞ると影響が小さくなり、F2でほとんど解消する。 - コマ収差:
・記載なし。 - 逆光耐性:
・記載なし。 - 作例集
総評
NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sは間違いなく優れたレンズであり、美しい描写だ。ボケはf/1.8 Sよりも素晴らしい。シャープネスも素晴らしく、ゴーストやフレア、収差も最小限に抑えられている。高級レンズに期待する光学性能だ。ビルドクオリティも素晴らしく、操作性はとても良好だ。
とは言え、このレンズの欠点は価格だけでは無い。f/1.8 Sと比べて大きく重いレンズのため、収納性・携帯性が悪い。お散歩レンズとしては実用的と言えない。50mmの大口径レンズで恩恵を受けるプロフォトグラファーやポートレート撮影のアマチュアフォトグラファーであれば、素晴らしい選択肢となるだろう。
50mmの単焦点レンズを使いたい大部分の人はf/1.8 Sで十分だと思う。しかし、最高のシャープネスと最高のボケが必要な場合はこのレンズが最適だ。ニコンのさらなるf/1.2シリーズを楽しみにしている。
Xitek
Xitek:??王者?? 尼康Z 50mm f/1.2S??
- レンズの紹介:
・2018年のZシステム発表時にレンズロードマップ上に示されていたレンズだ。
・ニコンはこのレンズを起点としてF1.2レンズ群を形成するつもりなのかもしれない。
・2020年9月にニコンはこのレンズを正式発表した。
・NIKKOR史上では初のF1.2AFレンズだ。かつてAI 50mm F1.2やAI-S 50mm F1.2などマニュアルフォーカスレンズが存在したが、AFレンズはFマウントの制限によってF1.4までしか実現できなかった。
・大口径Zマウントは手始めに大きなマウント径を活かした「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」を投入し、次にこのレンズを作り上げた。
・一見すると58mm F0.95のサイズダウンモデルに見える。全長に変化はなく、レンズ直径が著しく小さくなっている。ただし、全長はキヤノン「RF50mm F1.2L USM」と比べてはるかに長い。
・ニコンZマウントのレンズは全て凹凸凹構造を採用し、さらにF1.2ではビオゴンタイプのレンズ構成を採用した対称型の光学設計だ。対称型はレンズ全長が長くなるものの、収差が小さく、ボケが滑らかで、フレーム端まで均質な画質を期待できる。
・3枚の非球面レンズを採用してコマ収差を補正しつつ、EDレンズで色収差も抑えている。
・逆光耐性を向上させるため、ナノクリスタルコートに加えてARNEOコートも使用している。
・MTF曲線をキヤノンRF50mm F1.2Lと見比べると、10mm以降でニコンが優れていることが分かる。 - ビルドクオリティ:
・外観は「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」と似ている。
・外装に目立つ金色の装飾は無く、全体的に控えめな黒を基調としたデザインだ。
・様々なコントロールリングは金属製だ。
・「NIKKOR Z 70?200mm f/2.8 VR S」と同様にレンズ先端に装飾リングがあるものの、これは回転しない。
・防塵防滴仕様に加え、前面は耐衝撃性を向上させている。
・ARNEOコートは特に斜め方向から入射する光に効果的だ。
・Noctと異なり前面にフッ素コーティングは施されていない。メンテナンス性は低下する。
・Noctと同じくフィルター径は82mmだ。キヤノンF1.2やツアイスOtusの77mmよりも大きい。
・レンズマウントには11の電子接点を持つ。
・レンズはタイ製だ。 - 携帯性:
・前述したように、Noctをスリムにしたような外観だ。
・サイズはφ89.5×150mmである。単焦点レンズとしてはNoctに次ぐ大きなレンズだ。
・全長は「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」よりも長い。「NIKKOR Z 50mm f/1.8 S」の約1.7倍だ。
・重量はNoctの半分、「RF50mm F1.2L USM」よりも140g重い。
・ニコンZシリーズと組み合わせた際は明らかにフロントヘビーとなる。 - 操作性:
・フォーカスリングとコントロールリングは分かれている。50mm F1.8 Sのように切り替える必要は無い。
・2つのリングは比較的穏やかな抵抗量で滑らかに回転する。
・コントロールリングにはISO感度や絞り、露出補正を割り当てることが可能だ。
・L-Fnボタンを搭載しており、カメラ側でカスタマイズ可能だ。
・ツアイスBatisシリーズと同じくOLED表示パネルを搭載している。DISPボタンを押すことで絞りやピント距離、被写界深度の表示に切り替えることができる。 - オートフォーカス:
・ステッピングモーター駆動を使用しており、フォーカス中の振動や音を抑えている。
・マルチフォーカスシステムを採用しており、2つの駆動ユニットで複数のフォーカスレンズ群を操作する。これにより接写時の収差を効果的に抑えている。
・動画を意識した設計となっており、フォーカスブリージングを効果的に抑えている。大口径レンズとしては非常に穏やかだ。 - マニュアルフォーカス:
・記載なし。 - 手ぶれ補正:
・記載なし。 - 解像性能:
・Z 7IIと組み合わせてテストした。
・F1.2から中央・端ともに優れているが、中央と比べると端は少し劣る。
・F1.4まで絞ると中央はさらにシャープとなり、端もシャープとなる。周辺減光が大幅に改善するため、端の画質が良好となる。
・F1.8?F8の中央シャープネスは高水準な状態を維持している。
・フレーム端もF2.2で申し分のない性能だ。
・F11まで絞ると回折の影響で僅かに低下し始める。 - 像面湾曲:
・像面湾曲の影響はほとんど見られない。 - ボケ:
・グラデーションはとても滑らかだ。
・口径食の影響は見られるが、F1.4~F1.8で徐々に改善する。
・3枚の非球面レンズを使用しているが、玉ねぎボケの兆候はあまり見られず影響は出ないだろう。
・玉ボケの端はとても滑らかな描写だ。 - 色収差:
・逆光時にいくらか色収差が発生するものの、F1.8で改善する。
・パープルフリンジは極僅かで無視できる程度だ。
・フレーム端付近の補正状態は悪くない。 - 球面収差:
・記載なし。 - 歪曲収差:
・極僅かな糸巻き型歪曲だ。実際には無視できる程度の収差である。 - 周辺減光:
・F1.2で目立つ減光が発生する。
・F1.8まで絞ると減光は大きく改善し、F2で無視できる程度となる。 - コマ収差:
・収差の影響は極僅かだ。この性能はNoctと似ている。 - 逆光耐性:
・ゴーストとフレアが効果的に抑えられている。F8まで絞ると少量のゴーストが発生する。
・完璧な性能では無いが、このクラスとしては良好だ。
・絞ると優れた光条が発生する。非常にシャープで美しい描写だ。 - Z 50mm F1.8 Sとの比較:
・同じ絞り値の場合、中央はF1.8 Sのほうが少し優れており、コントラストは良好だ。
・フレーム端は中央よりも差が開き、F1.8 Sがシャープだ。F1.2でF1.8と競合できる性能であるため、F1.2は非常に良好な性能と言えるだろう。
・F1.2をF1.8まで絞り、F1.8 Sの絞り開放と比較すると、より明るく、よりシャープだ。F1.8 Sの絞り開放は周辺減光の影響もある。
・F1.8 Sはコントラストが高く、F1.2と比べると後ボケが騒がしくなる。
・玉ボケはF1.2をF1.8まで絞ったほうが口径食の影響が少ない。
総評
F1.2 SとNoctには多くの類似点がある。実用的な観点から言えば、Noctよりも意味のあるレンズと言えるだろう。NoctはZマウントの利点を示すためのベンチマークだが、Z 50mm F1.2 SはAFに対応し、優れたシャープネスと色収差補正を備えている。動画撮影においてブリージングが抑えられ、滑らかなボケは役に立つと思う。
価格はキヤノンのF1.2Lと同程度だ。Noctと比べると遥かに安いが、費用対効果を求めるのであれば、より安価なF1.8 Sも存在する。妥協の無いクオリティで、一眼レフ用レンズの印象を打ち破りたいのであれば、F1.2を選ぶと良いだろう。将来的に85mm F1.2 Sも投入し、ハイエンドユーザーを魅了して欲しいと思う。
ePHOTOzine
ePHOTOzine:Nikon Nikkor Z 50mm f/1.2 S Review
- レンズの紹介:
- ビルドクオリティ:
・高いビルドクオリティを備え、防塵防滴仕様である。
・花形レンズフードはしっかりと本体に装着できる。
・レンズのフィルター径は82mmだ。
・最短撮影距離は0.45m、撮影倍率は0.15倍だ。50mmの大口径レンズとしては一般的なスペックだ。
・OLEDディスプレイを備えている。ピント位置や絞り値を表示することが可能だ。被写界深度を表示することも出来るが、幅が非常に狭いうえ数値の表示が十分ではなく実用的と言えない。
・15群17枚のレンズ構成には2枚のEDレンズと3枚の非球面レンズを使用している。 - 携帯性:
・1090gの重さとなる大きなレンズだ。しかし、Z 7との組み合わせでバランスはうまく取れている。 - 操作性:
・電子制御のフォーカスリングはとても滑らかに動作する。
・L-Fnボタンはカスタマイズ可能だ。
・コントロールリングには絞り・ISO・露出補正などをカスタマイズ可能だ。絞りを設定すると、動画撮影時に静かな絞り操作が可能となる。
・レンズサイズは許容しなければならないが、使って楽しいレンズである。 - オートフォーカス:
・F1.2の大口径レンズながら、AFは非常に正確だ。 - マニュアルフォーカス:
・記載なし。 - 手ぶれ補正:
・記載なし。 - 解像性能:
・抜群の切れ味だ。
・中央はF1.2からF8まで際立った性能であり、F11?F16も優れている。
・端はF1.2からF2まで優れ、F2.8からF8まで際立った性能だ。F11で優れた性能となり、F16でも非常に良好だ。 - 像面湾曲:
・記載なし。 - ボケ:
・とても滑らかな描写だ。
・口径食はいくらか見えるものの、グラデーションは滑らかだ。 - 色収差:
・ボディ側の補正をオフにしても色収差はほとんど発生しない。
・ソフトウェア補正は全く必要では無い。 - 球面収差:
・記載なし。 - 歪曲収差:
・+0.16%の糸巻き型だ。実質的にゼロ歪曲であり、フレーム端でも直線が表現可能だ。 - 周辺減光:
・絞り開放で目立つが、絞ると適切な水準に抑えられる。 - コマ収差:
・記載なし。 - 逆光耐性:
・記載なし。 - 作例集
総評
非常に高価な標準レンズだが、F0.95 Noctよりも遥かに安い。光学性能はとても似ており、絞り開放で少しNoctが優れているくらいだ。どちらも優れたレンズであり、この差は目立たないと思う。F0.95が必要無い場合、F1.2でかなりのコストを抑えることが可能だ。
このNIKKOR Z 50mm f/1.2 Sは価格を正当化するのに十分な光学性能と個性を備えたレンズだ。エディターズチョイスである。
長所:抜群のシャープネス・実質ゼロの色収差・優れた逆光耐性・優れた操作性・ハイクオリティなレンズの作り・L-Fnボタン・歪曲がほとんど無い・美しいボケ
短所:価格・サイズ
Digital Camera World
Digital Camera World:Nikon Z 50mm f/1.2 S review
- レンズの紹介:
・優れたシャープネスを備え、無視できるまで色収差を補正したZ 50mm F1.8 Sはあらゆる点でトップクラスの性能を備えたレンズだ。このF1.2レンズが必要になるとすれば、それは「明るさ」と「被写界深度の浅さ」となる。 - ビルドクオリティ:
・レンズは17枚構成の複雑な光学設計が特徴的だ。これらのうち2枚はEDレンズ、3枚は非球面レンズである。
・この価格帯のモダンレンズらしく、全体的にとても頑丈で、防塵防滴仕様だ。 - 携帯性:
・1,090gと重量のあるレンズだ。 - 操作性:
・有機ELディスプレイとカスタマイズ可能なL-Fnボタンを搭載している。特に後者はカスタマイズで多くの機能から役割を与えることが可能だ。操作性は確実に向上する。
・コントロールリングはカスタマイズできる機能が限られているものの、動画撮影時の無段階絞り操作の時は非常に便利である。そのほかにも露出補正やISO感度の操作に使うことが出来る。
・フォーカスリングとコントロールリングはどちらも滑らかに操作でき、フィードバックは良好だ。 - オートフォーカス:
・記載なし。 - マニュアルフォーカス:
・記載なし。 - 手ぶれ補正:
・記載なし。 - 解像性能:
・Z 50mm F1.8の存在がハードルを高めているが、F1.2 Sは全ての絞り値でF1.8を打ちのめす結果となった。絞り開放でも信じられないほどのシャープネスとコントラストを備えている。
・フレーム端や隅で性能は低下するが、本当に僅かな低下だ。F2.8で非常に良好となり、F16までずっと優れた性能だ。
・ラボテストでは、F2?F5.6まで絞った時のシャープネスが過去最高の性能だ。絞り開放は平均的な性能だが、F2まで絞ると優れた性能となる。フレーム隅まで切れのあるシャープネスが必要であればF4まで絞ると良いだろう。 - 像面湾曲:
・記載なし。 - ボケ:
・F1.2のボケ描写は美しく滑らかだ。
・ピント面からのグラデーションはパーフェクトである。
・欠点を挙げるとすれば、四隅に向かって口径食が目立つことと、F1.8まで絞ると9枚羽根の絞りの形状が見えてしまうことである。
・非球面レンズは玉ボケの描写に悪影響を及ぼしていないように見える。 - 色収差:
・色収差はほとんど見当たらない。
・コントラストの高い被写体の前後に極僅かに色づく程度だ。驚くほど良好に補正されている。
・ラボテストでの倍率色収差は基本的に問題とはならない数値であった。
・このような大口径レンズとしては、軸上色収差も極僅かだ。 - 球面収差:
・記載なし。 - 歪曲収差:
・糸巻き型の歪曲収差が僅かに見られるが心配する必要はない。 - 周辺減光:
・絞り開放付近で顕著な光量低下があるものの、中央の被写体を強調するには効果的だ。いずれにせよ、カメラ内の補正が利用できる。 - コマ収差:
・記載なし。 - 逆光耐性:
・記載なし。
総評
ニコンZマウント3本目となる標準単焦点は、手ごろな価格の50mm F1.8と非常に高価な58mm F0.95の中間に位置するレンズだ。正直に言ってNoctは手ごろな価格とは言い難く、2kgのヘビー級レンズだ。それと比べると50mm F1.2 Sの重量は1?強、そして価格は1/4である。明るさが必要で、F1.8では満たされない人はこのレンズが最良の選択肢となるだろう。とは言え、大部分の人にとって50mm F1.8が賢明な選択肢になると思う。
長所:F1.2・高級感のあるビルドクオリティと操作性・ゴージャスな画質
短所:50mm F1.8より遥かに大きく、高価・玉ボケは少し絞ると角ばる
Xitek
Xitek:尼康Z 50mm f/1.2S??者???答??
- Z 50mm f/1.2 SはNIKKOR史上初となるF1.2のAFレンズだ。
- 「高解像」と「柔らかいボケ」の両立を実現するのは困難だが、ニコンによるとZ 50mm f/1.2 Sは両方を兼ね備えていると主張している。
- マルチフォーカス技術の採用で近距離での高解像度を実現している。
- 滑らかな操作を実現するため、フォーカス駆動にはステッピングモーターを使用している。
- フォーカスブリージングを抑えており、フォーカス時の画角変化が大幅に低減している。
- このレンズを試したフォトグラファーによると、ピント面からボケへの移行は非常に滑らかだそうだ。
- 解像度は中央から端まで均質で、低周波から高周波まで高解像である。
- 大口径Zマウントにより理想的な対象設計を実現している。
- 対称性を追求することで、レンズ全長は長くなるが、収差が小さく、ボケは滑らか、そしてフレーム全域で均質な解像度を得られる。
- 前群・後群に凹型レンズを加えることで、全長は長くなるが像面湾曲を小さくしている。以前は広角レンズのみ使用していたものだが、Zマウントで理想的なレンズ構成を実現するために進化した。
- 対称的な設計により、色収差や歪曲収差の補正が優れている。
- RF50mm F1.2Lの駆動方式はUSMだが、ニコンはステッピングモーターを使用して滑らかで静かなフォーカスを実現している。MTFを比較すると、非点収差の補正状態が良好だ。
- 競合製品と実写比較でも、中央で僅かに優れ、周辺での画質差はさらに大きくなる。ボケも競合製品より自然だ。
- Q:動画撮影の観点から、Z 50mm f/1.2 Sを使用するメリットは?
- A:動画の需要は絶えず増加しており、この需要を満たすためにNIKKOR Zレンズ全体で取り組んでいる。このレンズは静かでブリージングを軽減し、フォーカスや明るさを滑らかに変化させることが可能だ。これにより自然な映像表現を実現している。
- Q:Noctとの技術的な違いは?
- A:高い光学性能とAFの両立だ。サイズと重量は普段使いできる水準に抑えている。このレンズの開発にはNoctから得た経験も含まれている。
- Q:50mmのNIKKORレンズとしては最も大きく、最も重いレンズだ。どのような開発戦略なのか、そしてフォーカス速度と精度は影響を受けるのか?
- A:Noctよりも手ごろな価格でS-Lineの高画質なAFレンズを作ることが目標だ。光学性能は我々の優先事項である。絞り開放から高精度なフォーカシングを得られ、撮影が容易となる。フォーカスブリージングや駆動音を抑えつつ、光学性能とサイズ・価格のバランスを取るために一所懸命頑張った。
- Q:大口径レンズにおけるフォーカス精度とフォーカス速度の実現の秘訣は?
- A:AFの高速化にはより軽量なフォーカスレンズ群が必要だ。ただし、軽量なフォーカスレンズ群で光学性能を維持するのは難しい。高い光学性能とAF性能を両立させるため、真設計のレンズ構造を採用している。
- Q:優れたボケを実現するため、Zマウント以外の技術は何を使ったのか?
- A:対象のレンズ構造を採用することで、より美しく高解像な描写を実現している。この対称レンズタイプは大口径Zマウントを採用することで実現した。この技術を採用した最初のレンズである。
- Q:Noctと画質の違いは?
- A:この質問に答えるのは難しい。F0.95は他のレンズでは体験できない表現を実現できる。F1.2はボケの滑らかさに細心の注意を払い、AFを使用した新しい表現を生み出すのに役立つだろう。
- Q:キヤノン「RF50mm F1.2L」と比べてレンズの間隔が長い理由は?(光を無理に曲げないという理由以外で)
- A:ニコンは凹凸対称型を採用しており、構造が異なる。直径が大きく、フランジバックの短いニコンZマウントは対称型を有効活用可能だ。
- Q:作例はポートレートばかりだが、やはりポートレート用なのか?
- A:静物撮影の作例も検討したが、バランスの取れた収差の実現や美しい描写を確認するにはポートレートが適していると考えた。
Xitek
Xitek:尼康Z24-200和Z50/1.2S??者???答??
- ニコンチャイナは北京と上海にて多くのメディアにZ 24-200mm F4-6.3とZ 14-24mm F2.8 S・Z 50mm F1.2 Sについて解説した。
- 従来の高倍率ズームは大きく重く、画質は平凡だった。Z 24-200mmの開発にあたり、小型軽量化と描写性能の向上に焦点を当てた。
- 開発当初は「24-200mm F3.5-6.3」「24-240mm F4-6.3」「24-240mm F3.5-6.3」そして「24-200mm F4-6.3」の4本から検討していた。そして24-200mm F4-6.3は最も携帯性に優れている。
- ステッピングモーターを使用したフォーカシングシステムはフォーカス中の画角変化を大幅に減らすことが出来る。動画の需要も高まっており、NIKKOR Zレンズを開発する際には動画撮影のことも考慮している。
- コンパクトさと軽量化のバランスを考慮し、焦点距離は24-200mm、開放F値はF4-6.3に設定した。他社製品と同等の240mmまでトリミングしても画質は良好だ。
- 開放F値は一眼レフ用レンズよりも暗いが、DX一眼レフなどでも「70-300mm F4.5-6.3」といった開放F値を採用している。実際の使用で問題は無いと考えている。
- Sタイプ以外のレンズはよりお求めやすい価格設定を重視しており、VRスイッチやAF/MFスイッチは省略した。
- レンズの光学手ぶれ補正では対応できない3軸をボディ内手ぶれ補正で補っている。
- 焦点距離が長い望遠レンズではカメラ側の手ぶれ補正だけで十分な補正効果を保証できない。このため、レンズにも手ぶれ補正が必要だ。
- 小型軽量化しているが、画質を犠牲にしていない。レンズ前玉を小さくし、大口径マウントの仕様に最適化することで高画質を維持している。
- 広角側は24mmの需要を想定して28mmでは無く24mmを選択肢した。望遠端は200mmもあればトリミングで換算300mm相当の画角として利用可能だ。光学倍率を上げるとパフォーマンスの維持が難しい。
- 「レンズ一つで旅行」という需要に応えるため、レンズを極力小さくし、高画質なレンズを開発した。「24-120mm F4」のような製品が将来登場するかどうかはコメントできない。
- 高画質は大口径マウントとショートフランジバックにより、レンズ後群を大きくすることができるため、レンズサイズが小さくても優れた光学性能を発揮することが出来る。
- Sタイプ以外でアルネオコートを採用した初のレンズだ。
- 新型アルミ合金のバヨネットを採用している。レンズ重心のバランスも考慮した。
- このレンズの開発におけるスローガンは「ゲームチェンジャー」だ。Fマウントの「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」は前玉が突出しており、レンズは重い。
- 「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」は競合製品を含めて圧倒的なアドバンテージを得ることに加え、世界最短・最軽量の大口径広角ズームレンズを実現。そして、ニコンの過去製品や競合レンズを上回る解像性能と点像復元性を備えている。
- レンズフードが二つ同梱しており、その内の一つに112mmの円型フィルターを装着可能だ。さらにレンズはリアフィルターにも対応している。
- 大口径の両面非球面レンズを採用しているため、前面の凸面が小さく、約200gほど軽量化されている。
- 光学手ぶれ補正は搭載していないが、ボディ側の手ぶれ補正を利用可能だ。
- 14-24mm以外の焦点距離も考慮したが、以下2点の目標を達成するには14-24mmが最適だと判断した。
・レンズ前面の大きさを抑え、優れた光学性能と小型軽量を実現する
・ねじ込み式フィルターやゼラチンフィルターのニーズに応える
- Zマウント最初のF1.2レンズだ。中央から端まで高解像であり、ピント面から徐々に滑らかにボケはじめ、ボケの縁取りには色ずれがほとんど見られない。
- 3枚の非球面レンズを使用しており、優れた点像復元性を実現している。
- 動画撮影に役立つ滑らかで静かなAFを実現するため、F1.2レンズにステッピングモーター駆動を採用した初めてのレンズだ。同時にフォーカスブリージングを効果的に抑えている。
フォーカス駆動は2つのユニットで構成され、高速かつ高精度なフォーカシングを実現している。速度はF1.8シリーズに劣ることは無い。 - ナノクリスタルコートとアルネオコーティングを採用し、ゴーストとフレアを効果的に抑えている。
- 光学手ぶれ補正は搭載していないが、ボディ側の手ぶれ補正を利用可能だ。
- まずはF1.8レンズで小型軽量化を目指した。次にZマウントのメリットを活かすF1.2レンズの開発に着手した。
- 大口径Zマウントで対称性を実現する理想的なレンズ構成を備えるため、レンズが長くなった。絞り前後のパワーバランスがほぼ同じとなるため、センサーへの光が無理に曲がることが無い。これにより、F1.2の浅い被写界深度と滑らかなボケ、そして高解像を同時に実現している。
DPReview
DPReview:What you need to know about Nikon's new 14-24mm F2.8 S and 50mm F1.2 S Z-mount lenses
NIKKOR Z 50mm f/1.2 S
- 標準レンズを探しているニコンZユーザーに朗報だ。新しいZ 50mm F1.2 Sは、手頃な価格で優れた「Z 50mm F1.8 S」とお財布に優しくない「Z 58mm F0.95 S」の間に位置するレンズだ。
- 明らかに、とてもサイズが大きいレンズだ。フード無しでほぼ6インチの全長、82mmのフィルターソケットを持ち、Z 50mm F1.8のほぼ2倍のサイズと重量だ。光学系は150%大きく、正確にフォーカスするためのデュアルSTMモーターを搭載している。
- 驚くべきことにキヤノン「RF50mm F1.2L USM」よりもさらに大きく重いレンズだ。
- AI-S 50mm F1.2Sは重さ400g以下、全長わずか5cmだった。Fマウントの狭い内径に対応するF1.2を作るために妥協を伴い、特に良いレンズでは無かった。この50mm F1.2のほうが遥かに優れている。
- 光学系は、3枚の非球面レンズと2枚のED(超低分散)レンズを含む15群17枚で構成されており、フレア、ゴースト、コマの発生を抑えるために、ニコンのナノクリスタルコーティングと最新のARNEOコーティングの両方を採用している。
一方、歪曲収差は良好に制御され、9枚の丸みを帯びた絞り羽根は、広範囲の絞り値で玉ボケを円型に保つのに役立つはずだ。 - Zマウントの寸法が非常に広いため、レンズの後面が非常に大きくなり、センサーに到達する光線をほぼ垂直に保つのに役立つ。
ニコンは、このレンズの光学構造を "対称的 "と説明しており、理論的には、フレーム全体で、すべての開口部で高解像度が可能であることを意味するはずだ。 - デュアルSTMフォーカスモーターを搭載した最新のニコンレンズとなった。従来の超音波モーターよりも静かで電力効率に優れているだけでなく、近距離でのフォーカス精度を高めている。
最短撮影距離は0.45mで、もちろん大きなフォーカスリングを使ったマニュアルフォーカスも可能だ。バイワイヤだが正確な調整が可能である。 - ニコンは「最小限の」フォーカスブリージング(レンズのピントを合わせると倍率が変わる)を約束しているので、動画撮影者にとっては朗報だ。
このレンズが大きいという事実は避けられないし、Z6/7はそれに比べてかなり小さく感じてしまう。しかし、オプションのグリップと組み合わせれば、これらカメラとの相性は抜群で、もちろん、将来的にはもう少し重量感のあるハイエンドのZシリーズカメラとの相性も良いのではないかと推測している。
操作面は、最近登場した他のハイエンドSシリーズとかなり似ている。コントロールリングは、露出補正や絞りを直接コントロールできるようにカスタマイズすることが可能だ(他のものもあるが、この2つが最も便利だ)。また、鏡筒上の有機ELのステータスパネルには、フォーカスと絞り+過焦点距離の情報が表示される。
NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
- 「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」は非常に人気のあるレンズで、何年もの間、最高の広角ズームとして君臨してきた。これはそのミラーレス版だ。
- AF-S 14-24mm F2.8は、その巨大な前玉のおかげで、大きくて扱いにくいことで有名なレンズである。
Z 24-24mm F2.8は、より携帯性の高い選択肢となり、かなり軽くなっている(970g/2.1ポンドに対して650g/1.4ポンド)。これは35%の軽量化である。 - 決して小さいレンズではないが、約5インチの長さで、それは市場で最も小さく、また最も軽い14-24mm F2.8である。
- 光学的にも、このレンズはFマウント用レンズとは全く異なる。フラットな前玉を見れば一目瞭然で、AF-S 14-24mmの大きくて膨らんだ前玉とは対照的だ。
- 付属のHB-96フードを取り付ける必要があるものの、112mmの円型フィルターを取り付け可能だ。(もちろん、このサイズのフィルターは安いものではない)
大きく、コストのかかる112mmフィルターを使わない場合、40.5mmのリアフィルターを装着可能だ。 - 非球面3枚とED4枚を含む11群16枚で構成されている。50mm F1.2と同様に、ナノクリスタルとARNEOコーティングを採用している。
ニコンは、「優れた点光源再現性」と「コマやフレアの抑制」を約束しており、広角の天体写真撮影に最適なレンズとなるはずだ。 - 前玉にはフッ素コーティングが施されており、万が一ガラスに水分や指紋が付着した場合はメンテナンスしやすい。そしてレンズは防塵防滴仕様だ。
ニコンZ 14-24mm F2.8 Sは11月に2399ドルで発売される - 古いAF-S 14-24mmよりもかなり高価だが、うまくいけばその画質で正当化されるものである。
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