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キヤノン「20-60mm F2.8」「28-70mm F2.8」光学系の特許出願

2024年5月31日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開されています。「20-60mm F2.8」「28-70mm F2.8」などの実施例を含む光学系の特許となっています。

概要

  • 【公開番号】P2024074321
  • 【公開日】2024-05-31
  • 【発明の名称】ズームレンズ、およびそれを有する光学機器、撮像システム
  • 【出願日】2022-11-21
  • 【出願人】
    【識別番号】000001007
    【氏名又は名称】キヤノン株式会社
  • 【課題】ショートバックフォーカスに対応し、安価な構成で、全ズーム域および全被写体距離で高い光学性能を有するズームレンズを提供する。
  • 【背景技術】
    【0002】
    近年、安価かつ全ズーム域および全被写体距離にわたり高い光学性能を有する大口径のズームレンズは市場として魅力がある。
  • 【0003】
    高性能化の技術の一つとして、フォーカシングに際して複数のフォーカスレンズ群を同時に移動させる、所謂フローティングフォーカス方式が知られている。
  • 【0004】
    また、カメラにおいてはクイックリターンミラーがない、所謂ミラーレスカメラが増えている。このミラーレスカメラはクイックリターンミラーのスペースが不要となるため、従来の交換レンズほどバックフォーカスを確保する必要がない。そのため、レンズの構成も従来の交換レンズとは異なり設計の自由度が増えるため、小型かつ軽量のレンズを設計することが可能となる。特に広角レンズは、バックフォーカスが短くなり易いため、ミラーレスカメラ用の交換レンズとしては小型化が可能となる。
  • 【0005】
    また、近年では画像処理技術の進歩により、一部の収差を電気的に補正することが可能となっている。特に色収差や歪曲収差といった諸収差を電気的に補正し、その他の収差補正に適した構成とすることで小型化や高画質化、コストダウンを行うことが可能となる。
  • 【0009】
    しかしながら、特許文献1に開示されたズームレンズは、ズーム範囲が短く、望遠端でのFナンバーが暗いという課題があった。
  • 【0010】
    本発明は、ショートバックフォーカスに対応し、安価な構成で、全ズーム域および全被写体距離で高い光学性能を有するズームレンズを提供する。

実施例1

  • 焦点距離:24.70-68.70
  • F値:2.89
  • 半画角:36.73-17.48
  • 像高:171.15-157.34
  • 全長:171.15-157.34
  • バックフォーカス:22.75-28.19

実施例2

  • 焦点距離:28.70-68.70
  • F値:2.89
  • 半画角:32.71-17.48
  • 全長:158.44-153.21
  • バックフォーカス:22.44-26.15

実施例3

  • 焦点距離:28.70-68.70
  • F値:4.12
  • 半画角:32.71-17.48
  • 全長:156.82-149.07
  • バックフォーカス:23.82-35.09

実施例4

  • 焦点距離:21.63-61.25
  • F値:2.89
  • 半画角:39.77-19.45
  • 全長:171.39-154.91
  • バックフォーカス:22.99-30.88

沈胴構造も可能のように見える構成の、標準大口径ズームに関する特許出願。24-70mmや28-70mmの廉価版を想定しているのか、「20-60mm F2.8」という最近流行りの新しいズーム域に対応する大口径ズームを考えているのかもしれません。

20mm始まりのフルサイズ用ズームレンズはソニーやパナソニック、タムロンが既にリリースしていますが、F2.8の大口径を実現しているのはタムロンのショートズームな「20-40mm F/2.8 Di III VXD」のみ。これで60mmまで使えるようになると便利そうです。

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