「28-70mm F2 DG」「23mm F1.4 DC」のようなシグマの特許出願

2022年3月2日付けでシグマの気になる特許出願が公開。「28-70mm F2 DG」「14-28mm F4 DG」「23mm F1.4 DC」となりそうな実施例をいくつか含んでいます。

概要

【公開日】2022-03-02

【出願日】2020-08-17

【出願人】
【識別番号】000131326
【氏名又は名称】株式会社シグマ

【課題】諸収差を補正しつつ小型化、軽量化やフォーカス駆動の高速化を達成した光学系を提供する。

【0002】
近年デジタルカメラ等の高画素化に伴い、用いられる光学系に対して諸収差を厳しく補正することが求められるようになってきている。

【0003】
また、高速かつ正確なフォーカス駆動やオートフォーカス時コントラスト検知のためのウォブリング駆動のために、フォーカス駆動時移動する箇所の軽量化が望まれている。

【0004】
そこで、従来提案されてきた光学系においては、物体側からフォーカス群までの群の屈折力を正とすることでマージナル光線の光束を収束させ、またフォーカス群の構成も単純なものとすることで、フォーカス群を軽量化したものが提案されていた。

実施例1

焦点距離：33.72

F値：1.46

画角：67.78

像高：21.63

全長：123.95

実施例2

焦点距離：28.42

F値：1.46

画角：79.83

像高：21.63

全長：123.15

実施例5

焦点距離：20.00

F値：1.46

画角：74.82

像高：14.20

全長：94.00

実施例6

焦点距離：23.00

F値：1.46

画角：65.76

像高：14.20

全長：94.00

バックフォーカス：

実施例7

焦点距離：28.90-67.75

F値：2.07

画角：76.73-33.8

像高：21.63

全長：147.85-161.89

実施例8

焦点距離：14.42-29.10

F値：4.00

画角：117.62-71.79

像高：21.63

全長：96.04-74.39

これらの実施例が実用化されるかどうか今のところ不明。量産化される前に特許出願が公開される可能性は低いので、ひょっとしたらボツになった案かもしれません。それでも、現在のラインアップには無いパラメータのレンズが多く、今後はこのようなレンズが登場するのかもしれませんね。

特に「28-70mm F2」は今のところキヤノン「RF28-70mm F2L USM」しか選択肢が存在しない超大口径ズームレンズです。もしもシグマがソニーEマウントやライカLマウント用に投入したら注目の的となることでしょう。もちろんfpとの組み合わせはアンバランス必至。
さらに、フルサイズ用としては「14-28mm F4（14-30mm F4の可能性も？）」となりそうな光学系の実施例もあります。「14-24mm F2.8 DG DN」よりも手ごろな価格で入手できる超広角ズームは欲しいところですねえ。

APS-C用としては「20mm F1.4」「23mm F1.4」を検討している模様。現在のDC DNシリーズに欠けている換算30-35mm相当の大口径レンズですね。需要が高い焦点距離だと思うので、そのうち投入するのではないでしょうか？もちろん、20mmと23mmの両方を実用化するとは思えないので、オーソドックスな23mmの可能性が高そう。個人的には20mmのほうが好みですけども。

実施例1はレンズ構成やパラメータを見る限り「35mm F1.4 DG DN」を想定した光学系。他にもいくつかの実施例で35mm F1.4について検討していた模様。実施例2の「28mm F1.4」は現行の「28mm F1.4 DG HSM」とは異なる光学系で、おそらくミラーレス向けの28mm F1.4光学系（特許の趣旨からしてもミラーレス用）。レンズサイズは35mm F1.4 DG DNとほぼ同じ。

追記

「14-28mm F4」の実施例をよく見てみると、ニコン「NIKKOR Z 14-30mm f/4 S」とよく似たレンズ構成に見えますね。参考までにレンズ構成図を以下に掲載しておきます。（ニコンの構成図はレンズが沈胴状態である点に注意）