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シグマの4/3型センサー向け「40mm F1.4」光学系の新しい特許出願

2023年3月9日付けでシグマの気になる特許出願が公開。4/3センサー向けの「40mm F1.4」となりそうな光学系に関する特許のようです。

概要

  • 【公開番号】P2023032221
  • 【公開日】2023-03-09
  • 【発明の名称】インナーフォーカス光学系
  • 【出願日】2021-08-26
  • 【出願人】
    【識別番号】000131326
    【氏名又は名称】株式会社シグマ
  • 【課題】フォーカスレンズ群が軽量で、またフォーカスレンズ群を光軸に沿う方向へ微少振動(ウオブリング)させた際の像高変化率が小さく、F値が1.4と明るく、35mm判換算焦点距離で80mm近辺、中望遠程度の画角を有するインナーフォーカス光学系を提供する。
  • 【0001】
    本発明は、スチルカメラ、ビデオカメラ等の撮像装置に用いる撮影レンズに好適な光学系に関し、オートフォーカスカメラに適したインナーフォーカス方式を採用し、またフォーカスレンズ群を光軸に沿う方向への微少振動(ウオブリング)させた際の像高変化率が小さく、F値が1.4と明るく、35mm判換算焦点距離で80mm近辺、中望遠程度の画角を有するインナーフォーカス光学系に関するものである。
  • 【0002】
    中望遠程度の画角の撮影レンズは、標準画角の撮影レンズに対し焦点距離が長いため光学全長が大きくなる傾向がある。また、超望遠レンズに対しては画角が広いため、画角に関する収差補正を行おうとすると望遠比が大きくなる傾向にある。また、中望遠程度の画角の撮影レンズは、ボケを用いた撮影表現ができることを期待するユーザーが多く、大口径の撮影レンズが望まれている。しかし、大口径化を行うと入射瞳が大きくなるため球面収差等を補正することが難しくなる。これらより良好な性能を実現しつつ小型化することが課題となる。
  • 【0003】
    また近年台頭しているミラーレス一眼タイプのカメラは動画撮影にも頻繁に使用されるため、そのオートフォーカス方式に、フォーカスレンズ群を光軸に沿う方向へ微少振動(ウオブリング)させ続けることで、常にフォーカス駆動方向を判断し続ける形式のインナーフォーカス方式が採用されることが多い。その際、ウオブリング時の像高変化率が大きいと、鑑賞者が画面に映る被写体の倍率変動を認識し、目障りに感じてしまうため、フォーカス変化に対し像高変化率が小さいフォーカス方式を必要としている。
  • 【0013】
    そこで本発明は、以下に示す手段により、フォーカスレンズ群が軽量で、またフォーカスレンズ群を光軸に沿う方向へ微少振動(ウオブリング)させた際の像高変化率が小さく、F値が1.4と明るく、35mm判換算焦点距離で80mm近辺、中望遠程度の画角を有するインナーフォーカス光学系を提供する。

実施例1

  • 焦点距離:43.13
  • F値:1.48
  • 画角:29.27
  • 像高:11.15
  • 全長:71.82

像高は4/3センサー用としては少し大きめにも見えますが、画角などを考慮すると4/3向け中望遠レンズを想定した光学系のようです。小型ながらF1.4の大口径で、ミラーレス向けに最適化されている模様。ミラーレスながら、歪曲収差を光学的によく抑えています(シグマのミラーレス用レンズはカメラ側の補正を利用する場合が多い)。

これがシグマ製レンズとしては登場するのか、他社のOEMとなるのか今のところ不明。同日のシグマ特許出願では、OMデジタルの「20mm F1.4」と思われる光学系の特許があるので、ひょっとしたらOMデジタルブランドとして製品化を検討していた一案なのかもしれません。

とは言え、最後尾のレンズとイメージセンサーとの間隔が非常に短く、レンズ交換式カメラ用としては現実的ではなさそうに見えます。このまま製品化するのは難しそうです。

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