Phototrendがシグマ「35mm F2 DG DN」のレビューを掲載。いくつか欠点を指摘しつつ、補って余りあるのが、非常に良い画質と、非常に気持ちの良い描写力、そして適切な価格設定を評価しています。
外観・構造:
- レンズ構成は9群10枚だ。そのうち3枚が非球面レンズ、1枚にSLDガラスを使用している。
- 小型軽量ながら驚異的なビルドクオリティだ。黒を基調とした本体とフードは総金属製の素晴らしいつくりである。
- レンズフードは逆さ付けも可能だがフォーカスリングが完全に隠れてしまう。
携帯性:
- 重量はわずか325g、全長は70mmだ。
- フィルターサイズは58mmである。
- α7Cのようなコンパクトボディと相性が良い。
- レンズフードを装着すると全長が32mm伸びる。
- α7 IVとの組み合わせでバランスは良好だ。
操作性:
- フォーカスリングはとても良好なグリップだ。
- フォーカスリングはノンリニアで、リングの回転速度に依存する。
(訳注:Lマウントならばボディ側で対応していたはず)- 絞りリングは白字でとても読みやすい。
- 絞りリングは1/3段刻みのクリック付きだ。動画向けにデクリック状態へ移行することはできない。
- AF/MFスイッチを搭載している。サイズが大きいので手袋を装着したままでも操作可能だ。
フォーカス:
- 最短撮影距離は27cmだ。
- フォーカス駆動にはステッピングモーターを使用している。
- 最短撮影距離から無限遠まで1秒弱である。大部分の撮影で問題ないはずだ。
- フォーカスブリージングが目立つのでビデオグラファーは注意が必要である。
手ぶれ補正:
- 光学手振れ補正は非搭載だ。
解像性能:
- 非常に満足のいく優れたディテール再現性だ。
- 絞り開放から中央は良好なシャープネスである。
- 中央はF4~F8の間でピークに達する。
- 周辺部もF2.8以降は非常に満足のいく結果が得られる。
- フレームの端でもF5.6まで絞れば良好だ。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 魅力的な描写である。
- F1.4やF1.2ほどではなく、口径食が発生している点には注意が必要だ。
- F3.5まで絞ると口径食の影響はなくなる。
- シグマらしく少し寒色傾向が見られる。
色収差:
- 良好に補正されている。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 僅かな樽型歪曲だが修正は容易だ。
周辺減光:
- 絞り開放で非常に目立つ。
- F4付近で緩和するが、解消することはない。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 逆光耐性は良好だが、非常に強い光源がフレーム隅にあるとゴーストが発生する。
- 絞ると美しい光条が発生する。
FE 35mm F1.8
- 絞りリングが無いものの、AFLボタンを搭載している。
- 光学性能はシグマと同程度のパフォーマンスだ。
- 価格は689ユーロである。
- AFはソニーのほうが良好だ。
AF 35mm F1.8 FE
- 210gと超軽量だ。
- 絞り開放から非常にシャープだ。
- 心地よいボケである。
- 特に逆光時の色収差が弱点となる。
- AFはシグマと同等だ。
- 399ユーロと非常に安い。
総評
明るく、小型軽量で、非常にシャープで、心地よいボケを実現している。我々を魅了したレンズだ。
もちろん、このレンズにも欠点が全くないわけではない。オートフォーカスはもう少し速いと良かったし、樽型歪曲は我々の好みからすると少し顕著だ。同様に、動画撮影をする人は、絞りのリングのデクリック非対応を残念に思うだろう。
しかし、これらの点を補って余りあるのが、非常に良い画質と、非常に気持ちの良い描写力、そして適切な価格設定である。
一言で言えば、このシグマの単焦点は本当に成功したレンズであり、我々は迷うことなくこのレンズをおすすめする。
- 長所:
・絞り開放からとても良好なシャープネス
・非の打ち所がないビルドクオリティ
・とても心地よい発色
・AF/MFスイッチ
・絞りリング
・小型軽量
・F2- 短所:
・AFが完璧とは言えない
・逆光耐性
・デクリック非対応の絞りリング
・フォーカスブリージング
・周辺減光と歪曲収差
とのこと。
シグマ「Iシリーズ」に属するContemporaryラインの単焦点レンズですね。総金属製の立派なつくりで、開放F2を実現しながら適度なレンズサイズに抑えられています。Phototrendの評価では光学性能がとても良好で、いくつかの欠点も長所を考慮すると許容範囲内に収まっているようです。価格は少し高めですが、純正以上のビルドクオリティや光学性能を考慮すると面白い選択肢と言えるかもしれません。
私も65mm F2と共に2020年末に手に入れました。ビルドクオリティは確かにとても良好で、レンズ補正を前提と考えると光学性能も非常に良好。あえて言えば撮影距離で表情が変わるので、接写時にシャープな描写が必要であれば少し絞ったほうが良いと感じるかもしれません。風景撮影のようなピント距離では絞り開放から満足のいく結果が得られるはず。欠点はPhototrendが指摘している部分とほぼ同じです。
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