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シグマ「35mm F2 DG DN」はトップクラスのシャープネスとクラス最高のボケ描写

Sony Alpha Blogがシグマ「35mm F2 DG DN」のレビューを掲載。トップクラスのシャープネスと、クラス最高のボケ描写を兼ね備えたレンズとのこと。ソニー純正と同価格ですが面白い選択肢となった模様。

とてもバランスの取れた35mm F2

Sony Alpha Blog:Sigma 35mm F2 DG DN Contemporary

  • レンズの紹介
    ・ハイクオリティなコンパクトレンズシリーズ「i」の一部となるレンズだ。このシリーズは既に4本のレンズが含まれている。
    ・重量:397g
    ・価格:619ユーロ
    ・絞り:F2-F22
    ・全長:65.4mm
    ・フィルター径:58mm
    ・絞り:9枚
    ・AF/MFスイッチ
    ・防塵防滴
    ・最短撮影距離:27cm
    ・マグネット式キャップ・標準キャップが付属
    ・レンズフード付属
  • ビルドクオリティ
    ・第一印象はこのレンズの質感が高いことだ。全体的にしっかりとした作りであり、全てが金属パーツで構成されている。
    ・特にこのようなクオリティのレンズフードは見たことが無い。シグマArtシリーズやソニーGMシリーズを超えるものだ。フォクトレンダーやツアイスを彷彿とさせるものがある。
    ・一般的なレンズキャップに加え、マグネット式のレンズキャップが付属している。金属製で美しい仕上がりだ。とてもしっかりと装着される。
    ・別売りレンズキャップホルダーもリリースしている。
    ・マグネット式レンズキャップは便利だが、レンズフード装着時は指を入れる隙間が無く、脱着が難しい。
  • 携帯性
    ・記載なし。
  • 操作性
    ・クリック操作の絞りリングを搭載している。Aポジションでカメラ制御が可能だ。残念ながら85mm F1.4 DG DNのようなデクリック機能は無い。
    ・フォーカスリングは狭いが十分なグリップを得られる。必要に応じて正確なマニュアルフォーカスが可能だ。
  • オートフォーカス
    ・静止画と動画のどちらでも非常に高速で正確な動作だ。
    ・瞳AFや追従は完璧に機能する。
    ・動画撮影ではブリージングが目立つ。
  • マニュアルフォーカス
    ・記載なし。
  • 手ぶれ補正
    ・記載なし。
  • 解像性能
    ・α7R IVでテストした。
    ・絞り開放から非常に良好だが、α7R IVで抜群のシャープネスと最高のコントラストを得るにはF4まで絞る必要がある。
    ・四隅は中央より1グレード低いものの、非常に良好だ。
    ・低解像度のカメラでは絞り開放から優れた結果を得られるだろう。
    ・パフォーマンスは全体的に優れている。ソニーやサムヤンと同程度だ。
    ・実写では肌に負担をかけずに信じられない程のディテールを得られる。
  • 像面湾曲
    ・記載なし。
  • ボケ・色
    ・玉ボケは非常に良好だ。F2とF2.8で円形を維持しているが、縁取りには色づきがある場合もある。
    ・後ボケは優れている。騒がしい背景でも非常に柔らかい描写だ。
    ・発色はとても良好で自然である。
  • 色収差
    ・程度は小さいが存在する。
  • 球面収差
    ・記載なし。
  • 歪曲収差
    ・とても大きな樽型歪曲だ。
  • 周辺減光
    ・F2で非常に目立つが、F2.8で解消する。
  • コマ収差
    ・記載なし。
  • 逆光耐性
    ・良好だが、それ以上でもない。
    ・F16でしっかりとした光条となる。
  • 動画
    ・シャープネス、ボケ、色、肌調、優れたAFの組み合わせて良好な結果を得られる。
    ・クリックレスの絞りリングでは無いのが残念だ。
    ・ブリージングが目に付く。
  • 競合レンズとの比較
    ・ソニーと同じくらい高価なレンズだ。
    ・最も重いが、最高のビルドクオリティである。
    ・絞りリングが付いている35mm F1.8-2はこのレンズだけだ。
    ・サムヤンはフォーカスリングをクリックレスの絞りリングとして使える点で重宝している。
    ・AFは全てのレンズで非常に良好だ。
    ・7本の35mmAFレンズの中では第3位のシャープネスだ。最高は依然としては35mm F1.2 DG DNであり、2番目はサムヤンAF35mm、そして僅差で35mm F2DG DNと続く。ソニーFE35mm F1.8はシグマに次いで4番手だ。
    ・後ボケは3本中で最高の描写だ。さらに玉ボケと肌の描写も一番良好である。サムヤンAF35mm F1.8やANTHY 35mm F1.8、YN35mm F2が僅差で追いかけている。FE35mm F1.8の後ボケは時々騒がしくなる。
    ・発色はシグマ35mm F2とANTHY 35mm F1.8が最高だ。
    ・歪曲収差の補正はソニーが最も良好である。次いでサムヤン・シグマと続く。YN35mmは最も歪曲が目立つ。
    ・色収差補正はソニーが最も良好だ。次いでサムヤン・シグマと続く。YN35mmはもう少し目立つ。
    シグマとサムヤンはソニー純正よりも優れた選択肢だ。肌調やボケが遥かに優れている。サムヤンはシグマよりも少しシャープだが、ボケや色はシグマがより良好でバランスが取れている。シグマは少し高価だが、ビルドクオリティが遥かに優れている。
  • 作例集

総評

非常にバランスの取れた優れたレンズである。35mm F1.8・35mm F2レンズの中で最もシャープなレンズの一つであり、後ボケは最も柔らかく、玉ボケも最高だ。最高に自然な色やビルドクオリティを備え、AFも優れている。それでいてレンズはコンパクトだ。必要に応じて簡単に周辺減光や歪曲収差を補正は許容範囲内だ。

ソニーはシグマと同程度の価格だが、後ボケが騒がしい。サムヤンはシグマと同様にポートレートで非常に良好だが、発色はシグマほどではない。

強くおススメできるレンズだ。

長所:6100万画素でも絞り開放から非常に良好なシャープネス・中央から隅まで一貫したシャープネス・滑らかな後ボケ・F2.8の時点で非常に良好なコントラスト・とても良好な玉ボケ・ポートレートで優れた描写・動画で非常に良好な描写・優れたAF・コンパクト・優れたビルドクオリティ・防塵防滴・クリック付き絞りリング・低色収差・光条

平凡:同クラスの中では重い・目に見える歪曲・F2の周辺減光・玉ボケの色づき・フォーカスブリージング・デクリック機構なし・マグネット式レンズキャップの汎用性・逆光耐性・価格

短所:なし

とのこと。
Dsutin Abbott氏のレビューと同じく、シャープネスはソニー純正より優れ、ボケ描写も良好のようですね。「65mm F2 DG DN」ほど開放から解像性能が優れているわけでは無さそうですが、このクラスとしては優れたボケ描写のレンズに仕上がっているようです。

ただし、作例を見る限りでは色収差の補正がソニーほど良好ではないため、状況によってはボケの色づきが問題となるかもしれません。特に口径食が目立つ四隅の小ボケ領域は気を付けたほうが良さそう。

ソニー純正と比べて、価格設定でアドバンテージはありませんが描写性能やビルドクオリティの点で検討する価値がありそう。AFはソニーほど爆速では無いように見えますが、高速性が必要なければ十分なフォーカス速度ですね。

シグマ「35mm F2 DG DN | Contemporary」交換レンズデータベース

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