Sony Alpha Blogがコシナ「APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical」のレビューを公開。ソニーGMに匹敵する高解像で良好な発色・コントラストを備えたMFレンズと高く評価しています。
Sony Alpha Blog:Voigtländer 35mm F2 Apo Lanthar
レンズの紹介:
- 重量:378g(レンズフードなしで356g)
- 価格:1100ユーロ
- 全長:66-73mm
- フィルター径:49mm
- 絞り羽根:12枚
- 最短撮影距離:35cm
- クリックレス機能
- MF
- 電子接点あり
- ねじ込み式円形レンズフード
ビルドクオリティ:
- ビルドクオリティは一級品だ。総金属製でフォーカスリングと絞りリングは非常に良好で、表示は刻印されている。
- 唯一の欠点は防塵防滴ではないことだ。
- 電子接点を持つため、ボディ側にレンズの情報を記録できる。
- ねじ込み式のレンズフードに対応している。レンズキャップは本体用とレンズフード用がある。
携帯性:
- 記載なし。
操作性:
- 非常に大きなフォーカスリングは掴みやすく、十分な抵抗感があり、使って楽しいものとなっている。
- 絞りリングはクリック感を低減することが可能だ。
オートフォーカス:
- 記載なし。
マニュアルフォーカス:
- ボディ側のフォーカスピーキングで簡単に正確なフォーカスが可能だ。
手ぶれ補正:
- ボディ側の5軸手ぶれ補正を利用可能だ。電子接点を持つため、互換性は完璧である。
解像性能:
- 6100万画素のα7R IVでテストした。
- F2.8でフレーム全域で優れたコントラストとなり、絞り開放でも優れたシャープネスを実現している。
- 優れた結果だが、APO 50mm F2は絞り開放からより良好だ。
- ポートレートでも非常にシャープで、優れたスキントーンとなる。コントラストは強すぎず、ボケへの移行が柔らかい。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- F2.8とF5.6で円形となるが、F4では星型の玉ボケとなる。また、輪線ボケの兆候も見られる。
- 後ボケは柔らかくとても素敵な描写だ。
- 発色とコントラストは優れている。
色収差:
- ゼロに近い。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 歪曲収差はとても小さい。
周辺減光:
- F2で目立つが、F2.8で解消する。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 35mmとして非常に良好だが、ハロが出る。
競合レンズとの比較:
- シグマ「35mm F2 DG DN」やサムヤン「AF 35mm F1.8 FE」と同程度のサイズだが、より軽量だ。
- シグマやサムヤンと異なりMF限定で、最も高価なレンズである。
- 解像性能はソニー「FE 35mm F1.4 GM」やシグマ「35mm F1.2 DG DN」と共にトップクラスだ。このクラスの画質を持つレンズとしては最もコンパクトである。
- ボケはF1.4のソニーGMが有利だが、私はサムヤンの玉ボケが好みで、後ボケならコシナを好む。
- 発色はソニーGMとコシナが最高だ。
- ポートレートではコシナとソニーが優れている。
- 歪曲収差と色収差、逆光耐性はコシナとソニーGMが最高だ。
- 周辺減光はソニーGMが最高だ。
- 35mm F2としてはサムヤンやシグマよりもワンランク上のレンズだ。ソニー35mm F1.8と比べると2ランク上のレンズである。
- 性能としてはソニーGMにとても近い。が、異なるアプローチのレンズである。(MF・F2)
総評
APO LANTHARシリーズに追加された珠玉のレンズだ。抜群のシャープネスとコントラストと、優れたビルドクオリティとメカニズムを兼ね備えている。じっくりと撮影に臨み、レンズの有機的な触感を持ちながら、ミニマムなレンズサイズで可能な限り高画質を求めるフォトグラファー向けのレンズだ。普遍的なレンズではないが、MFレンズが好きならば後悔することは無いだろう。
ただ、他のAPO LANTHARと比べるとパンチが弱い。主な理由は絞り開放の描写が抜群と言えず、「35mm F2」ではボケの量が十分と言えない。私は50mm F1.2 GMとAPO 50mm F2を二つとも所有しているが、35mm F1.4 GMとAPO 35mm F2を同時に所有することを正当化できるか分からない。完璧に近い強くおススメできるレンズだ。
- 長所:
・全体的に優れた画質でF2.8以降は抜群
・優れた発色とコントラスト
・性能を考慮すると手ごろな価格
・優れたビルドクオリティとエルゴノミクス
・使いやすいフォーカスリング
・電子接点
・Lightroomでプロファイル対応
・小型軽量
・低歪曲
・ゼロ色収差
・ソフトな後ボケ
・F2・F2.8・F5.6で丸い玉ボケ
・像面湾曲が小さい- 平凡:
・F2
・絞り開放の周辺減光
・逆光耐性
・光条は他のフォクトレンダーほど良くない
・輪線ボケの兆候- 短所:
・無し
とのこと。
APO 50mm F2ほど絞り開放から優れているわけでは無いものの、他の35mm F2と比べるとワンランク上の光学性能を備えているみたいですね。MF限定レンズですが、電子接点付きでMFアシストを利用しやすいのはGood。Flickrのオリジナルデータを確認すると、確かにシャープで高コントラストな描写です。APO 50mm F2ほどパンチが無いと指摘していますが、個人的には十分良好に見えます。後ボケは滑らかで綺麗ですが、コントラストが高いので、撮影距離と背景の複雑さによっては少し騒がしくなりそうに見えます。それでもピント面にパンチがあるので問題ないかもしれません。
コシナ「APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical」交換レンズデータベース
関連レンズ
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- NOKTON 35mm F1.2 Aspherical SE
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