NIKKOR Z MC 50mm f/2.8は均質性で見劣りするがピークは105mm F2.8並み

Lesnumeriquesがニコン「NIKKOR Z MC 50mm f/2.8」のレビューを公開。解像性能の均質性はZ MC 105mm F2.8 VR Sに劣るものの、ピークの解像性能はほぼ互角と評価しています。

Lesnumeriques：Test Nikon Nikkor Z MC 50mm f/2.8 : un objectif macro efficace et facile à utiliser

外観・構造：

2021年の夏に登場した標準マクロレンズだ。同時に登場した105mm F2.8 Sよりもコンパクトで手ごろな価格となっている。

マットブラックの外装はニコンZシリーズらしいデザインである。

遠くから見るとZ 50mm F1.8 Sとよく似ている。

レンズは防塵防滴仕様だ。

携帯性：

全長66mm、直径75mm、重量260gと一般的なサイズのレンズだ。

マクロ撮影時は内筒が大きく（3cm）伸びる。

操作性：

レンズ側面にはAF/MFスイッチとフォーカスリミッターを搭載している。

フォーカスリングはマクロ撮影時に十分な精度で操作できる。

フォーカス：

等倍のマクロ撮影が可能である。

最高のレンズほどではないが、被写体に簡単にピントを合わせることが出来る。

フォーカス時はノイズが少し発生する。

手ぶれ補正：

光学手ぶれ補正は非搭載だが、ボディ側の補正を利用することが出来る。

解像性能：

非常に良好なシャープネスで、ピーク（F5.6）の性能はZ 105mm F2.8 Sとほぼ同じだ。

Z 105mm F2.8と顕著に異なる点は絞り開放の画質である。それほど悪くないが、明らかに劣っている。さらに、F2.8からF8まで中央と隅の均質性が大幅に低下している。

マクロレンズとして均質性が低いのは少し残念だ。

像面湾曲：

記載なし。

ボケ：

F2.8の開放F値を活かすことで被写体を背景から分離しやすい。

悪くないパフォーマンスだが玉ボケが丸くならない。

色収差：

色収差はほとんど発生しない。

球面収差：

記載なし。

歪曲収差：

歪曲収差はほとんど発生しない。

周辺減光：

非常に目立つ。

問題はF5.6を過ぎると再び周辺減光が目立つようになる。

コマ収差：

記載なし。

逆光耐性：

記載なし。

総評

あまりお金をかけず、カメラバッグを重くしたくないというニコンユーザーには、この「NIKKOR Z MC 50mm F2.8」がおすすめだ。軽量で仕上げが良く、正確なオートフォーカスを備えており、ニコンのベストレンズに匹敵する高い最大シャープネスを実現している。絞り開放でのシャープネスがもう少し高ければ、あるいは手ぶれ補正があれば良かった。
とはいえ、このレンズは非常に効果的で、アマチュアのマクロ撮影にふさわしいものだ。

長所：
・小型
・防塵防滴
・等倍マクロ
・AF/MFスイッチ
・F4以降で非常に良好な解像性能

短所：
・手ぶれ補正なし
・ボケが完璧ではない
・周辺減光
・絞り開放での解像性能が均質ではない

とのこと。
Z MC 105mm F2.8 VR Sと比べて均質性が著しく劣るものの、中央におけるピークのシャープネスは105mm並である模様。スウィートスポットが狭いので解像性能を求めた場合にコストパフォーマンスの良い選択肢とは言えませんが、小型軽量で手軽にマクロ撮影を楽しむには面白い選択肢となりそうです。

ただし、周辺減光については評価が非常に悪いので、他のレビューサイトのテスト結果も要確認。例えばLenstipは確かに光量落ちが目立つと指摘しつつ、フルサイズ用の光学設計としては良好と評価しています。ePHOTOzineでも同程度の光量落ちを確認しています。Flickrにユーザー投稿の写真が200点以上公開されているので、実写でどのような結果となるのか確認してみるのがおススメです。

Flickrのユーザー投稿を見る限り、周辺減光はともかくボケの口径食はかなり強いようです。特にボケが小さい場合に周辺部が少し騒がしく見えるかもしれません。とは言え、Lesnumeriquesのレビュー通り、中央は非常にシャープな結果が得られるように見えます。

ニコン「NIKKOR Z MC 50mm f/2.8」交換レンズデータベース