2021年5月6日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開されています。球面収差コントロール機能を有するレンズアダプターに関する特許のようですね。「EF-EOS R SA」登場なるか?
- 【公開番号】特開2021-71652(P2021-71652A)
- 【公開日】2021年5月6日
- 【発明の名称】コンバーターレンズ、交換レンズ、及び撮像装置
- 【出願日】2019年10月31日
- 【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社- 【課題】主として球面収差を可変にできるコンバーターレンズを実現する。
- 【0007】
本発明のコンバーターレンズは、マスターレンズの像面側に配置されるコンバーターレンズであって、光軸方向に移動可能なレンズ群を有し、前記レンズ群が光軸方向に移動することで収差量が変化し、前記レンズ群の横倍率をβp、前記レンズ群よりも像側に配置されたすべてのレンズの合成横倍率をβrとしたとき、- 【0017】
以上のように、各実施例のコンバーターレンズCLは、光軸方向に移動可能なレンズ群(レンズ群M1)を少なくとも1つ有し、このレンズ群を光軸方向に移動させることで収差量を変化させることができる。これにより、マスターレンズMLのぼけ味をユーザーの好みに合わせて変化させることができる。
ML 焦点距離 294.02 F値 2.91 半画角 4.21 像高 21.64 全長 276.40 BF 65.34
球面収差はボケ味に大きく影響する収差であり、この収差を敢えて残すことで後ボケを綺麗にしたり、玉ボケをいわゆる「バブルボケ」にすることが出来ます。実際にオリンパス「F1.2 PRO」シリーズやシグマ「45mm F2.8 DG DN」などは球面収差で柔らかいボケ味を実現しています。そしてニコン「AI AF DC-Nikkor 105mm f/2D」は撮影者が球面収差を操作してボケ味を調整できる機能を搭載しています。
キヤノンも球面収差を調整(キヤノンは「SAコントロール」と呼んでいます)することが出来るマクロレンズ「RF100mm F2.8 L MACRO IS USM」を最近発表しました。SAコントロール機能を有するレンズアダプターが登場しても不思議ではありませんね。
ちなみに実施例で示されているマスターレンズ「300mm F2.8」は現行の「EF300mm F2.8L IS II USM」とは少し異なるレンズ構成に見えます。今さらEF300mm F2.8 IIの後継モデルを投入するとは思えませんが、II型が2011年に登場した比較的古い設計のレンズであるのは確か。幻のサンニッパとなるのか、それともRFレンズとして日の目を見るのか気になるところ。
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