2022年4月14日付けでニコンの気になる特許出願が公開。「200-400mm F5.7-7.7 PF」や「400mm F2.8」など既存製品ではない気になる実施例をいくつか含んでいますね。
概要
- 【公開番号】P2022060546
- 【公開日】2022-04-14
- 【発明の名称】光学系、光学機器、および光学系の製造方法
- 【出願日】2022-02-25
- 【出願人】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン- 【分割の表示】P 2019558857の分割
【原出願日】2017-12-15- 【課題】諸収差が良好に補正された光学系を提供する。
- 【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラやビデオカメラ等の撮像装置に用いられる撮像素子は、高画素化が進んでいる。このような撮像素子を用いた撮像装置に設けられる撮影レンズは、球面収差、コマ収差等の基準収差(単一波長の収差)に加え、白色光源において像の色にじみがないように色収差も良好に補正された、高い解像力を有するレンズであることが望まれている。特に、色収差の補正においては、1次の色消しに加え、2次スペクトルが良好に補正されていることが望ましい。色収差の補正の手段として、例えば、異常分散性を有する樹脂材料を用いる方法(例えば、特許文献1を参照)が知られている。このように、近年の撮像素子の高画素化に伴い、諸収差が良好に補正された撮影レンズが望まれている。実施例1
- 焦点距離:392.000
- F値:2.881
- 画角:6.245
- 像高:21.63
- 全長:396.319
- バックフォーカス:74.502
- 撮影倍率:-0.173
実施例2
- 焦点距離:199.985-400.487
- F値:5.770-7.777
- 画角:12.088-3.016
- 像高:21.60
- 全長:218.509-309.437
- バックフォーカス:63.575-63.797
実施例3
- 焦点距離:28.773
- F値:1.8796
- 画角:75.3311
- 像高:21.60
- 全長:131.9655
- バックフォーカス:36.457
- 撮影倍率:-0.2174
実施例4
- 焦点距離:72.1-292.1
- F値:4.707-6.494
- 半画角:23.341-5.684
- 像高:14.75
- 全長:168.674-220.732
- バックフォーカス:43.294-70.374
実施例5
- 焦点距離:16.65-34.44
- F値:4.12-4.18
- 画角:53.80-31.60
- 像高:21.60
- 全長:168.91-169.42
- バックフォーカス:39.00-65.00
実施例6
- 焦点距離:548.897246
- F値:4.028
- 半画角:4.529
- 像高:21.60
- 全長:421.51451
- バックフォーカス:41.79450
実施例7
- 焦点距離:388.032537
- F値:4.038
- 画角:6.416
- 像高:21.60
- 全長:283.53069
- バックフォーカス:53.66784
バックフォーカスが少し長めの望遠レンズを想定したと思われる光学系の実施例を複数含んでいますね。マルチフォーカスを多用するNIKKOR Zレンズ群と比べると、超音波モーターを使用した一眼レフ用レンズを想定したような設計に見えます。原出願が2017年となっていることからも、どちらかと言えば一眼レフ向けなのかなと。これらが実用化される可能性は非常に低いと思いますが、いくつか興味深い実施例を含んでいます。
実施例1はレンズ構成やパラメーターから「AF-S NIKKOR 400mm f/2.8E FL ED VR」っぽいので割愛。実施例2は「200-400mm F5.7-7.7」と奇妙な焦点距離・開放F値のズームレンズですね。小口径なうえに回折光学系を採用することで、非常に小型軽量な望遠ズームレンズを想定している模様。ただ、一眼レフ用としては開放F値が小さすぎ、ミラーレスとしてはバックフォーカスが長すぎるように見えます。しかし、これでミラーレス向けに沈胴構造を採用したら面白そうですねえ。
実施例3・4はレンズ構成やパラメーターから「AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G」「AF-P DX NIKKOR 70-300mm f/4.5-6.3G ED VR」っぽいので割愛。ただし、28mm F1.8は一眼レフ用としてはバックフォーカスが短いような…。実施例5は「AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR」っぽくも見えますが、少し異なっていますね。実施例6の「550mm F4」は少し奇妙な焦点距離であり、既存レンズにはない構成となっています。
ニコンZレンズ一覧
Z ズームレンズ
- NIKKOR Z 14-30mm f/4 S
- NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
- NIKKOR Z 17-28mm f/2.8
- NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3
- NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
- NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
- NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
- NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
- NIKKOR Z 28-75mm F2.8
- NIKKOR Z 28-400mm f/4-8 VR
- NIKKOR Z 70-180mm f/2.8
- NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
- NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S
- NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR
Z 単焦点レンズ
- NIKKOR Z 20mm f/1.8 S
- NIKKOR Z 24mm f/1.8 S
- NIKKOR Z 26mm f/2.8
- NIKKOR Z 28mm f/2.8
- NIKKOR Z 35mm f/1.4
- NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
- NIKKOR Z 40mm f/2
- NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
- NIKKOR Z 50mm f/1.4
- NIKKOR Z 50mm f/1.2 S
- NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
- NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct
- NIKKOR Z 85mm f/1.2 S
- NIKKOR Z 85mm f/1.8 S
- NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
- NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena
- NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S
- NIKKOR Z 400mm f4.5 VR S
- NIKKOR Z 600mm f/4 TC VR S
- NIKKOR Z 600mm f/6.3 VR S
- NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S
Z DXレンズ
- NIKKOR Z DX 12-28mm f/3.5-5.6 PZ VR
- NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
- NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
- NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
- NIKKOR Z DX 24mm f/1.7
特許関連記事
- キヤノン「24-130mm F4 IS」「24-80mm F2.8 IS」のような光学系の特許出願
- キヤノン ティルト効果をタッチ操作で簡単に調整する仕組みの特許出願
- 富士フイルム レンズ固定式GFX用と思われる「35mm F3.5」「40mm F3.5」「50mm F3.5」光学系の特許出願
- RF70-150mm F2 L のような特許内の光学系は実際に登場する可能性がある?
- キヤノン 50-250mm F4.5-5.6 を想定したようなAPS-C向け光学系の特許出願
- キヤノン 70-150mm F1.8 フルサイズミラーレス向け光学系の特許出願
- ニコン 35 / 50 / 85 mmのF1.4 / F1.8 光学系の特許出願
- キヤノン「400mm F4 TC DO」「600mm F4 TC DO」を想定したような光学系の特許出願
- キヤノン RF28-70mm F2.8 IS STM 用と思われる光学系の特許出願
- シグマ フルサイズミラーレス用「50-100mm F1.8」「45-90mm F1.8」光学系の特許出願