2021年8月10日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。「RF100-400mm F5.0-7.1」「RF100-300mm F5.6-8.2」「RF-S 55-250mm F4.5-7.1」となりそうな実施例を含んでいます。
概要
- 【公開番号】特開2021-117xxx
- 【公開日】2021年8月10日
- 【発明の名称】ズームレンズおよびそれを有する撮像装置、撮像システム
- 【出願日】2020年1月27日
- 【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社- 【課題】全ズーム範囲で高い光学性能を有し、小型で軽量なズームレンズおよびそれを有する撮像装置、撮像システムを提供すること。
- 【0001】
本発明は、ズームレンズに関し、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、放送用カメラ、銀塩フィルム用カメラ、監視用カメラ等に好適なものである。- 【0002】
近年、撮像装置は小型化され、撮像装置に用いられる撮像素子は高画素化されている。また、撮像装置に用いられる光学系は、高い光学性能を有し、小型かつ軽量であることが求められている。これらの要求を満足するために、物体側から像側へ順に配置された、正、負、正、正、負の屈折力の第1乃至第5レンズ群を備え、諸収差を低減させたズームレンズが提案されている(特許文献1)。
実施例1
- 広角 中間 望遠
- 焦点距離 103.00 200.00 388.50
- Fナンバー 5.00 6.26 7.10
- 半画角(度) 11.86 6.17 3.19
- 像高 21.64 21.64 21.64
- レンズ全長 215.58 255.38 293.58
- BF 38.40 58.61 78.01
実施例2
- 広角 中間 望遠
- 焦点距離 103.01 200.00 388.50
- Fナンバー 5.00 6.45 7.10
- 半画角(度) 11.86 6.17 3.19
- 像高 21.64 21.64 21.64
- レンズ全長 207.99 243.96 285.99
- BF 45.82 78.95 112.66
実施例1・2はフルサイズ対応の超望遠ズームですね。バックフォーカスが長いので一眼レフ用なのか沈胴構造のミラーレス用なのか不明。とは言え、一眼レフ用では暗すぎる開放F値であり、ミラーレス用を想定している可能性が高い。
ネット上で噂されている「RF100-400mm F5.6-7.1 IS USM」のような数値の実施例。比較的シンプルなレンズ構成と小さな開放F値で小型軽量を目指していることが分かります。フォーカスレンズは実施例1が後群の1枚のみ、実施例2がリアフォーカス式。
どちらも似たような構成ですが、実施例1は望遠側の像面湾曲がかなり大きく、実施例2では少し抑えられているように見えます。200mmでもF6.3と暗めなのが気になりますが、比較的手ごろな価格の超望遠ズームとなりそうですね。
実施例3
- 広角 中間 望遠
- 焦点距離 103.00 200.00 388.48
- Fナンバー 5.18 6.70 8.24
- 半画角(度) 11.86 6.17 3.19
- 像高 21.64 21.64 21.64
- レンズ全長 203.50 243.44 273.50
- BF 41.10 76.59 114.00
実施例1・2と似た焦点距離のフルサイズ用ズームレンズですが、異なるレンズ構成で望遠側の開放F値が少し暗くなっています。200mmでもF6.7となっているので、明るい屋外専用と言ったところでしょうか。個人的には、ここまで暗くするなら多少大きく重くても望遠端はF7.1に抑えて欲しいものです。
実施例4
- 広角 中間 望遠
- 焦点距離 56.66 120.00 242.50
- Fナンバー 4.66 6.45 7.10
- 半画角(度) 13.55 6.49 3.22
- 像高 13.66 13.66 13.66
- レンズ全長 129.73 155.54 184.73
- BF 19.19 43.59 64.21
像高が13.66mmなのでキヤノン製APS-Cセンサーサイズに対応したレンズ。前述した実施例と異なる点として、バックフォーカスが短く、明らかにミラーレス用の設計であること。EF-M用となるのか、将来的にRF-Sレンズを投入する時に備えているのか、それとも…。
数値はキヤノンでスタンダードな「55-250mm」をカバーする望遠レンズを想定しているように見えます。望遠側の開放F値が暗いのは他の実施例と同じ。APS-C用で開放「F7.1」は曇天でも厳しいかもしれません。(高感度ISOを多用することになりそう)
実施例6
- 広角 中間 望遠
- 焦点距離 100.00 160.00 349.99
- Fナンバー 5.55 6.60 8.24
- 半画角(度) 12.21 7.70 3.54
- 像高 21.64 21.64 21.64
- レンズ全長 173.51 209.43 263.88
- BF 48.38 62.56 84.06
特殊な実施例。
光学倍率を落としたうえに開放F値が非常に暗い望遠ズーム。レンズ名にするとしたら「RF100-300mm F5.6-8.2」と言ったところでしょうか?バックフォーカスが長く、これが沈胴機構として活かせるのであれば、かなりコンパクトなレンズとなりそうですね。「300mm F8.2を使いたいか?」と言うと悩ましいところですが、例えば運動会などで携帯性の高い望遠ズームが必要な時は面白い選択肢となるのかもしれません。
注意ポイント
いつも通り、これは特許であり、必ずしも実用化されるデザイン・商品とは限りません。しかし、似たような望遠ズームレンズが噂されているので、ひょっとしたら、ひょっとするかもしれませんね。
参考:現行のRFマウントレンズ一覧
RF ズームレンズ
- RF15-35mm F2.8L IS USM
- RF24-70mm F2.8L IS USM
- RF24-105mm F4L IS USM
- RF24-105mm F4-7.1 IS STM
- RF24-240mm F4-6.3 IS USM
- RF28-70mm F2L USM
- RF70-200mm F2.8L IS USM
- RF70-200mm F4 L IS USM
- RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
RF 単焦点レンズ
- RF35mm F1.8 Macro IS STM
- RF50mm F1.2L USM
- RF50mm F1.8 STM
- RF85mm F1.2L USM
- RF85mm F1.2L USM DS
- RF85mm F2 Macro IS STM
- RF100mm F2.8L MACRO IS USM
- RF400mm F2.8L IS USM
- RF600mm F4L IS USM
- RF600mm F11 IS STM
- RF800mm F11 IS STM
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