Camera Labsがキヤノン「RF50mm F1.8 STM」のレビューを掲載。EF50mm F1.8 STMと比べて、特に周辺部の解像性能が向上しているとのこと。ただしボケ描写はほぼ同じと言及しています。
小型軽量で周辺画質が向上
Camera Labs:Canon RF 50mm f1.8 STM review
- 2020年11月に発表された、EOS Rシステム用の低価格な標準単焦点レンズだ。
- 価格は約200ドルで、5年以上前に発売したEF50mm F1.8 STMの後継モデルとなる。
- 古いEF50mmと比べると価格は2倍ほど高くなっている。とは言え、RFレンズの中では最も安いモデルだ。
- 一見すると、レンズサイズやスタイルはEF50mm F1.8 STMと同じである。基本的に重量も同じだ。ただし、ミラーレスで使う場合、EF50mmはアダプターを装着する必要がある。
- EF50mmと同じく防塵防滴仕様ではない。レンズフードは別売りだ。
- 最短撮影距離は少し短くなっているが、それ以外の仕様は同様である。
- フィルターサイズは49mmから43mmまで小さくなっている。
- どちらも内筒が伸縮するSTM駆動のフォーカシングに対応する。駆動音は聞こえるレベルで、速度やパフォーマンスはほぼ同じだ。
- コントロールリングはEF50mmよりも滑らかに回転する。他のRFレンズと同じように、フォーカスリング・コントロールリングとして切替が可能だ。
- AF/MFスイッチが無いので、カメラ側のメニューシステムから切り替える必要がある。
- RF50mmはピント距離表示をライブビュー上に表示可能だ。
- 7枚の絞り羽根を絞ると玉ボケは急速に7角形となる。
- ボケは基本的にEF50mmと同じである。
- バストアップのポートレートではRF50mmが少しシャープに見えるが、ボケは同等だ。
- 遠景での中央フレームはF1.8からEOS R5の高解像にも耐えうる解像性能だ。絞ってもあまり変化が見られない。
- 遠景四隅は低価格のレンズらしく、明らかにソフトな描写で、ディテールが欠けている。しかし、F4まで絞ると確実に改善し、F5.6?F8まで絞れば中央と同水準となる。
- 遠景の中間フレームはEF50mmよりも改善しており、中央と同じくらいシャープだ。
- EF50mm F1.8 STMとの遠景比較
・中央は絞り開放からほぼ互角だ。
・四隅はどちらもF1.8で甘く、F4?F8で改善傾向が見られる。
・中間域は絞り開放付近でRF50mmのほうが遥かに良好だ。EF50mmが追い付くにはF5.6まで絞る必要がある。- 偶然にも、良好なシャープネスを実現している領域はAPS-Cクロップの範囲にほぼ対応している。APS-Cセンサーカメラが登場した場合、F1.8からフレーム全体でシャープな描写を楽しめるはずだ。これはEF50mmと比べて歓迎すべきアップグレードだ。
EF50mm F1.8 STMよりも2倍高価だが、RFレンズとしては非常に手頃な価格のレンズである。キットズームに追加するレンズとしては魅力的である。EF50mm F1.8 STMをアダプター経由で装着するよりもコンパクトだが、絞り開放におけるシャープネスはより広い範囲で良好な性能を実現している。
とは言え、私のテストではRF35mm F1.8やRF85mm F2と同じ水準のレンズではない。どちらもフレーム全体でシャープな描写を実現しつつ、接写時に遥かに優れた性能を備え、光学手ぶれ補正まで搭載している。ただし、どちらもRF50mmより3倍ほど高価だ。
将来的にRF50mm F1.4が登場するかもしれないが、RF50mm F1.8 STMのポジションが揺らぐことは無いだろう。
とのこと。
私も発売日に入手して使用しており、ほぼ同意見です。手持ちの個体では絞り開放の中央がややソフトですが、周辺部の安定感向上は明らか。特にF1.8?F2.8の絞り開放付近における撮影で違いを感じると思います。
その一方、EF50mmと比べて四隅の甘さは改善しておらず、リードしている周辺部もF4以降はほぼ同じです。ボケ描写に変化は無く、逆光耐性も見違えるほど良くなっているわけではありません。
個人的な見解として、このレンズのセールスポイントは携帯性だと考えています。ミラーレスの50mm F1.8の中ではレンズ全長が非常に短く、EOS RPのような小型フルサイズミラーレスと相性が良好。将来的によりコンパクトなモデルが登場すると、際立った収納性・携帯性と感じるはず。
おまけとして、最短撮影距離が短くなり、撮影倍率も少し向上しています。最短撮影距離付近は描写がかなりソフトになるものの、EF50mm F1.8 STMでは出来ないような柔らかいボケ描写が可能です。クローズアップの撮影が多いのであれば、面白い選択肢となるかもしれません。
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