VILTROX レンズ 海外の評価

VILTROX AF 35mm F1.8は個性的ではないが良いレンズ

Dustin Abbottが「VILTROX AF 35mm F1.8」のレビューを公開。これと言って大きな欠点は無いものの、特に魅力的と言える長所もない模様。とは言え、価格を考慮すると良好な画質と作りのレンズであるとのこと。

Dustin Abbott:Viltrox AF 35mm F1.8 FE Review

外観・構造:

  • 主に金属パーツを使用したハイクオリティなレンズだ。
  • デザインはAF 50mm F1.8やAF 24mm F1.8と同じである。
  • レンズフードはプラスチック製だ。本体と比べると少し安っぽい。
  • 前面はフッ素コーティング処理されているにも関わらず、本体は防塵防滴に非対応だ。
  • USB-Cポート経由でレンズのファームウェアアップデートが可能だ。

携帯性:

  • ビルドクオリティとレンズサイズのバランスがとても良好だ。
  • サイズはAF 50mm F1.8やAF 24mm F1.8と同じである。
  • フィルターサイズは55mmだ。

操作性:

  • 側面にスイッチは無い。
  • 絞りリングとフォーカスリングを搭載している。
  • 絞りリングは1/3段ごとにマーキングがあるものの、クリックストップは無い。回転時に無段階の操作が可能だが、クリック無しの操作が最適とは限らない。
  • フォーカスリングは本当に良好な動作だ。良好なトルクとグリップを備え、自動アシストが機能し、正確な操作が可能である。

フォーカス:

  • リードスクリュータイプのステッピングモーター駆動を使用している。
  • 高速で静かなフォーカスだ。
  • ハンチングやピントを見失うことは無かった。
  • α1との組み合わせでフォーカス速度は非常に良好で、結果は概ね信頼できるものだった。
  • 瞳AFも正確だったが、難しい状況ではいくつかミスショットが発生した。
  • 動画撮影時にフォーカス駆動音が発生したのには驚いた。動画撮影で使うのならばサムヤンのほうが適している。
  • 他のVILTROXレンズと同じく、最大撮影倍率は低めだ。ただし、接写時でもコントラストとディテールは良好である。

手ぶれ補正:

  • 記載なし。

解像性能:

  • 中央は絞り開放から(平凡だが)きちんとした解像度とコントラストだ。
  • 全体的に大きな落ち込みはなく、中央と隅の画質に大きな乖離は無い。
  • サムヤンAF 35mm F1.8 FEは比較してもう少しコントラストとディテールの一貫性がある。
  • F2.8まで絞るとシャープネスとコントラストが大幅に向上する。
  • 隅が中央や周辺部と同等の水準に達することは無い。

像面湾曲:

  • 記載なし。

ボケ:

  • 以前のレンズと比べると絞りの形状が整っている。
  • F2.8-F4まで絞ると絞り羽根の形状が見え始める。
  • 玉ねぎボケは50mm F1.8よりも目立たない。期待ほど綺麗な描写ではないが、玉ボケ以外はとても良好だ。
  • 後ボケはとても良好である。複雑な背景にも関わらず、魅力的な描写に見える。
  • 玉ボケにはいくらか色付きが見られる。

色収差:

  • 軸上色収差はVILTROXレンズとしては穏やかだ。

球面収差:

  • 記載なし。

歪曲収差:

  • Lightroomには既に補正用のプロファイルが存在する。
  • 補正をオフにすると僅かな糸巻き型歪曲だ。
  • 残念ながらJPEGや動画に適用できるプロファイルは無い。

周辺減光:

  • Lightroomには既に補正用のプロファイルが存在する。
  • 補正をオフにすると、予想よりも少し多い周辺減光が発生する。
  • 残念ながらJPEGや動画に適用できるプロファイルは無い。

コマ収差:

  • 全体的には見栄えが良いものの、隅に向かってある程度の影響が見られる平凡な結果だ。

逆光耐性:

  • 実写で逆光時の問題は見られなかった。

作例集

総評

VILTROXは前時代的なAF駆動を使わず、安っぽい作りでもない24mm、35mm、50mm、85mmのF1.8レンズをラインアップした。これらのレンズは、価格以上に優れた造りと優れたオートフォーカス、そしてしばしば優れた画質を提供する競争力のあるレンズだ。

AF 35mm F1.8 STMは、そのラインナップの中において最も新しいレンズで、単体としてはかなり良い出来栄えだと思う。目立った欠点はないが、特に魅力的な長所もないのが課題だ。ソニーEマウントはここ数年で、非常に優れた35mmの選択肢が多数追加されており、VILTROXを活かせるシーンがあるかどうかは分からない。ニコンZでは選択肢が少ないので、VILTROXは十分ありな選択肢となるだろう。

過去のサードパーティメーカーはシグマやタムロン、ツアイスくらいだったが、今やサムヤンやVILTROX、LAOWAなど優れたレンズメーカーが存在する。その中で際立った存在として確立できるかどうかがVILTROXの課題である。とは言え、良いレンズであることは間違いなく、もしあなたが他の選択肢の中からこのレンズを選ぶとしたら、それは非常に良い選択だったといえる。

  • 長所
    ・金属製の美しいレンズの作り
    ・素敵な絞りリング
    ・滑らかなフォーカスリング
    ・USB-Cポート
    ・良好なフォーカス精度
    ・中央は絞り開放から良好
    ・絞ると大部分で良好なシャープネス
    ・低歪曲
    ・良好な価格設定
  • 短所
    ・動画撮影時にAFノイズ
    ・軸上色収差
    ・カメラ内補正がない
    ・防塵防滴ではない
    ・撮影倍率が低い
    ・絞っても周辺部の画質が中央においつかない

Sony Alpha Blogと同じく、これと言った強みが無いものの、致命的な欠点もないレンズとのこと。(ただしSABでは玉ねぎボケを少し厳しめに指摘しています)
少し前までソニーの35mmは選択肢が非常に少なかったものの、ここ数年で純正35mm F1.8やGMをはじめ、シグマ、タムロン、サムヤン、そしてVILTROX、YONGNUOなど多くのレンズメーカーが35mmのAFレンズをリリース。手ごろな価格の35mmも多く、VILTROXを選ぶ必然性が無いのは悩ましいところ。敢えて言えば価格の割にビルドクオリティが高いことでしょうか?光学性能だけで言えばサムヤンやYONGNUOのレンズがコストパフォーマンス良好と言えそうです。

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