このページでは一眼カメラ用交換レンズ「XF50mmF1 R WR」に関する情報を収集しています。
データベース
最新情報
- 2020-09-28:作例リンクを多数追加しました。
- 2020-09-10:富士フイルムが供給不足を示唆しました。
- 2020-09-03:正式発表されました。
- 2020-08-27:9月3日登場とFuji Rumosが発信しています。
- 2020-08-26:富士フイルムが開発発表している「XF50mmF1 R WR」が近日登場と噂され始めたので専用の情報収集ページを作成しました。どのようなレンズに仕上がっているのか気になる所。
レビュー
- CAMERA LABS
- DC.World
・Hands on(訳)
・TV Review(訳) - DPReviewTV
(抄訳記事) - DPReview
(抄訳記事) - Dustin Abbott
(抄訳記事) - Explora
- Jonasraskphotography
- ivanjoshualoh
- Mobile01
(抄訳記事) - IMAGING RESOURCE
(抄訳記事) - The Phoblographer
- 価格コム
レビュー/口コミ
作例
参考サイト
購入早見表
レンズデータ
レンズ仕様
型番 | フジノンレンズ XF50mmF1.0 R WR | |
レンズ構成 | 9群12枚 (非球面レンズ1枚、EDレンズ2枚) | |
焦点距離 | f=50mm (76mm相当) | |
画角 | 31.7° | |
最大口径比(開放絞り) | F1.0 | |
最小絞り | F16 | |
絞り形式 | ||
羽根枚数 | 9枚 | |
ステップ段差 | 1/3ステップ(全25段) | |
最短撮影距離 | 70cm | |
最大撮影倍率 | 0.08倍 | |
外形寸法:最大径×長さ*1(約) | Ø87mm×103.5mm | |
質量*2(約) | 845g | |
フィルターサイズ | Ø77mm |
MTFチャート
レンズ構成図
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海外の評価
Mobile01
Mobile01:Fujifilm XF 50mm f/1.0 R WR 評測報告|富士「夜神」果然名不?傳!
レンズの紹介:
- 2020年9月に発売された富士フイルムの超大口径レンズだ。
- どのようなセンサーフォーマットのレンズでも、AFを動作させるのであればF1.2に抑える必要がある。被写界深度が浅すぎてAFの精度を保てないからだ。
- もちろん例外もある。1989年にキヤノンが「EF50mm F1.0 USM」が1?のレンズの塊をリリースしている。しかし、解像度はそれほどスペシャルなものでは無かった。
- XF56mm F1.2と比べて1/3段明るい。
ビルドクオリティ:
- ハイエンドレンズらしく、金属製の筐体である。
- レンズ構成は非球面レンズ1枚とEDレンズ2枚を含む9群12枚だ。
- 絞り値はF1.0?F16である。
- 最短撮影距離は70cmであり、撮影倍率は0.08倍止まりだ。
- 円筒型のプラスチック製レンズフードが付属する。金属製のほうが良かった。
- 当然ながら製造国は日本だ。
- このレンズは11点の防塵防滴シーリングが施されている。XF56mmと大きく異なる点だ。
携帯性:
- サイズは87×103.5mmだ。
- 重量は845gで、XF56mm2本分である。
- 手に取ってみるとAPS-C用レンズとは感じない。
- しっかりとしたボディのX-T4と組み合わせると丁度いい。
操作性:
- 金属製フォーカスリングは回転速度に応じてピント移動距離が変化する。
- フォーカスリングの回転角はおよそ120度だ。
- 絞りリングは緩く、誤操作で絞り値が変化しやすい。
- フォーカスモードスイッチが無いのは残念だ。
オートフォーカス:
- AF速度は不十分だ。
- 大した問題では無いが、AF-C使用時、特に顔検出時の動作が大きく異なる。検出中は被写体の移動速度に追いつかないのは残念だ。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 光学手ぶれ補正は搭載していない。とは言え、これ以上レンズサイズを大きくすべきではない。
- X-S10やX-T4はボディ内手ぶれ補正を搭載している。
解像性能:
- 中央はF1.0からF16まで実用的な画質だ。
- 端の画質を気にするのであればF2.8まで絞ったほうが良いだろう。
- F16まで絞っても驚くほどの画質低下はない。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 口径食は絞り開放で目に付くが、F1.6まで絞ると大きく改善する。
色収差:
- 2枚の低分散レンズを使用しているが、F1.0レンズで色収差の補正は難しいようだ。
- F1.0からF1.4では高コントラストな領域で明らかな色収差が発生する。
- F2まで絞ると大きく改善する。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 記載なし。
周辺減光:
- F1.0からF2では目立つ周辺減光が発生する。
- F4まで絞ると大きく改善する。
コマ収差:
- 非球面レンズは1枚のみだ。コマ収差の補正は難しいことだろう。
- 中央は問題無いが、フレーム端では明らかなコマ収差の影響が見られる。
逆光耐性:
- 調べた限り、特別なコーティングは施されていないようだ。スーパーEBCのみのようである。
- 実写でフレアやゴーストの発生は限定的だ。良く抑えられているように見える。
- F5.6から徐々に光条ができはじめ、F8で明瞭な形となる。
総評
- Xマウントユーザー必携の大口径レンズだ。フルサイズのような柔らかいボケとシャープで確かな光学性能を備えている。
- 重量とサイズは異例のXFレンズだが、X-T4と組み合わせるには丁度いい。縦位置グリップがあればなお良くなるだろう。
- オートフォーカスに対応しているが速度は不十分だ。AF-Sの場合問題ないが、AF-Cではレスポンスが大きく異なる。特に顔検出・瞳検出がオンの時は追従速度が追い付かない。
- このレンズとフィルムシミュレーションの組み合わせは病みつきとなる。
- 撮影倍率は物足りないが、自然で大口径なボケ描写は本当に楽しい。
Dustin Abbott
Dustin Abbott:Fujinon XF 50mm F1.0 WR Review
- レンズの紹介:
・レンズメーカーは実用的なモデルに加え、自社ブランドに注目してもらうためのモデルを開発することがある。キヤノンは数十年前に「EF50mm F1.0L」を作り、富士フイルムは「XF50mm F1.0 WR」を作った。
・F1.0のレンズは技術的・光学的な挑戦であり、いくつかの妥協も伴う。このレンズにおいて、それはサイズであり、重量であり、価格であり、そして補正が難しいいくつかの収差として現れている。それでもキヤノンよりも遥かに優れたボケだ。 - ビルドクオリティ:
・外装は大部分が金属製だ。
・プラスチック製のレンズフードは比較して少しやすっぽく感じる。
・レンズは11点の防塵防滴処理が施されている。XF56mmF1.2と比べると明らかに改善している。
・最短撮影距離が70cmと長いのは残念だ。このため、撮影倍率は0.08倍と非常に小さく、これまで見てきた中で最も小さい倍率だ。 - 携帯性:
・適度な焦点距離だが、大きなレンズ口径により、XF200mm F2に次ぐ巨大な単焦点レンズとなっている。
・重量は845gだ。XF50mm F2の倍以上、VILTROXの3倍、XF56mmの2倍以上の重さがある。
・全長は50mm単焦点レンズとしては非常に長く、直径もかなり大きい。
・大部分の富士フイルム製カメラでバランスが悪い。今回はX-S10と組み合わせたが、ボディを圧倒するレンズサイズだ。 - 操作性:
・絞りリングは1/3段ごとに動作する。「A」ポジションの利用も可能だ。
・スイッチ類は存在しない。
・マニュアルフォーカスリングは適度な抵抗量で素晴らしい操作性だが、フォーカスレンズは目に見える段階的な動作となり、あまり楽しいものではない。 - オートフォーカス:
・接写時にコントラストは大きく低下するが、F2まで絞ると大幅に改善する。
・フォーカス精度は良好だ。
・瞳検出も良好に機能するので、F1.0で撮影しても正確にピントが合っている。
・DCモーターを使用しているので、間違いなく駆動時のノイズが発生する。
・フォーカス速度に問題は見られないが動画撮影に素晴らしい選択肢とは言えない。 - マニュアルフォーカス:
・マニュアルフォーカスリングは適度な抵抗量で素晴らしい操作性だが、フォーカスレンズは目に見える段階的な動作となり、あまり楽しいものではない。 - 手ぶれ補正:
・F1.0の明るさにより、低照度でもISO800で1/10秒の撮影が可能だった。F2.8のレンズであればISO6400が必要なシーンである。 - 解像性能:
・F1.0のレンズとしてはシャープだが、RF50mm F1.2Lや35mm F1.2 DG DNほどでは無い。
・安価なレンズが高価な大口径レンズよりもシャープなことはある。このレンズも同様であり、等倍のシャープネスに期待しているとがっかりすることだろう。
・F1.0における解像度は悪くないが、レンズにワセリンが塗られているように全てが霞んで見える。これはコントラスト低下の要因となる球面収差が補正されていない結果だ。
・プラスの側面として、フレーム全体の解像度はとても一貫しており、像面湾曲は小さい。倍率色収差は最小限でフレーム四隅の色ずれはほとんど見られない。
・低コントラストは後処理可能だと言う者もいるが、フレーム全体の見栄えを変えずにコントラストを調整するのは難しい。
・JPEGを利用すると、優れたディテールとコントラストを得ることが出来た。それでも遠景撮影時のコントラストやシャープネスは良くない。
・F2まで絞るとコントラストは向上し、F2.8で見栄えが良くなる。F5.6まで絞ると優れた結果を得ることが出来る。
・個人的にはF2で等倍レベルでのディテールが得られる。 - 像面湾曲:
・記載なし。 - ボケ:
・口径食の影響は最小限だ。
・玉ボケはEF50mm F1.0Lよりも遥かに滑らかだ。色収差による色づき以外はとても滑らかな描写である。
・コンパクトでシャープなレンズは選択肢が多いものの、このレンズのようにクリエイティブな選択肢はほとんど存在しない。
・フルサイズで言えば76mm F1.4に相当する。
・F1.0の大口径レンズだが、電子シャッターで1/8000秒以上の高速シャッターを利用できる。 - 色収差:
・軸上色収差の影響が残存しており、ボケ領域の色づきとして現れる。これはF1.4まで絞っても残存している。 - 球面収差:
・収差は残存しており、ピント面の滲みとして現れている。 - 歪曲収差:
・糸巻き型の歪曲収差はとても穏やかだ。 - 周辺減光:
・周辺減光が驚くほど少ない。 - コマ収差:
・記載なし。 - 逆光耐性:
・完璧では無いが、このような大口径レンズとしてはきちんとした性能だ。 - 作例集
総評
スペシャリストのためのレンズだ。あまりにも大きく重く、そして高価である。それでもスペシャルな結果を得たい人のためのニッチなレンズである。このようなニッチ市場の中にウェディングやポートレートなどが含まれていると思う。
F1.0のAFレンズは開発が非常に困難であり、他の選択肢はキヤノン「EF50mm F1.0L」くらいだろう。そしてキヤノンよりも機能的なレンズである。絞り開放の実用性が犠牲となっている部分もあるが、光学的な妥協は少ない。
最高のオートフォーカスや絞り開放のシャープネスでは無く、大型で不便さもあるが、美しく柔らかいボケと個性的な描写を得ることが出来る。このレンズに満足できるかどうかは、このレンズをどのように使うかに依ると思う。個人的な見解として、このレンズを絞って使うのは無駄だ。被写界深度で遊ぶのが好きで、写真にアーティスティックな傾向があるのならば、検討する価値がある。
長所:素敵なビルドクオリティ・高品質な耐候性・正確なAF・美しく滑らかなボケ・クリエイティブな浅い被写界深度・フレーム全体のシャープネス
短所:大きく重い・高価・絞りを開いた時に低コントラストで低シャープネス・いくらか未補正の収差がある・残念な最短撮影距離と最大撮影倍率
Lenstip
Lenstip:Fujifilm Fujinon XF 50 mm f/1.0 R WR
- レンズの紹介:
・2019年のCP+で公開されたプロトタイプはXF33mmF1だった。しかし、これは1300gの怪物となり、重量・サイズ・価格を考慮すると見込み客がほとんどいないことに気が付いた。
・彼らはXF33mmF1の開発を中止し、もう少し小さくて軽いXF50mmF1を開発し始めた。 - ビルドクオリティ:
・直径28mmの後玉は数ミリレンズの奥に隠れたところで固定されている。周囲は非常にマットなブラックで塗装されている。
・レンズマウント付近から外装の直径は急速に大きくなる。
・レンズは日本製だ。
・防塵防滴仕様のレンズである。
・前玉はフラットな直径59mmのレンズだ。周囲は77mmのフィルターソケットがある。 - 携帯性:
・記載なし。 - 操作性:
・幅13mmの絞りリングは金属製だ。富士フイルム製レンズのいくつかは非常に緩い絞りリングがあるものの、ここでのクオリティは完璧だ。
・幅33mmのフォーカスリングは電子制御で動作する。回転角は約180度だが、ゆっくり操作すると数値は増加する。残念ながらレンズに被写界深度表示は無い。 - オートフォーカス:
・X-T2との組み合わせでほぼノイズレスで動作する。
・ピント距離全域を移動するのに0.8?1.0秒ほどかかる。
・X-T4と組み合わせることで性能は少し向上する。それでも自慢するほどの結果ではない。
・AFの精度は賞賛に値する。 - マニュアルフォーカス:
・記載なし。 - 手ぶれ補正:
・記載なし。 - 解像性能:
・X-T2のRAWに基づいて測定している。
・この際の良像の基準値は44?45lpmmとなる。
・最良の単焦点レンズで80lpmmに達する。
・現在の最高値はVILTROX 23mm F1.4の85.3lpmmだ。
・中央はF1.0の超大口径レンズながら絞り開放から良像の基準値を上回る48lpmmだ。少し絞ると急速に向上し、F4付近でピークの81.5lpmmに達する。ただし、興味深いことに、XF50mmF2は82?83lpmmの解像度に達する。
・フレーム端で良像を得るにはF1.6?F1.8まで絞る必要がある。さらに絞ると60lpmmの良好な性能を得ることが出来るが、我々の期待を満たすものではない。 - 像面湾曲:
・記載なし。 - ボケ:
・非球面レンズを使用しているが玉ねぎボケは見当たらない。非常に優れた描写を得ることが出来る。
・批判すべき点があるとすれば口径食だが、それも2段絞れば解消する。 - 色収差:
・軸上色収差は1段絞っても目に付く。
・倍率色収差は絞り開放付近で無視できる数値だが、F2まで絞ると低?中程度の間まで上昇する。それでも文句を言う数値ではない。 - 球面収差:
・前後のボケを見る限り球面収差が明らかに残存している。 - 歪曲収差:
・JPEGではソフトウェアの補正で実質ゼロとなるが、RAWでは0.81%と軽度の糸巻き型だ。軽度ではあるが、高価なレンズとしてはもっと健闘して欲しかった。 - 周辺減光:
・絞り開放で-1.73EVの目立つ減光がある。
・大きな減光だが、フルサイズでは-2?3EVの減光があることを考慮すると悪い結果では無い。
・絞ると急速に改善する。F1.4で-1.16EV、F2で-0.57EVまで減少する。 - コマ収差:
・高価な大口径レンズは低照度での活躍が期待されている。
・しかし、このレンズはコマ収差が十分に補正されていないようだ。F1のみならず、F1.4まで目に見える収差が残っている。
・非点収差の平均は8.6%と適度なレベルだ。特に批判すべき問題は無い。 - 逆光耐性:
・レンズ構成から逆光耐性の悪化が予想されるが、高価なレンズなのでコーティングや内部処理に手がかかっていると思われる。
・絞るとゴーストが写りこんでしまう。このような高価な機材で発生して欲しくなかった。 - 作例集
総評
- 56mm F1.2が2つもあるのに、なぜ50mm F1.0を投入したのか?
- なぜ遥かに安いXF50mm F2よりも良好な結果を得られないのか?
- 低価格なVILTROX 23mm F1.4の解像レコードを上回らないのか?
- 本当に1500ドルの高価で重く大きな単焦点レンズが必要だろうか?
これらは答えを求めていない質問だ。
このレンズはフレーム中央が本当にシャープだが、価格設定と仕様から、結果よりも我々の期待は遥かに高かった。このようなレンズが市場で成功するには本当に優れたレンズであることを示さなければならない。しかし、残念ながら全く優れておらず、完全に失敗してしまったように見える。
長所:頑丈で防塵防滴の鏡筒・優れた中央画質・良好な倍率色収差補正・僅かな歪曲・穏やかな非点収差・とても素晴らしいボケ・静かで正確なAF
短所:絞り開放付近におけるフレーム端の画質・軸上色収差が目立つ・目立つ球面収差・目立つコマ収差・大きな周辺減光・逆光耐性はより良好であるべきだった・コストパフォーマンスが低い
Lesnumeriques
Lesnumeriques:Test Fujifilm Fujinon XF 50 mm f/1.0 R WR : la luminosité avant tout
- レンズの紹介:
・市場には様々なレンズがあるものの、F1.4以上の明るさを備えたレンズはそう多くない。さらにオートフォーカスに対応したレンズとなると、さらに少なくなる。
・このレンズはキヤノン「EF50mm F1.0L USM」に続き、F1.0でAFに対応した2本目のレンズだ。そしてAPS-C用としては最初のレンズである。
・フルサイズで75mmに相当する画角である。 - ビルドクオリティ:
・外装は金属製で非常に良好な仕上がりだ。
・防塵防滴仕様である。 - 携帯性:
・全長は約10cm、重量は845gと大きなレンズだ。X-T4より250gも重い。
・大部分の富士フイルム製カメラでアンバランスとなる。
・X-T4のグリップは比較的小さく、このレンズを装着した状態で安定したグリップはできない。 - 操作性:
・フォーカスリングは非常に緩く、操作時は注意しなければならない。
・ソニーEマウントのサムヤンレンズを彷彿とさせる操作性だ。
・1600ユーロのレンズとしてはもう少しハイクオリティな操作感を期待していた。
・絞りリングも同様に抵抗はほとんどない。誤操作する可能性は高いだろう。
・フォーカスリングと絞りリング以外に操作できるものは無い。 - オートフォーカス:
・F2.8より小さなF値を使用すると、時々ピントを外す。
・ピント位置を切り替える際にウォブリングが少し目立つ。 - マニュアルフォーカス:
・記載なし。 - 手ぶれ補正:
・手ぶれ補正が無いため、手ぶれ補正が必要な場合はボディ内手ぶれ補正搭載モデルを利用する必要がある。 - 解像性能:
・絞り値に関係なくソフトだ。
・絞ったとしてもピークはかなり限られている。
・絞ってもフレーム全体の均質性は高くならない。
・F1.0の明るさを考慮すると仕方ないのかもしれないが、もう少し良いものを期待していた。 - 像面湾曲:
・記載なし。 - ボケ:
・後ボケは非常に柔らかく、被写体を浮かび上がらせることが可能だ。
・玉ボケは中央で円形だが、四隅に向かって変形する。
・玉ボケの内側はとても滑らかだ。 - 色収差:
・色収差はとても効果的に抑えられている。 - 球面収差:
・記載なし。 - 歪曲収差:
・記載なし。 - 周辺減光:
・絞り開放で目立つが、絞るごとに改善する。 - コマ収差:
・記載なし。 - 逆光耐性:
・記載なし。
総評
これは戸惑うテスト結果となった。F1.0のAFレンズを歓迎する人もいるだろうが、シャープネスが不足している。ボケは良好だが、高価なポートレートレンズとしては驚きだ。多額の投資をする気が無い人はXF56mm F1.2も検討すべきだろう。ゴージャスなボケではないが、良好なシャープネスを備え、より手ごろな価格で小型軽量である。
長所:超大口径・適切に補正された色収差と歪曲収差・ボケ描写・防塵防滴・絞りリング
短所:フォーカスリングが緩すぎる・シャープネス・大音量のAF・手ぶれ補正なし・カスタマイズ可能なコントロールなし
CAMERA LABS(編集中)
CAMERA LABS:Fujifilm XF 50mm f1.0 review
- レンズの紹介:
・2020年9月に発表
・当初は33mm F1.0のはずだったが、50mm F1.0に切り替えて設計
・XF50mm F2は2段暗いが、とても小さく軽量、防塵防滴仕様である
・XF56mm F1.2は半分の重量で価格は2/3だが、残念ながら防塵防滴仕様ではない - ビルドクオリティ:
・10か所のシーリングが施された防塵防滴仕様のレンズだ。
・9群12枚構成のレンズで目を引くのは凹型の前玉である。
・77mmと大きなフィルターサイズを使用する。
・フルサイズで言うところの75mmに相当する画角である。近距離のポートレートに最適だ。
・被写界深度を考慮すると75mm F1.5相当となるが、焦点距離10mmの違いは感触が異なる。 - 携帯性:
・中望遠レンズとしては明らかに最も重い。
・直径87mm・全長104mm・重量845gである。
・XF56mmF1.2の2倍、XF50mmF2の4倍の重量である。
・大きく重いレンズのため、X-Tシリーズとの組み合わせが良いだろう。
・X-T4との組み合わせでバッテリーグリップが必要とは感じなかった。 - 操作性:
・コントロールポイントは絞りリングとフォーカスリングのみだ。
・絞りリングにデクリック機構があると良かった。 - オートフォーカス:
- マニュアルフォーカス:
・バイワイヤ式のフォーカスリングはクラッチ構造ではない。
・フォーカスリングの回転角は120度でピント距離70cmから無限遠までをカバーする。
・カメラの内蔵マイクを使用すると駆動音が聞こえる。 - 手ぶれ補正:
- 解像性能:
- 像面湾曲:
- ボケ:
・バストアップのカットで瞳にピントを合わせると、顔の後ろ半分はすでにボケ始めている。ボケ量は劇的だが、被写界深度は好みが分かれると思う。
・XF50mmF2と比べるとボケ量の差は明らかだ。XF50mmF2のシャープネスには感銘を受ける。 - 色収差:
- 球面収差:
- 歪曲収差:
- 周辺減光:
- コマ収差:
- 逆光耐性:
- 作例集
総評
IMAGING RESOURCE
IMAGING RESOURCE:Fujifilm XF 50mm f/1.0 R WR Lens Field Test
- 富士フイルムは2018年に「XF33mm F1.0」レンズの開発を発表した。しかし、開発中に33mmから50mmの焦点距離へシフトし、フルサイズで75mm相当となる中望遠単焦点となった。
- 他のXFレンズと同じく、クラシカルなデザインながらトップクラスのビルドクオリティだ。
- フォーカスリングは幅広く、握りやすい形状である。リングは滑らかに回転し、フォーカスバイワイヤの制御は正確に動作する。
- 絞りリングはフォーカスリングと比べると少し緩く、プリプロダクションモデルから変化がない。レンズを持っていると、誤って絞りリングを操作してしまうことが何度もあった。
- 9群12枚のレンズ構成で、重量は845gあり、いくらかフロントヘビーを感じる。とは言ったものの、X-T4ではバランスが取れている。
- 11点の防塵防滴処理がほどこされている頑丈なレンズだ。
- 中央シャープネス
・絞り開放の光学性能はまずまずだ。中央はF1.0の絞り値を考慮するときちんとしたパフォーマンスだが、コントラストの高いエッジに色収差が見られる。全体的なディテールやコントラスト・色は良好に見える。
・F1.4まで絞ると画質は急速に改善する。まだ色収差が残っているものの、遥かに少なく、全体的にディテールは高水準となる。コントラストは少しパンチが強まり、滲みとソフトさが緩和する。
・F2まで絞ると画質はさらに向上する。コントラスト・色・ディテールが改善され、一般的な画像サイズでパープルフリンジはほとんど存在しない。F2.8で少し良くなるが、目立たない改善幅だ。
・F4~F5.6の画質は本当に良好だ。もちろん絞るとこのレンズの強みである被写界深度が深くなってしまう。
・F8まで絞ると回折の影響で全体的なディテールが著しく低下する。とは言え、まだ満足できる画質だ。F16まで絞ると遥かにソフトな描写となる。 - 四隅シャープネス
・四隅は全体的に良好だ。F1.0では適度な周辺減光が見られ、シャープネスとパンチが不足している。
・F1.4まで絞ると減光は大きく改善し、さらにF2まで絞るとソフトな描写が緩和できる。
・F2.8からF4まで絞ると画質はさらに良好となる。これら絞り値で非常に良好な画質だ。
・F5.6とF8で画質に問題は無いが、F8ではシャープネスが低下する。
・F11からF16では画質が悪化する。 - 周辺減光はF1.0で目立つものの、F2.8まで絞るとほぼ解消する。
- コマ収差はF1.3まで絞っても目に付く収差が残っているが、大口径レンズでは珍しいことではない。それ以上に大口径であることが役に立つだろう。
- 全体的に見て、絞り開放のシャープネスやコントラスト、収差補正は優れていないものの、パフォーマンスはかなり良好だ。本当に素晴らしいボケと浅い被写界深度を得ることができる。少し絞れば光学性能とボケのバランスも良好だ。
- DCモーターを使用した正確で静かなオートフォーカスだ。高速ではないが、大きなフォーカスレンズを考慮すると速くないのは当然だ。高速ではないが、遅いわけでもない。そもそもF1.0のレンズでAFが動作すること自体が驚くべきことだ。
- フォーカス精度はかなり良好だ。
- 接写性能はあまりパッとしない。最短撮影距離は70cm、最大撮影倍率は0.085倍だ。ポートレートなら十分だが、クローズアップの撮影にはやや不便さを感じる。
- 実写でたまにイライラすることもあるが、楽しい写真撮影が可能だ。イライラするのもレンズのせいでは無く、このレンズで目的とされている以外の被写体を撮影しようとした時である。ゴージャスな描写で、従来のフジノンXFとは異なるイメージを出力できる。特別な存在だ。
- 動き回る娘を撮影するにはオートフォーカスが遅いと感じる場面がある。被写界深度が浅いこともあり、ミスショットは多くなる。しかし、全てがうまくいった時は素晴らしい描写となる。
長所:優れたビルドクオリティ・スペシャルな画質・全体的に見事な画質
短所:F1.0でシャープネスは低下・オートフォーカスは少し遅いと感じる場合もある・カミソリのように薄い被写界深度は難易度が高い
あらゆる状況に対応できるレンズではないが、素晴らしいレンズに違いない。単焦点らしい、汎用性より個性が強いレンズである。
ePHOTOzine
ePHOTOzine:Fujifilm XF Fujifinon 50mm f/1.0 R WR Lens Review
- ミラーレス用レンズで最も明るいAFレンズだ。フルサイズで言うところの76mm F1.4に相当する。被写界深度はフルサイズ並みだが、レンズの明るさはF1.0だ。
- 重量は845gだ。X-T4と組み合わせた際のバランスはとても良好だが、直径が大きいので三脚を使う場合は干渉しないように気を付ける必要がある。
- 仕上がりは光沢のある美しいブラックだ。残念ながら非常に滑りやすい。
- 大型円形フードはバヨネットでしっかりと固定される。ロックボタンの機構は無い。
- 電子制御のマニュアルフォーカスリングは滑らかに動作する。
- 最短撮影距離は0.7m、その際の撮影倍率は0.08倍だ。寄れるレンズでは無いが、これは大部分の中望遠レンズも同じである。
- 絞りリングは美しい作りだが機能的ではない。Aポジションのロック機構があると良かった。
- 非球面レンズ1枚とEDレンズ2枚を含む9群12枚構成の光学設計だ。開放における球面収差が意図的に残存しており、ポートレートで理想的な光学系を実現している。絞ると全体的にシャープとなり、F5.6付近でピークとなる。
- AFは高速で正確なDCモーター駆動を使用している。静かだが完全に静かな訳では無い。
- 光学手ぶれ補正は搭載していないが、X-T4と組み合わせることで問題では無くなる。
- シャープネス
・中央:絞り値全域で優れている。特にF2.8からF5.6で並外れたパフォーマンスだ。
・端:開放付近は球面収差の影響があるものの、その後は非常に良好だ。F5.6まで絞ると優れた結果を得ることが出来る。 - 色収差補正はとても見事だ。
- 歪曲収差は+0.21%の糸巻き型だ。これは直線にとても近い数値である。
- ボケは富士フイルムの言う通り、ゴージャスな描写だ。滑らかで美しく、ポートレートに最適だ。
- 逆光耐性は適切で、強い光源があってもコントラストが失われることは無い。なんとかゴーストを発生させることも可能だが、かなり難しい。
- このような大口径レンズとしては周辺減光は最小限だ。F1.0 -1.0EV。
- 価格は1499ポンドだ。F値の差が1/3段しかない「XF56mmF1.2 R」は879ポンドで手に入れることが出来る。アポダイゼーション光学素子を組み込んだモデルでも999ポンドだ。コストパフォーマンスは悪いかもしれないが、まずはこのレンズの描写を見て欲しいと思う。
ポートレート写真のためのスペシャルなレンズだ。防塵防滴・低照度性能に優れ、X-T4と組み合わせることで非常に楽しい撮影体験となる。
コストパフォーマンスの良いレンズでは無いが、ボケ描写に価格分の価値を見出す人はいると思う。
PhotographyBlog
PhotographyBlog:Fujifilm XF 50mm F1.0 R WR?Review
- Xシステムのレンズラインアップでは最大クラスの単焦点レンズだ。重さ845g、全長10cm強だ。使用しているレンズの量を考慮すると理解できるサイズである。
- 「XF56mmF1.2 R」と比べて2倍の重量があり、全長も3cmほど長い。携帯性を重視する場合は56mm F1.2を選ぶ価値がある。
- 大きなレンズだが、X-T4との組み合わせではバランスが取れている。過度なフロントヘビーとはならず、ビルドクオリティはボディに匹敵する。
- フォーカスリングは幅広く、滑らか、そして緩すぎない抵抗量で動作する。回転角は120度だが、最短撮影距離と無限遠にはハードストップが無い。
- 絞りリングは1/3段ごとに動作する。バッグに収納時は誤って操作してしまう場合があるものの、良好な抵抗量とノッチを備えている。
- X-T4とX-Pro3の組み合わせでAFはXシリーズ最速とは言えない。顔検出・瞳検出は良好に動作する。AF動作時に聞こえやすいAF駆動音が発生するため動画撮影には適していない。
- ハイコントラストな領域でのみ色収差が見られる。
- 周辺減光量は良好に抑えられており、F4まで絞ると解消する。
- 歪曲収差は良好に抑えられている。
- 絞ると良好な光条が発生するものの、いくらかフレアが発生する。
- ボケはF1.0の大口径と相まって、XFレンズ群の中では間違いなく最高のボケ味だ。意図的に球面収差が残されており、解像度は56mm F1.2と同等だ。
- シャープネス
ー中央はF1.0で少しソフトだが、F1.4で快適なシャープネスとなり、F2.8でピークに達する。回折は目立たず、F11やF16も問題なく使用可能だ。
ーフレーム端はF1.0?F2.0がソフトだが、F2.8で十分シャープな描写だ。最適な設定はF8である。
大きく重く高価なレンズだが、他のXFレンズでは実現できない描写を得ることが出来る。56mm F1.2との違いは僅かかもしれない、しかし間違いなく差は存在する。ユーザーを満足させてくれるニッチなレンズだ。AFは高速でも静かでもないが、手間いらずでF1.0の世界を体験することが可能である。
価格は1499ドルと最も高価なフジAPS-Cレンズの一つだ。とは言え、個性的でゴージャスな画質の超大口径レンズは決して期待を裏切らない描写だと思う。
DPReview
DPReview:DPReview TV: Fujifilm 50mm F1.0 review
- F1.0のレンズは光を多く取り込むことが出来るため、日中にメカニカルシャッターの速度では露出オーバーとなることがある。
- 電子先幕シャッターはボケ描写を損なうため、電子シャッターの常用がおススメだ。
- NDフィルターも便利である。
- 実際に手に取ってみると、それほど大きく嵩張る感じはしない。
- 最短撮影距離は70cmなので、クローズアップ撮影には適していない。とは言え、このようなレンズでは半身・全身を写した撮影をしたいと思うことだろう。
- フォーカスレンズが大きく多いためか、フォーカシング中にモーターの動きを感じることがある。スタジオやポートレートでは問題ない速度だ。しかし、低照度のウェディングや報道、ストリートフォトなどではギリギリと言った感じだ。いくつかチャンスを逃す場合があるかもしれない。より速いスポーツやアクションでは追従しきれない。
- 瞳AFを使うとAFが不安定となる可能性がある。時々、背景に乗り移ることがある。
- ボケは非常に滑らかで、玉ねぎボケがない。非常に綺麗で、美しく、グラデーションも良好だ。F1.0では口径食の影響があるものの、F2まで絞るとほとんど解消する。F2.8まで絞るとボケが角ばるものの、影響は極僅かだ。
- 通常、このような超大口径レンズではいくつかの妥協点がある。このレンズの場合はF2.8~F4まで絞っても軸上色収差が見られる。
- 逆光では一般的にフレアが発生するものだが、驚いたことにこのレンズは非常に良く抑えられている。コントラストはわずかに低下するが、ゴーストや明らかなフレアは発生しない。ポートレートレンズとしてはとても見事だ。
- 開放付近はあまりシャープでは無いが、F2.8まで絞ると本当に切れ味の良いレンズとなる。ポートレートレンズとしては良い味付けだ。
- シャープネスは中央から隅まで一貫している。
- 驚いたことにフォーカスブリージングが目に見えない。動画撮影で浅い被写界深度を利用したい場合は検討すべきレンズだ。動画撮影のためだけにこのレンズを購入する人もいるだろう。
- 既に「XF50mmF1.0 R WR」を所有している場合、恐らくステップアップはしないだろう。しかし、このレンズを購入する理由はいくつかある。
ー個性的で信じられないほど綺麗なボケ
ー逆光耐性
ーフルサイズに匹敵する浅い被写界深度
IMAGING RESOURCE Hands on
- レンズは頑丈な構造で、内部に使用しているガラスが大きいにも関わらず、大きすぎず、重すぎない。
- X-T4と組み合わせた際のバランスは良好だ。
- フォーカスリングは滑らかだが、絞りリングは私の好みからすると少し緩すぎる。レンズを保持しているときに誤操作しやすかった。
- 絞りリングには「C」ポジションが無い。
- プリプロダクションモデルであることを考慮すると、レンズの性能について完全に言及することは出来ない。しかし、F1.0での撮影は楽しい。
- 動いている被写体を撮影するのは難しいが、ピントが合えば、結果は素晴らしいものとなる。
- シャープネスは良好で、素晴らしいボケを備えている。収差の補正状態はとても良好に見える。
- オートフォーカスは驚くものでは無いが、F1.0のレンズであることを考えると妥協できるポイントだ。多くの状況ではとても高速である。そして低照度でも良好なフォーカシングが可能だ。
- 防塵防滴仕様とF1.0の組み合わせで最も過酷な環境で個性的な写真を撮影することが出来ると言われている。F1.0の絞り値が全ての状況に最適とは言えないが、とても価値があると思う。
- このレンズは0.7mまでしかピントを合わせることが出来ない。これは接写での使い勝手を制限してしまうものだ。
- F1.0付近で撮影して、最短撮影距離に近づけて撮影すると、被写界深度がカミソリのように薄くなる。基本的に余裕はない。
撮影時にはかなりの苦労を強いられることになるが、すべてがうまくいったときの満足感は非常に高い。
Digital Camera World
Digital Camera World:Hands on: Fujinon XF50mm F1.0 R WR review
- 安いレンズでは無いが、手が出せないほど高価なレンズでも無い。そして携帯できるレンズサイズwお維持しているので日常的に使用できるF1.0レンズである。
- 「XF56mmF1.2 R」はより安価でレンズ口径も似ている。比較して、このレンズはより明るいと言うだけでなく、より柔らかく滑らかなボケ描写を実現している。
- APS-CのF1.0レンズはフルサイズで言うところのF1.4レンズに相当する。フルサイズでF1.4haありふれたレンズだ。それは確かなことだが、富士フイルムシステムで最高のボケを得られるレンズと言うのが重要なポイントだ。
- かなり大きなレンズだが、ニコン「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」と比べると遥かに小さい。X-T4との組み合わせでバランスがとても良好だ。X-Pro3でも問題は見られない。845gはAPS-C用単焦点レンズとしてはかなり重いが、さらに重い望遠レンズは多い。
- フォーカスリングにピント距離表示や被写界深度表示はない。静的な被写体以外ではオートフォーカスの使用がおススメだ。
- 面白いことに、このレンズの前玉は凹型である。
- 77mmフィルター径は50mmレンズとしては大きめだ。とは言え、珍しいフィルターサイズでは無いのうえ、実用的なフィルターサイズだ。
- このように大きなレンズとしては、オートフォーカスが高速かつ静かな動作だ。
- 56mm F1.2と比べると非常に良好な描写を実現している。
- 球面収差を意図的に残していると述べている。絞り開放は絞った時とり少し悪いが、柔らかいボケ描写とトレードオフとなる分野だ。
ニコン「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」を試してみたが、超高価で実用的なものでは無かった。これでは無いと感じた。その一方、このレンズは携帯可能で手ごろな価格設定、実用的で美しい描写である。万人におススメできるレンズでは無いが、Xユーザーでボケが好きな人であれば後悔することは無いはずだ。
長所:実用性・滑らかな描写・効果的で正確なAF
短所:やや高価・フルサイズで言うところのF1.4
DPReview
DPReview:Hands-on with the new Fujifilm XF 50mm F1.0 R WR
- 新しいXF 50mm F1.0 R WRは、非常に狭い被写界深度を必要とするポートレートフォトグラファーやクリエイティブフォトグラファー向けの多目的低照度レンズだ。
- 当初は33mmとして計画されていたが、最終的に同社の技術者は、より広い視野を持つことで生じるサイズ、重量、コストのペナルティが実用的ではないと判断した。そこで富士フイルムの超大口径レンズは50mmになった。
- 設計段階で「小型化」されているとはいえ、XF 50mm F1.0はまだ小さなレンズとは程遠く、付属の(非常に効果的な)フードやフロント/バックキャップを除いても845g(約1.9ポンド)とかなりの重量がある。X-T4(526g、1.2ポンド)よりもかなり重い。
- その重さにもかかわらず、質量は十分に分散されており、(比較的がっちりとした)X-T4と組み合わせて、レンズが重く感じたり、バランスを崩したりすることは無い。
- 富士フイルムの小型ミラーレスの多くではそれほどうまく扱えそうにないが、それらと組み合わせて購入する可能性はかなり低い。
- ハイエンドの富士フイルムXFレンズに期待されるように、絞りを直接コントロールするための大きな機械式絞りリングをレンズに搭載している。絞りを「A」に設定することで、絞りは自動でも手動でも、設定に応じてMモードとAvモードでカメラ本体から制御することが可能だ。
- 上部にあるローレット状のリングはフォーカスリングで、マニュアルフォーカスを「フォーカス・バイ・ワイヤー」で制御することができ、スムーズに動き、正確なピント位置を細かく制御することができる。
- オートフォーカスは利用できるが、(当たり前ですが)正確には速くないし、絞り開放での被写界深度が狭いのでハンチングしやすい。
- 焦点距離75mm相当のレンズは、伝統的なポートレート撮影に最適だ。最短撮影距離が0.7mであり、最大撮影倍率は0.08倍に制限されている。撮影の中で「もっと被写体に近づきたい」と思うことが何度かあった。
- 光学的には、かなり複雑なレンズであり、非球面1枚とED(Extra-low Dispersion)2枚を含む9群12枚で構成されている。前玉は凹型で、APS-Cレンズであることを考えると、フロントフィルター77mmは比較的大きい。
- 9枚の丸みを帯びた絞り羽根が、開放絞りでの円形のボケ味を確保しているので、ポートレート撮影に熱心な写真家には喜ばれることだろう。
- レンズ名の「WR」は「Wetaher Resist」の略であり、XF 50mm F1.0は埃や湿気の侵入に対してシールされている。また、-10℃以下の温度での使用にも対応している。
DPReview:Fujifilm XF 50mm F1.0 pre-production sample gallery
開発発表(F1.0 XFレンズの構想から1年後)から1年近く経った今、プロトタイプの「XF 50mm F1.0 R WR」を手に入れた。75mm相当の画角で、ミラーレス用AFレンズの中では最も大きなレンズ口径であり、もちろん、どんな被写体に向けても、背景のボケ味が素晴らしく滑らかに表現される。サンプルギャラリーをご覧になって、その性能を実感してみてほしい。
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