2024年6月6日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。インナーズーム構造で広角寄りの標準ズームレンズ「12-30mm F4-6.3 APS-C」「20-40mm F4 FF」を想定したような実施例の光学系特許となっています。
概要
- 【公開番号】P2024076793
- 【公開日】2024-06-06
- 【発明の名称】ズームレンズ、およびそれを有する撮像装置、撮像システム
- 【出願日】2022-11-25
- 【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社- 【課題】小型および軽量でありながら、全ズーム範囲にわたり高い光学性能を有するネガティブリード型の広角ズームレンズを提供する。
- 【背景技術】
【0002】
近年、撮像装置に用いられる撮像光学系は、広画角で、全ズーム範囲にわたり高い光学性能を有する小型のズームレンズであることが望まれている。- 【0003】
特許文献1には、全系が小型で広画角化が容易なズームレンズとして、最も物体側に負の屈折力の第1レンズ群が配置されたネガティブリード型の広角ズームレンズが提案されている。- 【0004】
特許文献1にて提案されているネガティブリード型の広角ズームレンズは、広角端から望遠端へのズーミングに際し、負の屈折力の第1レンズ群を移動させることで、広画角化と高い光学性能を実現している。- 【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の広角ズームレンズのように大型で質量の大きな第1レンズ群を移動させる構成は、移動機構を複雑化し、小型化および軽量化の観点において不利である。- 【0007】
本発明は、小型および軽量でありながら、全ズーム範囲にわたり高い光学性能を有するネガティブリード型の広角ズームレンズを提供する。実施例1
- 焦点距離:12.42-29.07
- F値:4.10-6.40
- 半画角:47.72-25.17
- 像高:11.37-13.66
- 全長:82.97
- バックフォーカス:12.29
実施例4
- 焦点距離:14.40-29.10
- F値:4.10-6.29
- 半画角:43.40-25.14
- 像高:11.46-13.17
- 全長:75.06
- バックフォーカス:11.78
実施例7
- 焦点距離:20.60-39.00
- F値:4.10
- 半画角:46.40-29.01
- 像高:17.94-20.74
- 全長:97.01
- バックフォーカス:12.68
実施例8
- 焦点距離:20.60-48.50
- F値:4.10-5.88
- 半画角:46.40-24.04
- 像高:18.22-21.64
- 全長:106.52
- バックフォーカス:19.41
APS-C・フルサイズセンサー向けと思われる、インナーズーム構造の標準ズームレンズを想定しているようです。ズーム域はやや広角寄りで、最近流行りの20mmスタートなズームレンズですね。最近はパナソニックやソニー、OMデジタル、タムロンなどから似たようなコンセプトの製品が登場しています。
- FE 20-70mm F4 G
- M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
- LUMIX S 18-40mm F4.5-6.3(年内登場予定)
- LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6
- LEICA DG Vario-Summilux 10-25mm F1.7 ASPH
- 17-50mm F/4 Di III VXD
- 20-40mm F/2.8 Di III VXD
キヤノンがユーザーの声を聞き、このようなレンズの需要に応える可能性はありそう。似たような特許出願「2024-76399」には「近年、動画撮影等のために振れ補正機能を有する広角ズームレンズが広く用いられている。」とあるので、動画向けのズームレンズを想定しているのでしょうか。
ちなみに、このような光学系の特許は今回が初めてではなく、5月末にも似たような特許出願が公開されています。今回も似たような特許を複数出願しているので、キヤノンは真剣に20mmスタートの動画向けズームレンズを検討しているのかもしれませんね。パナ20-60mm・ソニー20-70mmユーザーなので、キヤノン製20mmズームも出たら買ってしまいそう。
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RF ズームレンズ
- RF10-20mm F4 L IS STM
- RF14-35mm F4 L IS USM
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- RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM
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