2023年9月28日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。モーターで動作するティルトシフト構造を専用の制御装置で操作する模様。
概要
- 【公開番号】P2023135457
- 【公開日】2023-09-28
- 【発明の名称】制御装置、レンズ装置、撮像装置、及びカメラシステム
- 【出願日】2022-03-15
- 【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社- 【課題】操作の手間や時間を短縮し、ティルト撮影とシフト撮影の利便性を向上可能な制御装置を提供すること。
- 【背景技術】
【0002】
特許文献1には、二つの光学素子群を光軸直交方向へ移動させることで、ピントの合う範囲を調整するティルト撮影と撮影画角を変更したり歪みを矯正したりするシフト撮影を実行可能な光学系が開示されている。- 【0004】
近年、ティルト撮影とシフト撮影を用いる場面は増えてきており、このような撮影における操作の手間や時間の短縮が急務となっている。しかしながら、特許文献1の光学系では、操作の手間や時間の短縮については述べられていない。- 【0005】
本発明は、操作の手間や時間を短縮し、ティルト撮影とシフト撮影の利便性を向上可能な制御装置を提供することを目的とする。- 【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面としての制御装置は、撮像素子を備える撮像装置、及び撮像素子の撮像面に対してピント面を傾けるティルト効果と撮影範囲を移動させるシフト効果との少なくとも一方を変更するための少なくとも一つの光学部材を備えるレンズ装置を有するカメラシステムに用いられる制御装置であって、操作部に対する操作に基づく第1の操作指示を取得した場合、操作に応じて少なくとも一つの光学部材を移動させる第1制御部と、第1の操作指示とは異なる第2の操作指示を取得した場合、少なくとも一つの光学部材を予め設定された位置に移動させる第2制御部とを有することを特徴とする。
- 【0014】
本実施形態では、6群レンズ26と8群レンズ28を光軸Oと直交する方向へ移動させることで、ティルト効果やシフト効果を変更させることができる。具体的には、6群レンズ26と8群レンズ28を反対方向へ移動させると、ティルト効果を変更することができ、同じ方向へ移動させるとシフト効果を変更することができる。レンズ側CPU9は、6群レンズ26の移動量を検出する不図示の検出部からの信号を用いて、駆動部を介して6群レンズ26の移動を制御する。また、レンズ側CPU9は、8群レンズ28の移動量を検出する不図示の検出部からの信号を用いて、駆動部を介して8群レンズ28の移動を制御する。6群レンズ26と8群レンズ28を移動させる駆動部は例えば、ステッピングモータやボイスコイルモータ(VCM)である。なお、レンズを倒す(回転させる)ことでティルト効果を変更することも可能である。- 【0019】
図3は、ティルト効果及びシフト効果を変更するための操作部500の説明図である。操作部500は、方向キー501、スライドスイッチ(選択部)502、及び決定/キャンセルボタン503を備える。操作部500は、撮影者が操作可能にレンズ鏡筒2に設けられている。なお、操作部500は、本実施形態ではレンズ鏡筒2に設けられているが、カメラ3に設けられてもよい。また、操作部500の一部(例えば方向キー501)はレンズ鏡筒2に設けられ、他の一部(例えば決定/キャンセルボタン503)はカメラ3に設けられていてもよい。また、方向キー501の代わりに、ジョイスティック、レバー、及び操作リング等の操作部材を使用してもよい。また、操作部500を設ける代わりに、例えば表示部14上に操作部500と同様の機能を実行させるための画面を表示するようにしてもよい。また、カメラシステム1に設けられている既存の操作部材に、操作部500の機能を割り当ててもよい。
電子制御で動作するティルト・シフトレンズを操作する仕組みに関する特許のようですね。ティルトシフトレンズの電動機構について具体的な説明はありませんが、ステッピングモーターやボイスコイルモーターの使用を想定している模様。既存のティルトシフトレンズは全てノブで手動制御していることを考えると、電動式は画期的なレンズとなりそう。ただし、電動式でリボルビングに対応できるのか気になるところですが…。
噂では、来るTS-Rレンズが「AFに対応する」と言った話もありましたが、「ティルトシフトが電動式になる」と言った話は無かったはず…。また、今回はあくまでも特許であり、この特許の存在で未来の電動式ティルトシフトレンズが確約された訳ではありません。過度な期待は禁物ですが、個人的には見てみたいですねえ。
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