2023年11月9日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。構図シフトを抑制しつつティルト撮影が可能になる光学系「180mm F3.5」「200mm F2.8」「135mm F3.5」「90mm F3.5」などを実施例として掲載しています。
概要
- 【公開番号】P2023162714
- 【公開日】2023-11-09
- 【発明の名称】光学系およびそれを有する撮像装置
- 【出願日】2022-04-27
- 【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社- 【課題】 全系が小型でありながら、構図シフトを低減しつつピントの合う物体面を大きく傾けることのできる光学系を得ること。
- 【背景技術】
【0002】
光軸と垂直な方向に対して傾いた物体面にピントを合わせる撮影をチルト撮影と呼ぶ。チルト撮影において、映像表現の幅を広げるためピントの合う物体面を大きく傾けることが求められている。- 【0003】
この撮影を実現する光学系としてチルト機構(アオリ機構)を設けた撮像光学系が知られている。- 【0004】
一方で、チルト機構を有する撮像光学系はチルト時に構図がシフト(以後、「構図シフト」とも記載する)してしまい、利便性を損ねる場合があった。- 【0005】
これに対して、光軸方向に対して垂直方向に移動するレンズ部を複数設けた撮像光学系が知られている(特許文献1)。特許文献1ではチルト撮影時、前記レンズ部Aは光軸方向に対して垂直方向に移動し、前記レンズ部Bは、前記レンズ部Aで発生したシフト効果を補正するように光軸方向に対して垂直方向に移動することで、構図シフトの小さいチルト撮影を可能としている。- 【0007】
特許文献1のような光軸方向に対して垂直方向に移動するレンズ部を複数設けた撮像光学系は、チルト撮影時にレンズ部を光軸方向に対して垂直方向に移動させるため、光学偏心による収差が発生する。この偏心による収差は、チルト撮影を行う物体面の傾き量が増加するにつれて、発生量が大きくなる。特許文献1においては、光軸方向に対して垂直方向に移動するレンズ群Aが負の屈折力を有するため、レンズ部Bに入射する軸外光の光軸からの高さが高くなり、レンズ部Bが偏心した際に発生する偏心収差の発生量が多くなる。また、軸外光の光軸からの高さが高くなるためレンズ部Bの径が大型化する。したがって、レンズ部Bの偏心量を多くすることが困難となり、その結果ピントの合う物体面を大きく傾けることは難しい。- 【0008】
そこで本発明は、全系が小型でありながら、構図シフトを低減しつつピントの合う物体面を大きく傾けることのできる光学系及びそれを有する撮像装置の提供を目的とする。実施例1
- 焦点距離:179.88
- F値:3.60
- 半画角:6.86
- 像高:21.64
- 全長:198.10
- バックフォーカス:27.03
実施例3
- 焦点距離:193.86
- F値:2.88
- 半画角:6.37
- 像高:21.64
- 全長:182.73
- バックフォーカス:26.48
実施例4
- 焦点距離:97.23
- F値:2.88
- 半画角:12.54
- 像高:21.64
- 全長:176.52
- バックフォーカス:14.71
実施例5
- 焦点距離:89.85
- F値:3.50
- 半画角:13.54
- 像高:21.64
- 全長:184.06
- バックフォーカス:28.19
実施例7
- 焦点距離:134.80
- F値:3.50
- 半画角:9.12
- 像高:21.64
- 全長:135.33
- バックフォーカス:37.11
バックフォーカス短めの、ミラーレス向けとなるティルトレンズを想定したような光学系ですね。ティルト撮影時に構図がずれてしまう問題に対し、光軸方向に対して垂直方向に移動するレンズ部を複数設けることで解決しようとしているようです。一眼レフ時代の光学系と比べるとかなり複雑なレンズとなりそうですね。
これらの光学系を採用した商品が実際に登場するのかはまだ分かりません。しかし、ここ最近はキヤノンは以前からティルト・シフトレンズに関する特許出願を目にする機会が多いのも確か。特にミラーレス向けの光学系を実際に目にするのは初めてな気もします(撮影システムや構造に関する特許はあった)。キヤノンは近い将来登場するであろう「ミラーレスのティルトシフトレンズ」に向けて研究開発を進めているのかもしれません。
参考:関連する特許
- キヤノン ティルトシフトレンズの情報をカメラに表示する特許出願
- ティルト・シフト中でも高精度にピントを合わせ続けるキヤノンの特許出願
- キヤノンの手持ち撮影にも対応する電動ティルトシフトレンズに関する特許出願
- キヤノン 電動式ティルトシフトレンズの操作方法に関する特許出願
キヤノンRFレンズ一覧
RF ズームレンズ
- RF10-20mm F4 L IS STM
- RF14-35mm F4 L IS USM
- RF15-35mm F2.8 L IS USM
- RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM
- RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM
- RF24-70mm F2.8 L IS USM
- RF24-105mm F2.8 L IS USM Z
- RF24-105mm F4 L IS USM
- RF24-105mm F4-7.1 IS STM
- RF24-240mm F4-6.3 IS USM
- RF28-70mm F2 L USM
- RF70-200mm F2.8 L IS USM
- RF70-200mm F4 L IS USM
- RF100-300mm F2.8 L IS USM
- RF100-400mm F5.6-8 IS USM
- RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
- RF200-800mm F6.3-9 IS USM
RF 単焦点レンズ
- RF16mm F2.8 STM
- RF24mm F1.8 Macro IS STM
- RF28mm F2.8 STM
- RF35mm F1.4 L VCM
- RF35mm F1.8 Macro IS STM
- RF50mm F1.2 L USM
- RF50mm F1.8 STM
- RF85mm F1.2 L USM
- RF85mm F1.2 L USM DS
- RF85mm F2 Macro IS STM
- RF100mm F2.8 L Macro IS USM
- RF135mm F1.8 L USM
- RF400mm F2.8 L IS USM
- RF600mm F4 L IS USM
- RF600mm F11 IS STM
- RF800mm F11 IS STM
- RF800mm F5.6 L IS USM
- RF1200mm F8 L IS USM
RF-S レンズ
- RF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STM
- RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM
- RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM
- RF-S55-210mm F5-7.1 IS STM
特許関連記事
- キヤノン「24-130mm F4 IS」「24-80mm F2.8 IS」のような光学系の特許出願
- キヤノン ティルト効果をタッチ操作で簡単に調整する仕組みの特許出願
- 富士フイルム レンズ固定式GFX用と思われる「35mm F3.5」「40mm F3.5」「50mm F3.5」光学系の特許出願
- RF70-150mm F2 L のような特許内の光学系は実際に登場する可能性がある?
- キヤノン 50-250mm F4.5-5.6 を想定したようなAPS-C向け光学系の特許出願
- キヤノン 70-150mm F1.8 フルサイズミラーレス向け光学系の特許出願
- ニコン 35 / 50 / 85 mmのF1.4 / F1.8 光学系の特許出願
- キヤノン「400mm F4 TC DO」「600mm F4 TC DO」を想定したような光学系の特許出願
- キヤノン RF28-70mm F2.8 IS STM 用と思われる光学系の特許出願
- シグマ フルサイズミラーレス用「50-100mm F1.8」「45-90mm F1.8」光学系の特許出願