XitekがP&E Chinaでのニコン インタビュー記事をピックアップしています。超望遠レンズはZ 9と共に登場し、その前哨戦として新製品を用意しているとのこと。また、近日中にマイクロレンズも登場するのだとか。(更新:一部の誤訳を修正しました)
世界市場の状況と今後の展望について
- 昨年は新型コロナウイルスの影響で映像産業の需要がしばらく落ち込んだが、2020年下半期以降の売り上げだがは明らかに増加傾向を示しており、売り上げは伸びている。ニコンはミラーレスカメラやレンズのライナップを引き続き優先して拡大する予定だ。
中国での動向について
- カメラの販売は着実に回復してきている。
ミラーレス市場について
- 中高価格帯の製品に関する需要が安定しており、今後も伸びる可能性がある。デジタル一眼レフユーザーの一部がミラーレスに切り替わる可能性が高く、さらに活性化するだろう。ニコンもここに注力している。
- ミラーレスの利点を最大限に活かし、プロやアマチュアの心に響く製品を開発する。
ミラーレス市場に対する戦略について
- 前述したとおり、中・上位機種に注力する。カメラやレンズのハードウェアのみならず、ソフトウェアやアプリケーションを含めたソリューションを充実させ、システムの完成度を高めてゆく。
東京オリンピックについて
- 1964年の東京オリンピックから、ニコンは機材の貸し出しサービスを実施中だ。それは2021年の今季オリンピックまで継続している。今後も機材のレンタルや技術サポートを継続してゆく。
- 近年は遠隔操作による撮影の需要が高まっており、B to B分野でのネットワーク利用の需要もある。ニコンはこの分野のサポートを強化し、より良いアングルで撮影できるようにしてゆく。オリンピックに向けて、多くのプロフェッショナルの意見を取り入れたシステムも準備中だ。
Z 9の発売日について
- 2021年内を目指している。楽しみにして欲しい。
Z 9の開発状況について
- 上手くいっている。ニコンの最先端技術を結集し、写真・動画撮影で過去最高のパフォーマンスを目指している。
D850やD780後継モデルの予定は?
- 現在は、ミラーレスの開発に注力している。中国市場では市場規模が縮小しており、一眼レフユーザーがミラーレスへ徐々に移行している。
- 一眼レフは当社の基盤となる重要なセグメントの一つだ。市場のフィードバックを把握し、期待に応えるべく製品・戦略を立案する。
APS-C Zカメラ・レンズの予定は?
- エントリーを含めた幅広い層をカバーする製品群を充実させ、価値のある製品を提供していきたいと考えている。
NIKKOR Zの超望遠レンズはいつ登場?
- 多くのお客様が超望遠Zレンズを待っていることは理解している。現在、開発中であり、Z 9の正式発表に合わせて同時に投入したいと考えている。
- Z 9の前哨戦として、Zシリーズの魅力を最大限に引き出す新レンズを用意しているので楽しみにして欲しい。
次の新製品投入タイミングについて
- 初のNIKKOR Zマクロレンズが近日中に登場する。
動画分野での戦略について
- 8Kの需要は今後も高まると予想され、ユーザーのニーズに応えるために魅力的な動画機能の提供が重要と考えている。
- 静止画と動画の境界があいまいになってきた時代にも柔軟に対応する。
2020年と2021年Q1のニコン中国における業績
- パンデミックの影響で2020年1月から3月は非常に厳しい状況が続いた。その後は改善傾向にあり、2020年8月以降にZ 7II・Z 6II・Z 5などを発売し、レンズも含めて前年よりも売り上げが伸びている。
- レンズは「大三元」が揃い、50mm F1.2などが登場してラインアップを拡充している。そして今年は待望のZ 9や超望遠レンズを発売予定だ。
24-105mmや70-200mm F4について
- 今後の具体的な製品開発について言及は出来ない。
- 今言えるのは、市場価値のある製品を提供しようと努力していることだ。
- 2022年末までに30本近くのNIKKOR Zレンズの発売を予定している。
Nikon DLについて
- 今のところミラーレスシステムに注力している。
内部記録可能なN-Logを実装する予定はあるか?
- 内部記録は重要と考えており、現在ニーズに応えるべく製品戦略を練っている。
一眼レフカメラの今後について
- 前述した通り、現在はミラーレスに注力している。一眼レフは徐々に市場が縮小している。
エントリー向けZカメラについて
- 中・上位機種を中心に展開しているが、エントリーを含めた幅広い層をターゲットにした戦略でユーザー層を拡大していきたいと考えている。
Z 9の位置付け
- D6と同じプロ向けだ。幅広い分野で活躍するプロフェッショナルのニーズを参考にして開発を進めている。
縦位置グリップ固定のデザインについて
- 過酷な状況で撮影するプロの負担やストレスを軽減するため、快適な使用感と最適なエルゴノミクスを実現するためにこのデザインを採用した。
ピクセルシフトマルチショットについて
- 検討中だ。
市場の活性化について
- 既にカメラをお持ちの人は更新する頻度が高くないかもしれない。しかし、写真の面白さはレンズにもある。レンズを変えることで異なる写真体験を楽しんでいただけるような製品・サービスを提供予定だ。
- 新規ユーザー獲得のため、SNSやVlogを意識した、魅力的な製品やサービスを提供して市場の活性化を図る。
フラッグシップモデルについて
- 具体的な特徴は正式発表をお待ちいただきたいが、新型プロセッサによってAF性能が大幅に向上し、次世代の映像性能を実現している。さらに新開発の積層型CMOSセンサーや8K動画の対応、それ以外にも新しい撮影体験を提供し、ユーザーの皆様に驚きを与えられるように準備を進めている。
とのこと。
レンズロードマップ上に存在するマイクロレンズやパンケーキレンズがいよいよ登場しそうな雰囲気となってきましたね。いつ頃登場なのかハッキリとしていませんが、「近日中」と言われています。Z 9と共に登場する超望遠レンズはロードマップにおけるどのレンズとなるのか気になるところですね。
24-105mmもロードマップで示されていますが、今回のインタビューを見る限りでは近日中の登場は無さそうですね。70-200mm F4も可能性は低そうです。今のところ200mmを超える焦点距離のZレンズが無いので、100-400mmや200-600mmを待っている人は多いはず。
Z 9に関する新しい情報は今のところありませんが、いまのところ予定通り2021年内に登場が期待できそうですね。D6と同じプロ向けモデルとなるので、それなりに価格設定も高くなると思われます。超望遠レンズを含めて、軍資金を貯めておくのが良さそう。
参考:ニコン現行レンズとロードマップ
Z ズームレンズ
- NIKKOR Z 14-30mm f/4 S
- NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
- NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3
- NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
- NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
- NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
- NIKKOR Z 70?200mm f/2.8 VR S
Z 単焦点レンズ
- NIKKOR Z 20mm f/1.8 S
- NIKKOR Z 24mm f/1.8 S
- NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
- NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
- NIKKOR Z 50mm f/1.2 S
- NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct
- NIKKOR Z 85mm f/1.8 S
Z DXレンズ
ロードマップ
参考:フラッグシップモデルの噂
Nikon Z 最上位モデル「Z 9」最新情報・噂 まとめページ
噂など
確定情報
- Z 9が開発発表されている
- インタビューで「2021年内」と述べている
- インタビューで「高解像積層型CMOS搭載」と述べている
- 海外認証機関に新型バッテリー「EN-EL18d」が登録されている
噂
- タワージャズ製の完全自社開発のCMOSセンサーとなる
- 2021年秋ごろZ 9が登場する
- Z 8はまだ正式に計画されていない
- Z 9のプロトタイプは来年の東京オリンピックで使用されるかもしれない
- Z 400mm F2.8もまた、来年のオリンピックに向けて登場すると言われている
- Z 9はD6のボディに、R5のイメージング、α9 IIのAF、ブラックアウトフリーのEVFと言われている
- 4600万画素センサー(以前の噂では6100万画素と言われていた)
- 高解像積層型CMOSセンサー
- 20コマ秒連写
- 8K 30p・4K 120p
- 新しいEXPEEDプロセッサ(8K用の設計)
- AFが向上(被写体認識AF)
- デュアルXQD・CFexpress Bスロット
- ISO64-25600 Hi1・Hi2
- 高解像・ブラックアウトフリーEVF
- 新しいユーザーインターフェース
ーD6のような背面サブモニタなし - 新型バッテリー:EN-EL18x
- ギガビットLAN・USB-C・Wi-Fi・GPS
- 6000-7000ドル
参考:開発発表時のプレスリリース
ニコン:フラッグシップモデルのフルサイズミラーレスカメラ「ニコン Z 9」を開発
株式会社ニコン(社長:馬立 稔和、東京都港区)は、「ニコン Z マウント」を採用した初のフラッグシップモデルとなる、フルサイズ(ニコンFXフォーマット)ミラーレスカメラ「ニコン Z 9」の開発を進めています。発売は、2021年内を目指しています。
ニコンの最先端技術を「Z 9」に結集させ、静止画・動画ともに過去最高の性能を発揮することを目指しています。幅広いジャンルで活躍するプロフェッショナルの極めて高いニーズに応えるべく、鋭意開発を行っています。
新開発のニコンFXフォーマット積層型CMOSセンサーと画像処理エンジンを搭載。また、次世代の映像表現を見据え、8K動画撮影をはじめとした、さまざまなニーズやワークフローに応える多彩な動画機能を有します。
「Z 9」は、道具としての使い心地を極め、これまでの一眼レフカメラ、ミラーレスカメラを超える新しい映像体験を提供します。
Z 9関連記事
- ニコン Z 8などのファームウェアアップデートは問題発生で延期している?
- ニコンは間もなくEXPEED 7 モデルを中心に新ファームウェアを公開する?
- ニコンZ 9のAFを強化する新ファームウェアが近いうちに公開される?
- ニコンのRED買収は2022年の訴訟を契機としている
- ニコンがZ 9用のファームウェア Ver 5.00を公開
- ニコン Z 9 Ver3.0・4.0の大部分は要望や意見を反映したもの
- ニコンは間もなくZ 8やZ 9の大規模なファームウェアアップデートを発表する?
- ニコン Z 8とZ 9の新ファームウェアに関する詳細の噂情報
- RAW対応プリキャプチャに対応するZ 8 / Z 9用ファームウェアが近日登場?
- ニコンは2024年に解像度が低めの最速モデルZ 9Hを発表する?
サイト案内情報
Facebookで最新情報やカメラ・レンズのレビューを発信しています。
「いいね!」を押すとFacebookの最新情報が届きます。