2023年8月30日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。フローティングフォーカス構造の大口径レンズ「24mm F1.4」「35mm F1.4」「50mm F1.4」に関する光学系の実施例をいくつか含んでいるようです。
概要
- 【公開番号】P2023120952
- 【公開日】2023-08-30
- 【発明の名称】光学系および撮像装置
- 【出願日】2022-02-18
- 【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社- 【課題】広画角、大口径比で高速なフォーカシングが可能な小型の光学系を提供する。
- 【背景技術】
【0002】
CCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子を用いた撮像装置には、広画角かつ大口径比でありながら小型で高い光学性能を有する光学系が求められている。また、光学系において、高速なオートフォーカスを行うことも求められている。特許文献1、2には、フォーカシングにおいて光学系の内部に配置されたフォーカスレンズ群を駆動するインナーフォーカス方式の光学系が開示されている。- 【0004】
広画角で大口径比の光学系では、諸収差の補正が困難という問題がある。特に高速なフォーカシング(オートフォーカス)を行うためにフォーカスレンズ群を軽量化すると、無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングにおいて収差変動の抑制が困難になる。- 【0005】
本発明は、広画角かつ大口径比でありながらも高速なフォーカシングが可能な小型の光学系およびこれを備えた撮像装置を提供する。実施例1
- 焦点距離:24.36
- F値:1.44
- 半画角:41.61
- 像高:21.64
- 全長:106.56
- バックフォーカス:12.72
実施例2
- 焦点距離:34.09
- F値:1.45
- 半画角:32.40
- 像高:21.64
- 全長:113.84
- バックフォーカス:13.67
実施例3
- 焦点距離:48.50
- F値:1.45
- 半画角:24.04
- 像高:21.64
- 全長:108.70
- バックフォーカス:11.47
フルサイズミラーレスを意識したと思われる大口径の単焦点レンズに関する特許のようですね。それぞれ「24mm F1.4」「35mm F1.4」「50mm F1.4」の実施例となっており、どの光学系も現在のラインアップには存在しないパラメータ。F1.2ほど大きく重く、高価ではない、このようなF1.4レンズを待ち望んでいる人は多いはず。もちろん、今回の特許出願が商品化されるかどうかは分かりません。(特許出願の数だけで言えば、可能性は低いです)
どの光学系もフローティングフォーカス構造を採用しており、近接時の収差変動を抑制するような設計となっています。ナノUSMで駆動するにはフォーカスレンズが多く、大きめのサイズとなりそうなので、このまま実用化するのであればリングUSMを使うのかもしれませんね。
RFレンズ一覧
RF ズームレンズ
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