2024年7月29日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。明るめの超望遠ズームレンズを想定したと思われる「400-600mm F2.8-4」「300-600mm F2.8-4.5」「70-300mm F4」などの実施例が含まれています。
概要
- 【公開番号】P2024101302
- 【公開日】2024-07-29
- 【発明の名称】ズームレンズ及びそれを有する撮像装置、撮像システム
- 【出願日】2023-01-17
- 【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社- 【課題】小型かつ大口径でありながら高い光学性能が得られるズームレンズを提供すること。
- 【背景技術】
【0002】
近年、ズーム機能を備え、小型かつ大口径でありながら高い光学性能を有する望遠レンズが求められている。特許文献1には、軽量化と望遠化を図るために、物体側から像側へ順に配置された、正、負、正の屈折力の第1乃至第3レンズ群、1以上のレンズ群を含む後続群により構成され、複数のコンバータレンズを有する光学系が開示されている。特許文献2には、小型軽量化と高画質化を両立するため、物体側から像側へ順に配置された、正、負の屈折力の第1及び第2レンズ群、1以上のレンズ群を含む後続群を有し、第1レンズ群が複数の部分群により構成される光学系が開示されている。特許文献3には、光学性能の改善と軽量化を両立するため、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、第2レンズ群、1以上のレンズ群を含む後続群を有し、第1レンズ群に空気間隔を確保する光学系が開示されている。- 【0004】
しかしながら、特許文献1の光学系では、第1レンズ群と第2レンズ群の屈折力を適正化して小型化を図りつつ、複数のコンバータレンズで望遠化を図ることも可能であるが、撮像素子が大型化した場合、小型化を実現することが困難である。特許文献2の光学系では、ズーミング時に主変倍群の間隔を変化、又は主変倍群の構成枚数を増やし、高画質化を図ることも可能だが、大口径化を実現することが困難である。特許文献3の光学系では、各レンズ群の構成を適正化し、軽量化と色収差抑制の両立を図っているが、大口径化を図ると、小型化を実現することが困難である。- 【0005】
本発明は、小型かつ大口径でありながら高い光学性能が得られるズームレンズを提供することを目的とする。実施例1
- 焦点距離:409.335-582.738
- F値:2.880-4.100
- 半画角:3.025-2.126
- 像高:21.635
- 全長:475.002
- バックフォーカス:39.500
実施例2
- 焦点距離:306.239-582.535
- F値:2.900-4.600
- 半画角:4.041-2.127
- 像高:21.635
- 全長:475.001
- バックフォーカス:41.785
実施例3
- 焦点距離:71.997-291.389
- F値:4.120
- 半画角:16.725-4.246
- 像高:21.635
- 全長:276.801-332.801
- バックフォーカス:39.493-64.844
実施例6
- 焦点距離:101.052-291.652
- F値:4.120
- 半画角:12.084-4.242
- 像高:21.635
- 全長:279.187-308.962
- バックフォーカス:39.496-52.523
全体的に開放F値が小さ目の明るい望遠ズームレンズを想定したと思われるフルサイズ用の光学系に見えます。600mmまでをF4やF4.5でカバーしているズームレンズは便利そうですね。カバーしている焦点距離を考慮すると「RF100-300mm F2.8 L IS USM」との繋がりが良さそうですね。決して安価なレンズではないと思いますが、このようなズームレンズを期待している人は多いと思われます。
同時に「100-300mm」の範囲をF4でカバーする光学系も掲載。「RF100-300mm F2.8 L IS USM」に対するF4ズームと考えると面白い選択肢となるかもしれません。比較的コンパクトですが、「RF70-200mm F4 L IS USM」よりも光学系の全長が倍以上。300mm F4のためにこのサイズを許容できるのか悩ましいところ。
いずれにせよ、特許出願の段階であり、これら実施例が商品化されるレンズの光学系となるのかは不明。
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