キヤノン「70-150mm F2」「70-200mm F2.8」インナーズーム光学系の特許出願

2023年12月13日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。「70-150mm F2」「70-200mm F2.8」「100-400mm F4」など大口径のインナーズームタイプの望遠レンズと思われる実施例を複数掲載しています。

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Various large aperture telephoto zoom lenses that combine compactness and light weight with high image quality are listed as examples.

Example 1 covers the focal length of "70-150mm" with a large aperture of "F2", which would be a good zoom lens to connect with the existing "RF28-70mm F2 L USM". The short back focus makes it unsuitable for tele conversion lenses, but it appears that the inner zoom does not change the overall length of the lens.

Example 2 is the inner zoom type "70-200mm F2.8". While the "RF70-200mm F2.8 L IS USM" is an extending type zoom lens and does not support a tele conversion lens, this optical system appears to have enough space to attach a tele conversion lens with the inner zoom. Example 3 also shows a similar optical system.

The parameters of Example 4 are reminiscent of the "100-300mm F2.8", but it is a different optical system from the commercialized "RF100-300mm F2.8 L IS USM".

Example 5 is the "100-400mm F4. Although the "EF200-400mm F4L IS USM Extender 1.4×" exists in the SLR era, it seems to be versatile since the wide-angle side can be used from 100mm. However, there does not seem to be room for a built-in extender. Nevertheless, there is no bright telephoto zoom lens in the current RF lens lineup, so this may be in demand.

As usual, it seems unlikely that the patent application embodiment will be commercialized. While previous trends indicate that there is no possibility, do not get your hopes up too high.

概要

【公開番号】P2023176289

【公開日】2023-12-13

【発明の名称】ズームレンズおよびそれを有する撮像装置、撮像システム

【出願日】2022-05-31

【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社

【課題】長焦点距離かつ大口径比でありながら、小型軽量化と高い光学性能を両立したズームレンズを提供する。

【背景技術】
【0002】
撮像装置に用いられるズームレンは、小型かつ軽量であり、色収差をはじめとする諸収差を良好に補正し、高い光学性能を有することが要望されている。また、ズームレンズは、望遠端における焦点距離が長く、Ｆナンバーが小さく大口径比であることが要望されている。さらに、ズームレンズは、ズーム比が大きく、製造が容易であることが要望されている。

【0005】
しかしながら、特許文献１に記載のズームレンズでは、色収差をはじめとする緒収差が大きくなる傾向があり、高い光学性能を有することが困難であった。緒収差を良好に補正するためにズームレンズを構成しているレンズ群のパワーを弱くすると、ズームレンズが大型化してしまう。さらに、ズームレンズを構成しているレンズ群を多群化することで収差補正を行うと、メカ機構が複雑化してズームレンズが大型化してしまう。

【0006】
本発明は、長焦点距離かつ大口径比でありながら、小型軽量化と高い光学性能を両立したズームレンズを提供する。

実施例1

焦点距離：72.10-146.49

F値：2.05

半画角：16.70-8.40

像高：21.64

全長：217.31

バックフォーカス：13.71

実施例2

焦点距離：72.12-194.03

F値：2.90

半画角：16.70-6.36

像高：21.64

全長：217.47

バックフォーカス：37.98

実施例4

焦点距離：98.00-291.00

F値：2.90

半画角：12.64-4.25

像高：21.64

全長：317.42

バックフォーカス：38.00

実施例5

焦点距離：101.97-389.88

F値：4.10

半画角：11.98-3.18

像高：21.64

全長：359.04

バックフォーカス：52.64

小型軽量化と高画質を両立した様々な大口径の望遠ズームレンズが実施例として掲載されています。

実施例1は「70-150mm」の焦点距離を「F2」の大口径でカバーしており、既存の「RF28-70mm F2 L USM」と繋がりの良いズームレンズとなりそうです。バックフォーカスが短いのでテレコンバージョンレンズには非対応と思われますが、インナーズームで全長の変化はない模様。

実施例2はインナーズームタイプの「70-200mm F2.8」。「RF70-200mm F2.8 L IS USM」が伸びるタイプのズームレンズで、テレコンバージョンレンズにも対応していないのに対し、本光学系はインナーズームでテレコンを装着できる十分な空間が確保されているように見えます。実施例3も似たような光学系を掲載。

実施例4のパラメータは「100-300mm F2.8」を彷彿とさせるものですが、商品化された「RF100-300mm F2.8 L IS USM」とは異なる光学系ですね。

実施例5は「100-400mm F4」。一眼レフ時代に「EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4×」が存在するものの、広角側を100mmから利用できるので汎用性が高そう。ただし内蔵エクステンダーを装着する余地は無さそうです。とは言え、現行のRFレンズラインアップには明るい超望遠ズームレンズが無いので、これはこれで需要があるかもしれませんね。

いつも通り、特許出願の実施例が商品化される可能性は低いと思われます。これまでの傾向から可能性はゼロと言えないものの、過度な期待は禁物です。

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