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キヤノン 小型軽量でパワーズームも想定した動画向けのインナーズーム光学系

2024年7月4日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。小型軽量でパワーズームも想定した動画向け「15-30mm F4-6.3 IS」「12-30mm F4-6.3 IS」「20-50mm F4-6.3 IS」のような光学系が複数掲載されています。

概要

  • 【公開番号】P2024090359
  • 【公開日】2024-07-04
  • 【発明の名称】ズームレンズ及びそれを有する撮像装置、撮像システム
  • 【出願日】2022-12-23
  • 【出願人】
    【識別番号】000001007
    【氏名又は名称】キヤノン株式会社
  • 【課題】防振レンズ群を有しつつ、ズーム全域で光学性能が良好に抑えられた、小型・軽量かつ動画撮影に好適なズームレンズを提供すること。
  • 【背景技術】
    【0002】
    従来、防振レンズ群を光軸に略垂直な方向へ移動させて防振を行う防振機構を有し、変倍時に高速なズーム操作が可能なズームレンズが提案されている。特許文献1には、物体側より像側へ順に配置された、負、正、負、正の第1乃至第4レンズ群からなり、軽量な第2レンズ群及び第3レンズ群を移動させることで変倍を行い、第4レンズ群を防振レンズ群として機能させるズームレンズが開示されている。
  • 【0004】
    電動ズーム機能を搭載したズームレンズにおいて、駆動レンズ群の質量が大きい場合、レンズ群駆動用のアクチュエーターへの負荷が大きくなるため、静音かつ迅速にズーミングやフォーカシングを行うことが困難となる。また、メカ機構を含む防振レンズ群も質量が大きくなりやすい。そのため、ズーミングやフォーカシング時の静音性を確保しつつ、全ズーム領域において高い光学性能を得るためには、各レンズ群及び防振レンズ群の構成、屈折力、及び配置を適切に設定する必要がある。
  • 【0006】
    本発明は、防振レンズ群を有しつつ、ズーム全域で光学性能が良好に抑えられた、小型・軽量かつ動画撮影に好適なズームレンズ及びそれを有する撮像装置、撮像システムを提供することを目的とする。

実施例1(管理人注:おそらくAPS-C用)

  • 焦点距離:14.40-29.10
  • F値:4.10-6.35
  • 半画角:43.49-25.15
  • 全長:72.59
  • バックフォーカス:12.86

実施例4(管理人注:おそらくAPS-C用)

  • 焦点距離:12.33-27.40
  • F値:4.10-6.40
  • 半画角:47.94-26.50
  • 全長:74.60
  • バックフォーカス:12.86

実施例5(管理人注:おそらくフルサイズ用)

  • 焦点距離:20.60-38.80
  • F値:4.10-6.18
  • 半画角:46.40-29.14
  • 全長:105.05
  • バックフォーカス:22.05

本日公開された他の特許出願(パワーズーム明記フルサイズ用インナーズーム光学系)とよく似ていますが、より小型軽量な光学系となっているようです。図面ではパワーズームや手振れ補正が明記されていないものの、文献内では両方を想定した光学系であることが明記。また、「動画撮影に好適な」と言及しています。最近流行りの広角寄り標準ズームでパワーズーム機能を利用できる便利なレンズとなりそう。

これらの特許から商品化されるのか、どれも商品化されないのか、今のところ分かりません。とはいえ、キヤノンが動画需要に向けたパワーズーム機能のあるレンズを検討しているのは確かなようです。ニコンやソニーは広角パワーズームですが、今回の特許のように広角寄りの標準パワーズームレンズだと使いやすそうですねえ。

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