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キヤノン「15mm F2.8」「18mm F2.8」「20mm F2.8」を想定したような光学系の特許出願

2023年12月27日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。インナーフォーカス光学系の「15mm F2.8」「18mm F2.8」「20mm F2.8」を想定したような実施例が含まれています。

概要

  • 【公開番号】P2023183153
  • 【公開日】2023-12-27
  • 【発明の名称】光学系及びそれを有する撮像装置
  • 【出願日】2022-06-15
  • 【出願人】
    【識別番号】000001007
    【氏名又は名称】キヤノン株式会社
  • 【課題】小型軽量で高い光学性能を有する光学系を提供すること。
  • 【背景技術】
    【0002】
    近年、小型でありながら、高い光学性能を有する広角レンズが求められている。特許文献1には、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の前側レンズ群、開口絞り、負の屈折力のフォーカシングレンズ、正の屈折力の後側レンズ群からなるレンズが開示されている。特許文献2には、3個のレンズ群からなり、フォーカシングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化し、最も像側に配置されたレンズの像側のレンズ面が像側に向いた凹面であるレンズが開示されている。
  • 【0004】
    しかしながら、特許文献1のレンズは、前側レンズ群が正の屈折力を有するため、小型化が困難である。また、最も像側に配置されたレンズと該レンズの像側に隣接して配置されたレンズとの間の空気間隔(空気レンズ)の物体側の面の曲率が強くなるため、像面湾曲が悪化する。
  • 【0005】
    また、特許文献2のレンズは、フォーカシングに際して移動するレンズの枚数が多く、小型化が困難である。また、絞りが像側に近い位置に配置されるため、レンズ前玉が大きくなり、小型化が困難となる。
  • 【0006】
    本発明は、小型軽量で高い光学性能を有する光学系を提供することを目的とする。
  • 【0007】
    本発明の一側面としての光学系は、物体側から像側へ順に配置された、フォーカシングに際して不動の負の屈折力の第1レンズ群、フォーカシングに際して移動する正の屈折力の第2レンズ群、フォーカシングに際して不動の第3レンズ群からなる光学系

実施例1

  • 焦点距離:15.42
  • F値:2.91
  • 半画角:49.73
  • 像高:18.20
  • 全長:69.48
  • バックフォーカス:15.51

実施例2

  • 焦点距離:18.20
  • F値:2.91
  • 半画角:47.70
  • 像高:20.00
  • 全長:68.27
  • バックフォーカス:16.21

実施例3

  • 焦点距離:19.10
  • F値:2.91
  • 半画角:43.62
  • 像高:18.20
  • 全長:69.24
  • バックフォーカス:13.36

パラメータだけ見ると「RF16mm F2.8 STM」関連かと思いきや、第一群と第三群が固定されたインナーフォーカスの光学系となっている模様。繰り出し式の「RF16mm F2.8 STM」「RF50mm F1.8 STM」と比べると高速AFが実現できるかもしれませんね。

実施例はそれぞれ「15mm F2.8」「18mm F2.8」「20mm F2.8」のフルサイズ対応レンズで、足りない像高は例のごとく(歪曲収差の補正で)四隅を引き延ばすと思われます。16mm F2.8が別の光学系で既に商品化されているので、登場するとしたら18mmか20mmでしょうか?どちらにせよ、Vlogなど自撮りの撮影では重宝しそうな焦点距離のレンズとなりそう。APS-Cでも使いやすそうな焦点距離ですね。

特許出願中の光学系が必ずしも商品化されるとは限りませんが、小型軽量で手ごろな価格の広角レンズは需要が高そうです。

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