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キヤノン「11-24mm F4 IS」「12-24mm F2.8 IS」などの特許出願

2022年8月10日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。広角レンズに光学手ぶれ補正を搭載する意義を述べつつ「11-24mm F4 IS」「12-24mm F2.8 IS」などの実施例を掲載。

概要

  • 【公開番号】P2022117249
  • 【公開日】2022-08-10
  • 【発明の名称】ズームレンズ及びそれを有する撮像装置
  • 【出願日】2021-01-29
  • 【出願人】
    【識別番号】000001007
    【氏名又は名称】キヤノン株式会社
  • 【課題】広画角化と小型化を両立すると共に、防振時においても高い光学性能を維持可能なズームレンズ及びそれを有する撮像装置を提供すること。
  • 【背景技術】
    【0002】
    従来、像ぶれを補正する手段として光学系の一部を光軸に垂直な方向へシフトさせるレンズシフト式の防振機構や撮像素子をシフトさせるセンサーシフト式の防振機構が知られている。特許文献1には、レンズシフト式の防振機構を備えるズームレンズが開示されている。
  • 【0005】
    画角100°を超える超広角ズームレンズを使用する場合、小さいシフト量で大きな補正量を得ることができるため、センサーシフト式の防振機構を用いることが多い。中心射影方式の光学系に入射する光線の入射角の変化に対する像点の移動量は撮像面上で一様にならないため、中心射影方式で歪曲収差を抑制するズームレンズにおいて、撮像面中心の像ぶれ補正を行っても撮像面周辺の像ぶれが多く残存する。撮像面周辺の像ぶれを抑制するために射影方式を像ぶれの差異がない等距離射影方式に近づけると、画像が大きく歪んでしまうため、このようなズームレンズは歪曲収差を画像処理で補正する電子歪曲補正機能を有する撮像装置と合わせて使用されることが多い。しかしながら、中心射影方式での歪曲収差を過剰に発生させると、電子歪曲補正により撮像面周辺の画質が劣化してしまう。そのため、像ぶれ補正及び電子歪曲補正による撮像面周辺の画質劣化の抑制を両立するために、中心射影方式での歪曲収差を適切に設定する必要がある。
  • 【0006】
    また、レンズシフト式の防振機構は、防振敏感度(防振群の単位移動量に対する像ぶれの補正量の比)が撮像面中心よりも撮像面周辺の方が高くなるため、撮像面周辺の像ぶれを抑制することができる。したがって、超広角ズームレンズにレンズシフト式の防振機構を搭載することが望ましい。
  • 【0007】
    本発明は、広画角化と小型化を両立すると共に、防振時においても高い光学性能を維持可能なズームレンズ及びそれを有する撮像装置を提供することを目的とする。

実施例1

  • 焦点距離:11.33-23.30
  • F値:4.08-4.12
  • 半画角:59.63-42.88
  • 像高:19.33-21.64
  • 全長:135.40-130.90
  • バックフォーカス:13.63-14.26

実施例2

  • 焦点距離:12.36-23.30
  • F値:2.91
  • 半画角:57.41-42.88
  • 像高:19.33-21.64
  • 全長:130.51-119.64
  • バックフォーカス:13.43-24.55

実施例3

  • 焦点距離:14.42-33.95
  • F値:4.08-4.12
  • 半画角:53.26-32.50
  • 像高:19.32-21.64
  • 全長:125.87-125.87
  • バックフォーカス:14.99

実施例4

  • 焦点距離:15.45-33.95
  • F値:2.91
  • 半画角:51.37-32.51
  • 像高:19.33-21.64
  • 全長:149.62-135.96
  • バックフォーカス:15.11

とのこと。広角レンズはボディ内手ぶれ補正が効果的としつつも、歪曲収差の補正が難しくなると指摘。また、周辺部の補正効果も考慮すると光学手ぶれ補正を搭載する意義があるみたいですね。実際、キヤノンはボディ内手ぶれ補正を導入した後も手ぶれ補正搭載の広角ズームを投入しています。ローパスフィルターと同じく、他社のトレンドには乗らないキヤノン独自のコンセプトと言えるかもしれません。

実施例を見てみると、それぞれの光学系にISの記述はありません。ただし、後群に像ぶれ補正を含むことを想定している模様。光学系はそれぞれ「11-24mm F4 IS」「12-24mm F2.8 IS」「14-35mm F4 IS」「15-35mm F2.8 IS」となっています。14-35mm F4 ISの実施例は製品化された「RF14-35mm F4 L IS USM」だと思いますが、15-35mm F2.8は別の光学系ですね。今のところ製品化していない「11-24mm F4 IS」「12-24mm F2.8 IS」が今後登場するのか気になるところ。ちなみに、以前にも似たような実施例を含む特許を出願しています。

RF14-35mm F4用の特許かもしれませんが、ここ最近は未発表の新製品に関する特許出願が公開される場合もあり(800mm F11や18-45mm F4.5-6.3など)、ひょっとしたらキヤノンはさらなるF2.8・F4超広角ズームを検討しているのかもしれませんね。

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