2021年6月3日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。APS-Cミラーレス用と思われる「15-45mm F4.5-6.5」や「24-35mm F9.5-F11」など小型標準ズームレンズに関する実施例を含んでいます。
- 【公開番号】特開2021-86024(P2021-86024A)
- 【公開日】2021年6月3日
- 【発明の名称】ズームレンズおよびそれを有する撮像装置
- 【出願日】2019年11月28日
- 【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社- 【課題】 軽量でありながら優れた光学性能を有するズームレンズを実現すること。
実施例1 実施例2 焦点距離 15.46-43.65 18.53-43.65 F値 4.16-6.50 4.56-6.50 半画角 38.73-17.38 33.78-17.38 像高 12.40-13.66 12.40-13.66 全長 96.84-84.27 89.11-81.40 BF 26.19-49.18 28.48-47.77 実施例5 実施例6 焦点距離 16.41-43.65 20.01-43.65 F値 4.21-6.50 4.60-6.50 半画角 37.08-17.38 31.79-17.38 像高 12.40-13.66 12.40-13.66 全長 99.00-83.61 92.00-83.15 BF 24.60-45.64 33.77-52.69 実施例8 実施例 焦点距離 24.50-35.50 F値 9.41-11.00 半画角 23.84-21.05 像高 12.40-13.66 全長 85.00-76.68 BF 36.70-43.53
像高からキヤノンAPS-Cセンサー向けの標準ズームレンズを想定した特許のようです。現行の「EF-M15-45mm F3.5-6,3 IS STM」とは異なる、レンズ構成枚数の少ない標準ズームですね。ミラーレス用としてはバックフォーカスが少し長く、沈胴機構を搭載する余地があるかもしれません。
パラメータを確認してみると、開放F値が比較的大きく、カメラのレンズキット用のような印象を受けます。広角側でキヤノンAPS-Cセンサーよりも小さな像高となってしまいますが、おそらく現行の「RF24-240mm F4-6.3 IS USM」と同じく、強い歪曲収差補正で引き延ばすものと思われます。収差図を見ると、歪曲収差が完全にデジタル補正丸投げとなっていることからも、その可能性が高い。(普段は収差図までブログで取り上げないものの、歪曲収差の曲線が左隣の非点収差までかかっているのが面白かったので掲載しました。)
また、最後の実施例で「25-35mm F9.5-11」とショートズームの面白いパラメータを掲載しています。絶望的な開放F値ですが、そのぶん非常にコンパクトなズームレンズとなりそうです。
いつものように、これらの特許出願が実用化されるかどうかはまだ不明です。ですが、キヤノンが小まめにAPS-Cミラーレス用レンズの特許を出願しているのは事実です。将来的にAPS-Cミラーレスが登場するかもしれませんね。
参考:キヤノンRFレンズ一覧
RF ズームレンズ
- RF15-35mm F2.8L IS USM
- RF24-70mm F2.8L IS USM
- RF24-105mm F4L IS USM
- RF24-105mm F4-7.1 IS STM
- RF24-240mm F4-6.3 IS USM
- RF28-70mm F2L USM
- RF70-200mm F2.8L IS USM
- RF70-200mm F4 L IS USM
- RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
RF 単焦点レンズ
- RF35mm F1.8 Macro IS STM
- RF50mm F1.2L USM
- RF50mm F1.8 STM
- RF85mm F1.2L USM
- RF85mm F1.2L USM DS
- RF85mm F2 Macro IS STM
- RF100mm F2.8L MACRO IS USM
- RF400mm F2.8L IS USM
- RF600mm F4L IS USM
- RF600mm F11 IS STM
- RF800mm F11 IS STM
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