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キヤノン RF-S向けインナーズーム光学系「20-120mm F4」「18-100mm F4」の特許出願

2023年12月27日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。インナーズームでAPS-Cに対応する「20-120mm F4」「18-100mm F4」を想定したような光学系の実施例がいくつか掲載されています。

概要

  • 【公開番号】P2023182926
  • 【公開日】2023-12-27
  • 【発明の名称】ズームレンズおよびそれを有する撮像装置
  • 【出願日】2022-06-15
  • 【出願人】
    【識別番号】000001007
    【氏名又は名称】キヤノン株式会社
  • 【課題】高いズーム倍率とズーム全域における高い光学性能を有する全長固定型のズームレンズを提供する。
  • 【背景技術】
    【0002】
    ズーミングに際してレンズ全長が変化しない、全長固定型のズームレンズが知られている。このようなズームレンズは、ズーミングの際に重心の変化が少ないことから、動画撮影などに好適である。また近年、ズームレンズには、動画用途として高いズーム倍率と、ズーム全域において高い光学性能が求められている。
  • 【0005】
    しかしながら、特許文献1に記載のズームレンズでは、ズーミングとフォーカシングに際して移動するレンズ群が少ない点で優れているが、近年のセンサの高解像度化に伴い光学性能の向上が求められる。
  • 【0006】
    一方、特許文献2に記載のズームレンズでは、各レンズ群のレンズ枚数を増やすことでズーム全域にわたって高い光学性能が得られているが、さらなる高いズーム倍率が求められる。
  • 【0007】
    本発明は、高いズーム倍率とズーム全域における高い光学性能を有する全長固定型のズームレンズを提供する。

実施例1

  • 焦点距離:20.02-119.95
  • F値:4.08
  • 半画角:34.40-6.31
  • 像高:12.33-13.66
  • 全長:165.00
  • バックフォーカス:13.54

実施例2

  • 焦点距離:20.01-134.95
  • F値:4.08
  • 半画角:34.29-5.61
  • 像高:12.33-13.66
  • 全長:168.51-168.50
  • バックフォーカス:13.82

実施例3

  • 焦点距離:18.41-101.96
  • F値:4.08
  • 半画角:36.59-7.42
  • 像高:12.33-13.66
  • 全長:146.50146.49
  • バックフォーカス:13.77

APS-Cサイズのイメージセンサーに対応するインナーズーム光学系のようですね。APS-C対応に見えますが、広角側は像高が少し足りません。収差図を見る限りでは歪曲収差が残存しているので、カメラ側で歪曲収差を補正しつつ、四隅をセンサーサイズまで引き延ばす前提の設計かもしれません。(RFレンズではその種の光学設計が多い)

今回の特許では20mmの準広角から120-135mmの望遠までカバーする実施例と、18mmの広角から100mmまでの望遠をカバーする2種類の高倍率ズームレンズに見えます。インナーズームであるところを見ると、ソニー「E PZ 18-105mm F4 G OSS」や富士フイルム「XF18-120mmF4 LM PZ WR」のような動画撮影向けのパワーズーム対応レンズを検討しているのでしょうか?今回の実施例通りに商品化される可能性は低いかもしれませんが、APS-C向けに何らかのパワーズームが登場するかもしれませんね。(パワーズームアダプター対応の可能性もありそう)

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