RF70-300mm F4.5-7.2 や RF250-600mm F6.3-11を想定したような特許出願

2022年12月2日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。「70-300mm F4.5-7.2」「250-600mm F6.3-11」など特殊な小口径の望遠ズームレンズの実施例を複数掲載。

概要

【公開番号】P2022178447

【公開日】2022-12-02

【発明の名称】ズームレンズ及びそれを有する撮像装置

【出願日】2021-05-20

【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社

【課題】全ズーム範囲で高い光学性能を有し、小型で軽量なズームレンズを提供する。

【背景技術】
【0002】
近年、撮像装置に用いられるズームレンズは、高い光学性能を有し、小型かつ軽量であることが求められている。

【0003】
これらの要求に応えるズームレンズとして、特許文献１には物体側から像側へ順に配置された、正、負、正、正の屈折力の第１乃至第４レンズ群を有し、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズが開示されている。

【0006】
本発明は、全ズーム範囲で高い光学性能を有し、小型で軽量なズームレンズ及びそれを有する撮像装置の提供を目的としている。

実施例1

焦点距離：103.01-387.98

F値：6.30-8.24

半画角：11.86-3.19

像高：21.64

全長：183.99-280.00

バックフォーカス：32.00-122.21

実施例2

焦点距離：103.01-347.20

F値：5.13-8.24

半画角：11.86-3.57

像高：21.64

全長：198.72-267.94

バックフォーカス：32.86-136.99

実施例3

焦点距離：70.00-300.00

F値：4.40-7.20

半画角：17.17-4.12

像高：21.64

全長：165.01-231.87

バックフォーカス：27.80-102.92

実施例5

焦点距離：250.00-600.00

F値：6.24-11.33

半画角：4.95-2.07

像高：21.64

全長：305.44-336.20

バックフォーカス：29.45-163.77

実施例1は「RF100-400mm F5.6-8 IS USM」は似たようなコンセプトに見えますが、商品化された光学系とは異なる設計のようです。さらにシンプルな設計で小型軽量化を意識しているものの、100-400mmが登場している現在では商品化の可能性はゼロに近いと思われます。

一方、実施例3や5は現在のRFレンズラインアップにはない望遠ズームレンズですね。どちらも開放F値が非常に大きく、暗く、低照度での撮影は苦手に見えますが、小型軽量で扱いやすいレンズを目指しているように見えます。明るい日中に撮影するような用途であれば、このように携帯性の高いレンズのほうが便利と感じるかもしれません。と言っても実施例5の望遠端F11は日中でも高速シャッターを併用しようとするとISO感度がそれなりに上がってしまう可能性がありますが…。