2022年2月1日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。繰り出し式フォーカスを採用した「RF20mm F1.8」「RF24mm F1.8」「RF28mm F1.8」を想定したような実施例が含まれています。
概要
- 【公開番号】特開2022-20096(P2022-20096A)
- 【公開日】令和4年2月1日(2022.2.1)
- 【発明の名称】光学系及びそれを有するレンズ装置、撮像装置
- 【出願日】令和2年7月20日(2020.7.20)
- 【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社- 【課題】良好な光学性能を有し、製造が容易で小型な光学系を提供すること。
- 【0004】
しかしながら、特許文献1の光学系を広角化させる場合、画角が大きくなるに伴い軸外収差が増加する。増加した軸外収差を良好に補正するためには、フォーカス群である前群において径が大きいレンズを物体側に配置する必要があり、光学系の大型化に繋がる。更に、フォーカス群の質量も増加するためオートフォーカスを行う際に高出力のアクチュエータが必要となり、アクチュエータの大型化に繋がる可能性もある。- 【0006】
本発明は、良好な光学性能を有し、製造が容易で小型な光学系及びそれを有するレンズ装置、撮像装置を提供することを目的とする。実施例1
- 焦点距離:28.60
- F値:1.85
- 半画角:37.1
- 像高:20.15
- 全長:81.00
- バックフォーカス:13.20
実施例2
- 焦点距離:20.60
- F値:1.85
- 半画角:46.4
- 像高:18.71
- 全長:84.87
- バックフォーカス:11.00
実施例3
- 焦点距離:24.72
- F値:1.85
- 半画角:41.2
- 像高:19.34
- 全長:81.00
- バックフォーカス:11.00
比較的コンパクトな大口径広角レンズを意識した特許となっていますね。繰り出し式フォーカスを採用しており、現行の無印RF単焦点レンズのコンセプトに近い設計のように見えます。とは言え、レンズ構成の大部分を前方へ移動させるフォーカス構造となっているので、アクチュエーターにかなりのトルクが要求されそうですねえ。(特許出願の趣旨を考慮すると、小型軽量化されている模様)
パラメータを見ると、像高がフルサイズに足りていないことが分かります(21.64mmは必要)。収差図を見る限り、歪曲収差を残したミラーレス向けの設計であり、後処理で樽型歪曲を補正しつつ、像高が足りないぶんを引き延ばすのだと思われます。
現行モデル「RF24-240mm F4-6.3 IS USM」も特許出願のパラメータを見る限りでは、広角側の像高が19mmしかありません。単焦点レンズでこのような設計の広角単が登場しても驚くことは無いでしょう。
このような光学設計の単焦点レンズを実用化するのかは不明ですが、現状の無印RFレンズ群におけるコンセプトと合致しているように見えます。登場するなら、このようなレンズ群になるのかなと。
参考:RFマウントレンズ一覧
RF ズームレンズ
- RF14-35mm F4 L IS USM
- RF15-35mm F2.8L IS USM
- RF24-70mm F2.8L IS USM
- RF24-105mm F4L IS USM
- RF24-105mm F4-7.1 IS STM
- RF24-240mm F4-6.3 IS USM
- RF28-70mm F2L USM
- RF70-200mm F2.8L IS USM
- RF70-200mm F4 L IS USM
- RF100-400mm F5.6-8 IS USM
- RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
RF 単焦点レンズ
- RF16mm F2.8 STM
- RF35mm F1.8 Macro IS STM
- RF50mm F1.2L USM
- RF50mm F1.8 STM
- RF85mm F1.2L USM
- RF85mm F1.2L USM DS
- RF85mm F2 Macro IS STM
- RF100mm F2.8L MACRO IS USM
- RF400mm F2.8L IS USM
- RF600mm F4L IS USM
- RF600mm F11 IS STM
- RF800mm F11 IS STM
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