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ダブルガウスタイプで小型軽量な55mm F1.24 光学系に関するキヤノンの特許出願

2023年9月14日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。シンプルなダブルガウスタイプで、一眼レフよりもバックフォーカスの短い「55mm F1.24」光学系に関する実施例をいくつか含んでいます。

概要

  • 【公開番号】P2023127280
  • 【公開日】2023-09-13
  • 【発明の名称】光学系およびそれを有する撮像装置
  • 【出願日】2022-03-01
  • 【出願人】
    【識別番号】000001007
    【氏名又は名称】キヤノン株式会社
  • 【課題】Fナンバーが明るく、小型でかつ高い光学性能を有し、さらにフォーカシングに伴う諸収差の変動も抑制した光学系を提供する。
  • 【背景技術】
    【0002】
    近年、撮像装置に用いる半画角が20度から30度程度の標準画角の撮影光学系は、Fナンバーが明るく、全系が小型でありながら高い光学性能を有することが要求されている。標準画角の撮影光学系には、所謂ダブルガウス型と言われる光学系が知られている。ガウスタイプの光学系では、絞りを中心にレンズを対称配置し、少ないレンズ枚数で、小型でありながら高い光学性能が得られる。
  • 【0005】
    しかしながら、特許文献1に記載の光学系では、バックフォーカスが長くなりやすくレンズ全長が長くなるため、撮像装置の大型化を抑制することが難しい。
  • 【0006】
    明るいFナンバーでありながら、小型でかつ高い光学性能を有し、フォーカシングに伴う諸収差の変動の抑制も実現するにはレンズの構成、材料を適切に設定することが重要である。
  • 【0007】
    本発明は、Fナンバーが明るく、小型でかつ高い光学性能を有し、さらにフォーカシングに伴う諸収差の変動も抑制した光学系を提供することを目的とする。

実施例1

  • 焦点距離:53.80
  • F値:1.24
  • 半画角:21.91
  • 像高:21.64
  • 全長:78.46
  • バックフォーカス:29.83

実施例2

  • 焦点距離:55.98
  • F値:1.24
  • 半画角:21.13
  • 像高:21.64
  • 全長:84.99
  • バックフォーカス:30.07

実施例3

  • 焦点距離:56.00
  • F値:1.24
  • 半画角:21.12
  • 像高:21.64
  • 全長:79.92
  • バックフォーカス:30.00

バックフォーカスが一眼レフより短い、比較的シンプルなダブルガウスタイプの大口径レンズに関する特許のようですね。開放F値がF1.24と大口径で、フルサイズをカバーする像高を備えています。収差図を見る限りでは球面収差や非点収差がいくらか残存しているものの、歪曲や色収差は良く抑えられていますね。これがキヤノンRFマウント用を想定しているのであれば、手ごろな価格の標準大口径レンズとなりそうです。現代版「EF50mm F1.4 USM」と言ったところでしょうか。そう言えば、そんな噂も流れていましたね。

とは言え、特許出願中の光学系が実際に商品化する確率は低め。ゼロではありませんが、まだ過度な期待はしないほうが良いでしょう。個人的、これはアリだと思うのですが…。

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